煉獄杏寿郎の弟・千寿郎(せんじゅろう)くんは、『無限列車編』で、劇場版に続きテレビアニメにも登場しています。
そして兄の夢の中に出てくる千寿郎くんは、「まだ幼さの残る、煉獄さんの可愛い弟」というイメージで見られているのではないでしょうか。
確かにそのとおりではあるのですが、実はそこまで幼いわけではなく、内面的にもとてもしっかりした子であることが、その後の展開からわかってきます。
偉大な兄の亡き後、弟の千寿郎くんがどのように立ち直り、どんな形で鬼殺隊への貢献をしたのか、詳しく解説していきたいと思います。
煉獄杏寿郎の弟『煉獄千寿郎』の年齢と身長
千寿郎くんについてはっきりしているのは、「家族(両親と兄)」および「子孫を残していること」のみですので、年齢も身長も考察が必要です。
煉獄千寿郎の推定年齢は「兄の夢の中・12歳」、「炭治郎が尋ねたとき・13歳」
映画で登場した千寿郎くんの「見た目&声(幼い感じではなかった)」から「13歳ぐらいかな」と想像していました。
そしてその想像が合っているのかどうか、様々な根拠から推測してみたところ、その過程は実に長いものになりました。
兄・杏寿郎との年齢差
見た目で年齢を想像しやすい子供の頃の画を使ってみます。
この頃の杏寿郎はまだ声も幼く、10歳ぐらいと考えられます。
そして母の瑠火(るか)は千寿郎が物心つく前に亡くなっていて、更にこの寝ている姿の幼さから、この時の千寿郎くんはおそらく3歳ぐらい。
つまり、兄・杏寿郎との年齢差は7歳ほどとなります。
兄・杏寿郎が『柱』になった年齢
千寿郎くんの最初の登場場面は、「無限列車で兄の杏寿郎が見ている夢の中」でした。
その夢の中で、兄は「柱になったことを報告しにきた」と言っているので、兄の夢の中に出てきた千寿郎くんの年齢は、兄が柱になったときの年齢から割り出せそうです。
柱になった順番
煉獄杏寿郎よりも先に柱になっていたのが明らかなのは以下のメンバーで、おそらく順番もこのとおりです。
- 岩柱・悲鳴嶼行冥
- 音柱・宇髄天元
- 水柱・冨岡義勇(不死川実弥が柱になったとき、すでに柱合会議の場にいた)
- 風柱・不死川実弥(柱になったとき胡蝶カナエがまだ生きていたので、しのぶより先)
- 蟲柱・胡蝶しのぶ(杏寿郎が柱になったとき、柱合会議の場にいた)
柱になった時期
煉獄杏寿郎が柱になった時期を推測するのに鍵となるのは、水柱・冨岡義勇と竈門炭治郎です。
『公式ファンブック・鬼殺隊見聞録』によると、冨岡義勇は柱になった直後に竈門炭治郎・禰豆子の兄妹と出会っていました。
そして炭治郎のその後を時系列に並べると以下のようになります。
- 義勇と出会った直後、鱗滝左近次に弟子入りし、2年間(単独期間も含め)修行した後、最終選別に参加して鬼殺隊に入隊。
- 入隊後すぐ「沼の鬼」、「浅草(矢琶羽&朱紗丸)」、「鼓の屋敷(響凱)」と次々に任務をこなした後、「藤の花の家紋の家」で療養。あばら骨が完治するまで滞在していたため、ここで過ごした期間はおそらく1か月程度。そしてそこから那田蜘蛛山に向かっている。
- 那田蜘蛛山の任務後、蝶屋敷にて療養。このときの療養期間は、下記の善逸のセリフから3か月程度と思われる。その後、無限列車の任務に赴く。
以上のことから、冨岡義勇が柱になってから無限列車編までは、少なくとも2年4か月かかっていることになります。
ただし、那田蜘蛛山の直後の柱合会議で、煉獄杏寿郎を含めすでに9人の柱がそろっていましたので、炭治郎たちが蝶屋敷で3か月間療養する前、つまり冨岡義勇が柱になってから2年1か月の間に、不死川実弥含めた6人が柱になっていることになります。
そしてこの6人の中で、煉獄杏寿郎は不死川実弥、胡蝶しのぶに次いで3番目に柱になっている可能性が高く、柱であった期間は(諸々の誤差も含め)長くても2年程だったと思われます。
煉獄杏寿郎の設定年齢は20歳ですので、柱になったのは18~19歳頃ということになりますね。
長い考察、ご苦労だったな!
