明朗快活、優しく強く責任感の強い炎柱・煉獄杏寿郎。
鬼滅の刃無限列車編での活躍で人気のキャラクターですが、そんな彼の父親はどんな人物なのでしょうか。
こちらの記事では、杏寿郎の父親のプロフィール、人となりや過去、そして杏寿郎や弟の千寿郎との交流の様子から近況に至るまでをご紹介していきたいと思います。
煉獄杏寿郎の父親・煉獄槇寿郎のプロフィール
名前 | 煉獄槇寿郎(しんじゅろう) |
肩書 | 元炎柱/鬼殺隊引退 |
使用する呼吸 | 炎の呼吸 |
居住地 | 東京都荏原郡駒澤村(今の世田谷区桜新町) |
家族構成 | 妻 瑠火(病死)・長男 煉獄杏寿郎・次男 煉獄千寿郎 |
- 煉獄槇寿郎は、かつては鬼殺隊炎柱として活躍していた剣士でした。
- 煉獄家は代々鬼殺隊の剣士として活躍し、歴代の炎柱を担ってきました。
- 現炎柱の杏寿郎と弟の千寿郎、二人の息子たちの見た目や髪色は槇寿郎譲りでとてもよく似ています。
隊士の家族・煉獄家・槇寿郎
煉獄杏寿郎の父。
彼自身もまた元柱であり、剣士として相当の実力者である。
日の呼吸に関連すると言われる「歴代炎柱の書」なる書物を先祖代々管理している。
©吾峠呼世晴/集英社 公式ファンブック 鬼殺隊見聞録
槇寿郎・ダメ父時代
蹲(うずくま)るきっかけ
妻・瑠火の生前で、杏寿郎も千寿郎もまだ幼い頃は、槇寿郎も情熱を持って、炎柱として、鬼殺隊の剣士として活躍していました。
杏寿郎や千寿郎に対しても、自分に継ぐ剣士を育てるべく、熱心に剣術を指南していました。
杏寿郎も、無限列車編の魘夢(えんむ)の血鬼術で見させられた夢の中で、このように回想しています。
その後、槇寿郎は、日の呼吸の使い手について知ったことで、自分の無能さを痛感し、さらに最愛の妻・瑠火が亡くなったことにより、お酒に溺れるようになります。
そんな槇寿郎本人が、お酒に溺れていくきっかけについて、炭治郎に宛てた手紙の中で、明かしています。
妻・瑠火の説明の際、”最愛の妻”と伝えていますね。
杏寿郎のまっすぐで誠実な性格も、実は父親譲りなのかなと思います。
ここで、槇寿郎が使っている『蹲り続けた』という表現に、息子・杏寿郎のある場面が思い出されます。
杏寿郎が猗窩座との死闘により、致命傷を負い、自分に残された時間が僅かな中、後輩への助言を伝えている場面です。
杏寿郎は父が塞ぎこんでしまっている理由が痛いほどわかっていたのでしょう。
なのでどんな状態の父親でも抗うことなく受け止め、そばでそっと見守っていたのではないかなと想像してしまいます。
責任感が強い杏寿郎のことだから、自分の父に対してもどこかで自分が支えていかなければと思っていたのかなと思ってしまいますね。
自分が頑張ることでいつか父も奮起してくれるのではと信じていたのかもしれません。
炎柱・煉獄槇寿郎
お前は炎柱になれない
©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 零巻
最終選別に通り、初任務に向かう杏寿郎に対して、隊服を着た槇寿郎がこのように言い放ち、杏寿郎は人知れず思い悩みます。
杏寿郎は、出がけに千寿郎からかけられた言葉から、最終選別で一緒だった少年を思い出し、父の気持ちを慮ります。
この頃は、既に日の呼吸の使い手について知ったことによる無力感に苛まれていたのではないかと思われますが、お酒を片手に任務をするという段階まではいってない状態です。
息子たちに対する愛情の裏返しからの冷たい態度だというのは、それ以前の槇寿郎の熱心な姿から想像すると理解できるような気がします。
本当のことを伝えてしまうほどの確信も持てず、子供たちの未来も手放しで送り出せない苦しい心境だったことも事実だと思います。
自分の中で自問自答し苦悩している様子ですね。
自分が信じ、子らにも伝承していこうとしていたものが信じられなくなったという状況は、とても熱心に取り組んでいただけに、心が折れてしまったのかもしれません。
そういうことって、人生の中でもありますよね。
炎柱・煉獄槇寿郎/かっこいい編
そして、先日放映されたアニメ鬼滅の刃無限列車編第1話にて、槇寿郎のかっこいいシーンが公開されました。
アニメ無限列車編で、杏寿郎が鬼の頸を斬ったのを目の前で見ていた駅弁屋さんのおばあさんが、20年前に命を助けて貰った剣士を思い出します。
この剣士が当時の炎柱である槇寿郎で、その構えや動きが、杏寿郎とシンクロしているのが観られます。
とてもかっこいいシーンで、この槇寿郎の姿が目に焼き付いている杏寿郎は、憧れの気持ちを持って鍛錬を続けていたのかもしれません。
杏寿郎の素晴らしい剣術の源が、尊敬する父・槇寿郎をお手本にしたことがよくわかる場面です。
このシーンを観ても、若き日の槇寿郎は、杏寿郎ととてもよく似た、素晴らしい精神と信念と情熱を持つ剣士だったのだろうと思います。
アニメ鬼滅の刃無限列車編第1話にて、ぜひ一見の価値ありです!!
