禰豆子の太陽克服後に始まった柱稽古。
隊士は柱自らの直接指導を受けることができ、柱は隊士の相手をすることで体力の向上ができ、隊全体の士気をあげられる貴重な機会。
今回は、小説「鬼滅の刃」片羽の蝶に記載のある、柱稽古の第一の試練である元音柱・宇髄天元による善逸の特別訓練のエピソードを中心に天元と善逸の柱稽古での様子をご紹介していきたいと思います。
宇髄天元の柱稽古・我妻善逸の特別訓練について
天元の柱稽古の目的
柱稽古
まずは宇随によるしごき 基礎体力向上から始まり
甘露寺蜜璃による地獄の柔軟 時透無一郎による高速移動の稽古
蛇柱による太刀筋矯正 風柱による無限打ち込み稽古 岩柱による筋肉強化訓練
©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第15巻 第130話
柱稽古について、コミックの130話に記述があり、天元の柱稽古は基礎体力向上を目的とした地獄のしごきだったようです。
鬼殺隊の質が下がっていると常々感じていた天元ですから、厳しさもなお一層のことだったのでしょう。
柱稽古に向かう前の善逸の様子
柱稽古の内容を善逸から聞いた炭治郎は、格上の人と対峙することで自らも強くなり上達できると前向きに捉えました。
すると、それを聞いた善逸は、泣き言を言いながら、炭治郎の頭を噛みつく始末…。
安定のヘタレ発言全開の善逸ですが、さすが善逸の扱いにもなれている炭治郎のおかげで、この後すっかり機嫌を直し、意気揚々と柱稽古へと出かけていくのです(笑)
上弦の肆・半天狗との対峙の際、善逸が以前に炭治郎に教えてくれた雷の呼吸のコツを思い出し実行したことで、討伐成功に結び付いたことを話す炭治郎。
”人と人との繋がりが窮地を救ってくれることもあるから柱稽古で学んだこともきっと良い未来につながっていく”と励まされ、褒められてすっかり上機嫌になるわかりやすい善逸でした。
ひどい形相で稽古に向かおうとしていた時と一変し、スキップでもするような状態で柱稽古へ向かいました。
天元と善逸の柱稽古の様子
天元:「オラァ!何、寝てんだ!善逸!!
のんびりおねんねしてる暇があったら、血反吐吐くまで走れや!
そんなんで、上弦の鬼に勝てると思ってんのか!?サボってんと殺すぞ!!」
善逸:「ヒェッ……ヒャ―――――ッ!!」
©吾峠呼世晴・矢島綾/集英社 鬼滅の刃 片羽の蝶 正しい温泉のススメ
善逸は、天元の名指しで飛んでくる叱責と、竹刀による情け容赦ない一撃で音を上げていました。
共に上弦の陸・妓夫太郎と堕姫を討伐した仲である天元に対し、特別扱いを求める善逸ですが、現実は認識がある分、さらに厳しく稽古されていたようです。
雷の呼吸の派生である音の呼吸の柱だった天元には、基本の呼吸である雷の呼吸を会得している善逸に特別な思いももしかしたらあったのかもしれません。
善逸の特別訓練
天元:「各自、倒れるまで山の上り下りな。
それから、善逸。てめぇは特別訓練だ」
善逸:「え……」
©吾峠呼世晴・矢島綾/集英社 鬼滅の刃 片羽の蝶 正しい温泉のススメ
休憩明けに、天元から自分だけ特別訓練を言い渡され困惑する善逸。
天元は”温泉を掘り当てろ”という意外な提案と共に鍬(くわ)を投げ渡しました。
反射的に受け取った善逸でしたが、ようやく事情を理解すると善逸節をまくしたて始めます。
善逸:「アンタ、何、言っちゃってんの?アタマ大丈夫ですか?
大体、温泉ってそんな簡単に掘れるもんなの?
ああ、嫌がらせ?嫌がらせですか。
そっちがその気なら、俺はこれで帰らしてもらうんで。お世話になりました!」
©吾峠呼世晴・矢島綾/集英社 鬼滅の刃 片羽の蝶 正しい温泉のススメ
すると天元は意外にもすんなりと応じ、片目を細めて言いました。
天元:そりゃ、残念だなぁ。温泉を掘り当てたら、混浴にするつもりだったんだが
善逸:こ、ここここここここここ混浴ぅ……っ!?
©吾峠呼世晴・矢島綾/集英社 鬼滅の刃 片羽の蝶 正しい温泉のススメ
天元も、遊郭で善逸と接していただけあって、善逸の性格を理解しているような発言です(笑)
混浴のからくりがあると疑い、柱稽古にはむさくるしい男の隊士しかいないと主張する善逸。
天元が自分の3人の嫁、雛鶴・まきを・須磨の名前を告げ、嫁・三人は温泉に目がないなどと誘導し始めます。
”忍びたるもの服着て入るというオチでしょ”などと、尚もひねくれる善逸に、天元のとどめの一声、”温泉入るのに服着るわけねえだろ”で完オチする善逸…。
善逸:宇髄さん!!いや宇髄様!!!!!!!!!!天元様!!!!!!!!!!