まだ肝心の千寿郎くんの年齢を出していませんよ
そこから推測される千寿郎の年齢
兄と弟の年齢差は7歳ほどと考えますので、千寿郎くんの年齢は以下のように推測します。
- 兄の夢の中(兄が柱になった頃)は12歳
- 無限列車編の後、炭治郎が尋ねて行ったときは13歳
また、本編外ではありますが、『中高一貫キメツ学園物語』での千寿郎くんは、設定が中学一年生です。
必ずしも本編と同じ年齢設定とは限りませんが、ここは素直に12~13歳と考えて良いと思います。
長い考察の後で申し訳ないんだけど、カナエさんが亡くなった時に14歳だった妹のしのぶさん(コミック19巻「大正コソコソ噂話」より)が現在は18歳、ということは、えーっと、ちょっと計算が合わないんじゃないか???
冨岡さんが炭治郎に会ったとき「柱になった直後だった」とはいえ、何ヶ月かぐらいは経っていた可能性があるだろ。それにカナエさんが亡くなったとき、しのぶさんは「15歳になる直前の14歳だった」かも知れないし、18歳というのも「無限城で亡くなったときの年齢で、しかも18歳になったばかりだった」と考えれば、なんとかギリギリつじつまが合うんじゃないかな?(でもこれ以上は怖くて深入りできないよ)
この話はこれでおしまいだな!
煉獄千寿郎の身長・157cm(推測)
身長が近いと思われる霞柱・時透無一郎(160cm)を比較対象にしてみました。
兄・杏寿郎と並んだ画
まずは兄・杏寿郎と並んでいる場面、千寿郎くんは兄の詰め襟のすぐ下あたりでしょうか。
無一郎も杏寿郎の詰め襟あたりですが、無一郎の方が千寿郎くんより若干大きいかな、と思われます。
炭治郎と並んだ画
これも若干ですが、千寿郎くんより無一郎の方が大きく見えます。
というわけで、千寿郎くんの身長は「157cm」と推測します。
煉獄さんと並んでいるときの千寿郎くんは12歳で、炭治郎と並んでいるときは13歳なんだよね? そこを「同じ身長」として考えるのはおかしくない? あ、比較対象の僕も成長期だから、そこでごまかそうとしているの?
・・・それを言ってしまうと炭治郎も成長期で、身長考察自体ができませんので、大目に見てください。。
炭治郎との出会い
「お前には兄がいる」と言ってくれたその『兄』は、無限列車の任務で亡くなってしまいます。
まだまだ深い悲しみの中にいた千寿郎くんを救ったのは、同じく深い悲しみから立ち直ろうとしていた炭治郎でした。
破られていた『歴代炎柱の書』
炭治郎は無限列車の任務後、煉獄さんに言われたとおり煉獄家を尋ねています。
そして「ヒノカミ神楽」について聞いてみたところ、千寿郎くんが煉獄家に伝わる書物を持ってきてくれました。
ところが、煉獄家に代々伝わるその大事な『歴代炎柱の書』は、父親の槇寿郎によってズタズタに破られていたのです。
これでは炭治郎の知りたかった『ヒノカミ神楽』について知ることはできません。
それでも前を向いて進んで行く
炭治郎は元来とても前向きな性格なのですが、この無限列車編の直後だけ「炭治郎でも落ち込んだり、だめかもしれないって思っちゃうことあるんだな」と善逸に思われていたほど落ち込んでいました。
そしてたどり着いた答えが「足掻くしかない」だったのです。
千寿郎くんの表情は、炭治郎の言葉に自分の境遇を重ねているようにも見えますね。
大きな存在だった兄が急にいなくなり、これからどうすれば良いのかわからなかった千寿郎くんにとって、炭治郎の訪問は立ち直るひとつのきっかけになったのかも知れません。
兄とは違う才能で最終決戦に貢献
兄・杏寿郎は、弟にこう言い残していました。
これは「無理に剣士にならなくてもいいんだよ」という意味にもとれますね。
剣の才能がないことは自覚していた
元炎柱だった父、そしてその後を継いで炎柱になった兄、自分もそれに続かなくてはと思っていたでしょう。
しかし兄の杏寿郎は、早いうちから「弟が剣士になるのは難しいだろう」と感じていて、また弟自身もそれには気づいていました。