また、蛇柱・伊黒小芭内(いぐろおばない)も、幼い頃、炎柱・槇寿郎に助けられています。
小芭内の壮絶な生い立ちはここでは詳しくは触れませんが、この当時、小芭内が12歳・現21歳設定の為、9年前となると、20歳設定の杏寿郎は11歳となる為、この炎柱は槇寿郎ですね。
小芭内の一族は、下肢が蛇のような女の鬼が人を殺して奪った金品で生計を立てていました。
小芭内は、その蛇女鬼から、希少性を気に入られ、成長して食べれる量が増えるまで座敷牢に幽閉されている状況の中、脱出を試みます。
逃げている途中、追いつかれ殺されそうになるも、槇寿郎に助けられます。
その後、槇寿郎は、生き残った従姉妹と小芭内を引き会わせますが、従姉妹は小芭内を罵ります。
そこでも、罵られ傷つく小芭内から従姉妹を抑え、諌(いさ)めようとする様子も描かれており、弱き人の心に寄り添える優しさも感じられます。
人の気持ちに寄り添える優しさ、杏寿郎と通じるものがありますね。
酒浸り・槇寿郎
槇寿郎がまだ炎柱で、杏寿郎が鬼殺隊・甲(きのえ)だった頃、槇寿郎付きの鎹鴉(かすがいがらす)からの伝令で、柱合会議に向かえとの伝言を告げると、既に酒の瓶を抱え悪態をついている槇寿郎の姿があります。
その柱合会議に代理で出席した杏寿郎が、柱になるべく向かった任務で出会った下弦の弐・佩狼(はいろう)は、以前に荒れていた槇寿郎に痛めつけられたことを恨みに思っていました。
杏寿郎は、自身を槇寿郎と勘違いした佩狼に復讐を宣告されます。
杏寿郎が鬼殺隊の最終選別に合格した癸(みずのと)から甲になる間に、妻の瑠火が亡くなり、任務にお酒を持ち込むようになり、任務前でも断酒ができない状態になっていったようです。
その後、佩狼を倒し、晴れて炎柱となった杏寿郎が、槇寿郎に報告に行った際のことを、無限列車の中で、下弦の壱・魘夢に見せられた夢の中で回想します。
変わらず塞ぎこむ様子の槇寿郎の姿があります。
けれど、傍らには、書物を手にしている様子も描かれているので、諦めきれず何か手立てはないか、鬼殺隊の為にできることはないのかと模索していたのか、それとも日の呼吸の使い手に固執していただけなのかは槇寿郎にしかわかりませんが、全くどうでもよければ読む必要もないのかなとも思います。
杏寿郎が猗窩座との死闘の末に亡くなり、炭治郎が杏寿郎から預かっていた家族への遺言を伝える為に家を訪れた際も、さらにその悪態はひどくなっていきます。
初対面の炭治郎に対し、このような登場の仕方をします。
尊敬する先輩である杏寿郎の家族なので、炭治郎もさぞや立派な父なのではと思っていたのではないでしょうか。
人間の能力は生まれた時から決まっている
才能のある者は極一部 あとは有象無象 何の価値もない塵芥(ちりあくた)だ!!