天元:近えよ!!で?やんねえのか?
善逸:もちろん、やらせていただきます!!!
©吾峠呼世晴・矢島綾/集英社 鬼滅の刃 片羽の蝶 正しい温泉のススメ
善逸は、鼻の下をデレーっと伸ばしながら、鍬の柄を握り締めました。
何とも不純な動機で、特別訓練を始める善逸は、この後も一筋縄ではいきません!
一人で作業をする善逸の元に、山の上り下りの自主鍛錬をしていた伊之助が通りかかります。
伊之助が温泉のことを知らないことをいいことに、”この温泉には入ると強くなる効能がある”などと嘘をつき、まんまと協力させました。
伊之助の“勘”と善逸の”音”を頼りにした源泉探しは大変でしたが、何とか二人で掘り出すことに成功しました。
※二人の温泉を掘り出すまでの顛末は、「鬼滅の刃」片羽の蝶・正しい温泉のススメで是非お楽しみください。
善逸の特別訓練・天元の意図
雛鶴:本当は、温泉は口実で、この子の基礎体力を底上げするのが目的だったんじゃないですか?
てっきり否定されるかと思っていたが、夫は呆気なく「まあな」と認めた
©吾峠呼世晴・矢島綾/集英社 鬼滅の刃 片羽の蝶 正しい温泉のススメ
温泉を掘り当てた後、善逸は、”温泉に入れば強くなる”と騙し協力させたことが伊之助にバレ、詰め寄られた際に足を滑らせ、岩に頭をぶつけ気を失ってしまいました。
気を失っている善逸の手当をする雛鶴が、夫である天元の核心に迫ると、天元はあっさり認めました。
天元:このアホは、隙がありゃあサボろうとするからな。
あの猪が手伝ってたのは意外だったが、案外、良いコンビじゃねえか
©吾峠呼世晴・矢島綾/集英社 鬼滅の刃 片羽の蝶 正しい温泉のススメ
善逸の柱稽古での特別訓練は、善逸の性格を知っている天元が、善逸の基礎体力の底上げを目的に課した特別な配慮でした。
吉原の路地裏で上弦の鬼・妓夫太郎に、こいつらは三人とも優秀な俺の”継子”だと言い放った天元。
実際には継子を持つことのないまま引退しましたが、雛鶴は夫の最後の戦いを共にしたのが善逸たちで良かったと思い、本当に継子だったらと呟きます。
俺は誰かを育てられるような、御大層な人間じゃねえよ。
煉獄や胡蝶とは違う
©吾峠呼世晴・矢島綾/集英社 鬼滅の刃 片羽の蝶 正しい温泉のススメ
雛鶴の問いに、天元は優しく答えました。
雛鶴は、かつて共に戦った少年たちを自分なりのやり方で鍛え、戦いを生き延びていけるように指導している天元の思いを感じ取りました。
激しいしごきの中には、本当は繊細で優しい天元の、後輩である隊士たちが厳しい戦いで生き延びていける力をつけてやりたいという思いがこめられていたのですね。
まとめ
今回は、柱稽古の第一の試練である元音柱・宇髄天元による善逸の特別訓練のエピソードを中心に、天元の柱稽古の様子をご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
まとめると
- 天元の柱稽古は隊士の基礎体力向上を目的とした地獄のしごきだった
- 柱稽古に向かう前は泣き言を言っていた善逸でしたが、炭治郎に褒められ上機嫌で稽古へと向かった
- 柱稽古で、善逸は、天元の名指しで飛んでくる叱責と竹刀による情け容赦ない一撃で音を上げていた
- 善逸は、温泉を掘り当てろという自分だけの特別訓練に文句をつけていたが、天元の嫁3人との混浴に欲丸出しで完オチした
- 善逸の特別訓練は、善逸の性格を知っている天元が、善逸の基礎体力の底上げを目的に課した特別な配慮だった
上弦の陸・妓夫太郎と堕姫を共に討伐した天元と善逸。
その戦いでのケガが一因となり、柱を引退した天元でしたが、鬼殺隊としての活動にその後も関わり続ける姿勢は変わりありませんでした。
そこには、自分の後輩である隊士たちに、自分なりのやり方で戦い抜く術を伝授したい思いも込められていました。
善逸の、すぐに諦めサボる性格を熟知していたからこその、単純にモチベーションを上げるための混浴誘導作戦。
そこにも、方向性はどうであれ、善逸に対する天元なりの配慮があったことは確かです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
引き続き鬼滅の刃をお楽しみください。
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