「自分の心のまま正しいと思う道を」というセリフは、優しい兄が少し遠回しに伝えた、弟への最大限のエールだったのでしょう。
そして兄のその心は、弟にもちゃんと伝わっていたはずです。
持っていたのは「文(ぶん)」の才能
剣の才能には恵まれなかった千寿郎くんですが、いわゆる「文武(ぶんぶ)」の「文」の方の才能があったようです。
当時の書物の修復は簡単なものではなかったと思いますが、「自分のいる代で途切れさせてはいけない」「これが剣の才を持てなかった自分の、煉獄家での責務なんだ」と感じたのかも知れません。
修復していく中で見つけた『日の呼吸』にまつわること
千寿郎くんは炭治郎とずっと手紙のやりとりを続けていて、「日の呼吸」についても気にしてくれていました。
そしてついに、日の呼吸の剣士と当時の炎柱との会話の中に、炭治郎が探していたことのヒントになりそうなものを見つけ、炭治郎にその内容を書いて送ったのです。
実は、無限城での戦いはその手紙が届く前に始まってしまっていたのですが、炭治郎は冨岡義勇と共に、煉獄さんの仇である『上弦の参・猗窩座(あかざ)』を倒し、その後に、この千寿郎くんの手紙を読んでいます。
手紙の具体的な内容は?
そしてその解決のヒントは、炭治郎の父・炭十郎の言葉の中にあったことに気づきました。
「ずっと舞える」
これは千寿郎くんからの手紙がなければ絶対に気づけなかったことだと思います。
日の呼吸の剣士は何百年も前の人で、そのときの会話が残されていたとは、煉獄家の人間は剣の才能だけではなく、それを書き綴っていく才能も持ち合わせていたようです。
そして千寿郎くんが受け継いだのは、正に後者の方だということになりますね。
兄の日輪刀の「鍔(つば)」は炭治郎と共に
千寿郎くんは炭治郎が煉獄家を訪れたとき、帰り際に兄の遺品の鍔を渡しました。
炭治郎は最初それを断ろうとしますが、「持っていてほしいんです。きっとあなたを守ってくれます」という千寿郎くんの言葉に、受け取る決心をしています。
無限城で煉獄さんの仇・猗窩座の頸を斬ったときに炭治郎の刀に付いていたのは、この煉獄さんの鍔です。
そしてこの後の鬼舞辻無惨との戦いでも、この鍔は炭治郎と共にありました。
煉獄千寿郎の子孫
千寿郎くんの子孫は「桃寿郎(とうじゅろう)」という名前で、炭治郎の子孫・炭彦(すみひこ)と同じ高校に通っています。
この後、桃寿郎くんは炭彦を剣道部に誘っていますので、「稽古」とは剣道のことなのでしょう。
それにしても、見た目も話し方も、明らかに兄・杏寿郎の面影を受け継いでいますね。
しかし、千寿郎くんと似ている場面(セリフ)もありました。
これは煉獄さんが鬼殺隊士としての初任務に向かう直前の場面ですので、柱になるよりも数年前の姿と考えられます。
煉獄さんはおそらく炭治郎ぐらいの年齢(15~16歳)ではないでしょうか。
そうなると、千寿郎くんはそれこそ「幼い」といえる年齢(一桁)でしょう。
桃寿郎くんは、杏寿郎・千寿郎兄弟それぞれのDNAを色濃く受け継いでいるようですね。
まとめ
炭治郎が初めて会ったときの千寿郎くんは、とても沈んだ顔をしていましたが、炭治郎と出会って文通を続けていくうちに、だんだん元気になっていきました。
そして千寿郎くんの手紙からヒントを得た炭治郎は『日の呼吸の型の十三個め』に気づき、それが鬼舞辻無惨を倒すことに繋がっていきます。
つまり、千寿郎くんが「日の呼吸の剣士と当時の炎柱の会話」を見つけ出すことができなければ、鬼舞辻無惨を倒すことはできなかったかも知れないのです。
煉獄さんの信じた「弟」は、直接戦地に赴いた剣士ではなくとも、立派に「無惨討伐」の一翼を担っていた人物だったと言えますね。
『鬼滅の刃』では、煉獄杏寿郎の他にも、強くて優しい兄が何人も登場していますので、こちらの記事にてご覧ください。
関連記事