杏寿郎もそうだ 大した才能は無かった 死ぬに決まってるだろう
©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第8巻
とさらにまくし立てます。
その場にいた弟の千寿郎に対しても悪態をつき、とうとう炭治郎に制止されるのですが、炭治郎の耳飾りを見た槇寿郎が豹変します。
突然、日の呼吸の使い手と決めつけて殴りかかり、それを制止しようとした千寿郎をも殴る始末。
炭治郎も堪忍袋の緒が切れた様子で詰め寄りますが、一方の槇寿郎は、唐突に”日の呼吸”について語り、最後には、調子に乗るななどと言いがかりをつけて怒鳴り立ててしまいます。
最終的には、そのひどい悪態ぶりにキレた炭治郎は、元炎柱の槇寿郎相手に、得意の頭突きをくらわせてしまいます。
杏寿郎の死から最も立ち直れずにいたのは、他でもない槇寿郎だったと思います。
その苦しさから逃れるためにさらにお酒を飲むようになっていたのではないかなと思います。
炎の呼吸に限界を感じてしまった槇寿郎だからこそ、杏寿郎を失ったことを自分自身が許せずにいたのではないかと思ってしまいます。
炭治郎を見送った後、千寿郎がそっと杏寿郎の遺言を伝えます。
まっすぐに自分のことを信じ、復帰を待ち望みながら、懸命に努力を積み重ねて鍛錬に鍛錬を重ねていた、わが子の遺言。
槇寿郎も杏寿郎に悪態をつきながらも、鍛錬をしている様子はきっと間近に感じていたことでしょう。
その遺言が、体を大切にして欲しいという精一杯の優しさと槇寿郎への変わらない思いやりだったことで、ここで初めて素直な感情をあらわにします。
槇寿郎の再生
炭治郎が遊郭で、上弦の陸・堕姫(だき)との闘いの最中、何度も杏寿郎の助言を思い出し、自分を奮い立たせて、連発できなかったヒノカミ神楽を連発させ戦います。
そして、戦いの最中に、槇寿郎より届いた手紙の内容を回想する場面があります。
悪態をついて荒れていた槇寿郎は消え去り、とても穏やかで落ち着いています。
炭治郎に本気で叱咤されたことにより、杏寿郎の遺言を受け止め、お酒の力で逃げることを止め、正気を取り戻し、本来の槇寿郎の姿が戻ってきたのだと思います。
杏寿郎のことを愚息と罵っていた槇寿郎でしたが、本当の心の中ではいつも素晴らしい息子だと思ってきたことがわかります。
瑠火の…母親の血が濃いのだろう
杏寿郎も千寿郎も立派な子だ
©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第10巻
槇寿郎から、こんな言葉が聞ける日が来て、本当に嬉しいですが、杏寿郎の生前にこのような槇寿郎に戻れていたらと、たらればを言っても仕方ないですが、思ってしまいます。
杏寿郎の秘かな悲願でもあったであろう、槇寿郎の復活を感じます。
遺された千寿郎と、家族の絆を再生する機会ができたことは本当に良かったなと思います。
槇寿郎の復活
炭治郎たちが、人喰い鬼の始祖である鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)の本拠地・無限城で戦っている最中、耀哉(かがや)に代わり、新たな鬼殺隊当主になった産屋敷輝利哉(うぶやしききりや)・当時8歳は、5人兄弟の中で、同じく生き残った妹くいなとかなたと共に別の場所で指揮をとっていました。
その護衛として、元音柱の宇髄天元(うずいてんげん)と共に槇寿郎が登場します。
もう完全に復活しましたね。
あの悪態をついていた人物と同じ人とは思えないくらいです。
凛々しい表情と姿は杏寿郎同様、力強い安心感と責任感の強さを感じます。
杏寿郎のそれは、槇寿郎譲りのものだったのではとさえ思います。
そこにはもう、希望を失い自暴自棄になっていた槇寿郎の姿はありません。
鬼殺隊の柱古参として、引退した元柱として、立派に努める姿がありました。
どんな人も自分の気持ち次第でやり直すことができる。
やり直す機会を与えた当主や仲間、そして家族の存在もとても大きいかと思います。
千寿郎とも、信頼関係を取り戻し、家族の絆を深めている様子が伝わってきますね。
本当に良かったです。
きっと杏寿郎も母の瑠火も天国で微笑んでいることでしょう。
鬼のいない世界になって
多くの犠牲を払い、炭治郎たち鬼殺隊が一丸となって、鬼舞辻無惨を倒し、ようやく、人食い鬼のいない世界になりました。
鬼舞辻無惨討伐から、3か月後の蝶屋敷の様子がこちら。
すっかり正気の槇寿郎に戻り、酒浸りの生活とは縁を切り、千寿郎と共に歩み出している様子です。
これからは、幼くして母と兄を亡くした千寿郎と二人、支えあいながらも、力強く歩んで行ってほしいですね。
お酒で本来の姿とは違う卑劣な面ばかりが見えていた槇寿郎ですが、悲しくも、杏寿郎の死をきっかけに少しずつ立ち直り、家族の絆・父としての姿を取り戻すことができて、本当に良かったですね。
人間、どんな失敗をしてしまったとしても、自分の気持ち次第で、誰でもやり直しができるということも伝えてくれました。
まとめ
煉獄杏寿郎の父・煉獄槇寿郎の蹲(うずくま)りから、再生と復活までの軌跡を追いながら、その人となりや過去の出来事などをご紹介してきました。
偉大な父がいたからこそ、あの杏寿郎の素晴らしい剣術や性格、人格が生まれてきた事を感じます。
そして、転落からの復活の場面も、人間いつでもやり直しができるということを身を挺して教えてくれたような気がします。
本当に鬼滅の刃では、たくさんのキャラクターがいて、それぞれいろんなことを抱えていて、奥が深いです。
そんな魅力たっぷりの鬼滅の刃を、アニメ・コミック・映画などで、引き続き、ぜひお楽しみください!!
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