竈門炭治郎を含め6人、「長男」であり「兄」でもあるキャラクター、それぞれの兄弟の形

キャラクター
©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

「俺は長男だから我慢できたけど、次男だったら我慢できなかった」

『鬼滅の刃』の主人公・竈門炭次郎が、鼓の鬼・響凱(きょうがい)と戦っているときに言ったこの(心の中の)セリフは、長男ならではの苦労や重圧に耐えてきたことを伺わせる印象的なものでした。

そして「長男」であり、下に弟や妹がいる『鬼滅の刃』のキャラクターは、炭治郎の他にも5人います

そこで今回は、炭次郎をはじめとする「長男」かつ「兄」でもあるキャラクターのそれぞれの兄弟の形を見ていきたいと思います。

長男として弟や妹の幸せを願う、強く優しい兄・4人

竈門炭次郎:6人兄弟の長男

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

炭次郎には妹が2人、弟が3人います。

父親は体が弱かったので、おそらく炭次郎は早いうちから一家の力仕事を担っていたと思われます。

そして父親が亡くなると、炭次郎の責任は更に重くなりますが、それは「長男として当然のこと」だと思っていたでしょう。

自分の食べ物を下の子にあげるのは自然な行為

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第7巻

家族との食事で、炭次郎が日常的に自分の分を下の子に分けてあげていたことを伺わせる場面が、無限列車編の炭次郎の夢の中で描かれていました。

炭次郎は、自分のお腹を満たすことよりも、一緒に食べている家族や仲間が満たされていることの方が嬉しく思える性格だったようです。

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

「藤の花の家紋の家」で、伊之助は炭次郎を挑発したくておかずを奪っていますが、炭次郎は素直に「伊之助はお腹が空いてるんだな」と思って、もっとあげようとしていましたね。

このとき、なんで伊之助が怒っていたのか、炭治郎はきっと全くわかってなかったと思う。

最後まで戦い抜けたのは、禰豆子の存在があったからこそ

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

炭治郎の家族は鬼舞辻無惨に殺され、ひとり生き残った禰豆子は鬼にされてしまいました。

しかし、もしもあのとき、禰豆子も一緒に死んでしまっていたら、炭治郎はどうなっていたでしょう。

炭治郎があそこまで強くなれたのも、最後まで戦い続けることができたのも「禰豆子を絶対に人間に戻す」、その強い想いがあったからです。

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第1巻

生まれたときからずっと見てきた可愛い妹・禰豆子の存在が炭治郎の原動力となり、その後に出会った人々にも大きな影響を与えながら、ついには上弦の鬼や鬼舞辻無惨との戦いに挑んでいくことになるのです。

尚、炭治郎の兄弟につきましては、こちらで詳しく解説(年齢の考察も)されていますので、是非ご覧ください。

風柱・不死川実弥:7人兄弟の長男

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

竈門家との大きな違い

実弥には弟と妹が3人ずついました。

兄弟が多いことと、父親が早くに亡くなっているために長男が母親とともに一家を支えていたところは、竈門家と同じですね。

そして、家族を鬼に殺されているところも同じですが、大きな違いがひとつあります。

それは、家族を殺した鬼が母親で、その鬼になった母親を長男の実弥が殺してしまったことでした。

生き残ってくれた「弟」

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

鬼になっていたとはいえ、自分の母親を手にかけてしまってショックを受けていた実弥。

しかし、すぐ下の弟・玄弥だけは生きていてくれたのです。

実弥の「悪鬼滅殺」の想いは、同時に「大事な弟を守るため」ということでもありました。

ところが、実弥の弟に対する態度は、炭治郎の妹に対する態度とは真逆。

「守る」というより「拒絶する」ようなもので、どれだけ頑張っても自分を認めてくれない兄に弟・玄弥は困惑します。

しかし、それは兄なりの、弟を愛するが故の態度だったことを、玄弥は最終決戦の無限城で知ることになります。

守りたかった「弟」、しかし・・・

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第19巻

不死川兄弟が初めて一緒に戦った相手、それは最終決戦地・無限城での上弦の壱・黒死牟(こくしぼう)でした。

そして弟・玄弥はこの戦いで命を落とすことになります

自分の命よりも大事だった弟を失った兄・実弥でしたが、大きな悲しみを抱きながらも最後の鬼舞辻無惨戦に挑み、見事に無惨を倒しています。

実弥は、最愛の弟が残した「死なないで欲しい」の言葉を胸に、最後まで生き延びてくれました。

尚、不死川兄弟につきましては、こちらの記事で詳しく解説しています。

炎柱・煉獄杏寿郎:2人兄弟の長男

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

弟や妹が何人もいた炭治郎や実弥とは違い、煉獄さんは千寿郎くんと2人だけの兄弟でした。

代々炎柱の家系であるため、竈門家や不死川家と比べると、暮らしは裕福だったと思われます。

しかし、経済的には裕福でも、鬼殺隊の柱になることが使命ともいえる環境は、むしろ精神的に辛く苦しいことが多かったであろうことも、想像に難くありません。

愛情いっぱいに育ててくれた両親だったが・・・

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第8巻

母の瑠火(るか)は、強い人間に生まれた長男の杏寿郎に対し「弱き人を助けることは、強く生まれた者の責務です」と、将来の道を誤らぬよう説いています

しかし、杏寿郎がまだ幼さを残しているときに他界し、物心つく前だった千寿郎は、母親の記憶がほとんどありませんでした。

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第7巻

父の槇寿郎は、杏寿郎の前の炎柱でした。

息子たちへ、熱心に、そして愛情を持って指導をしてくれていましたが、妻・瑠火の死後、情熱は急激に衰えてしまったようです。

その後の杏寿郎は、ひとりで『炎の呼吸の指南書』を読み込んで鍛錬を重ねた末、柱にまで上り詰めています。

弟を導いてあげられる唯一の存在

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

「千寿郎、お前は俺とは違う。お前には兄がいる。兄は弟を信じている」

柱になったことを父親に報告したときに「どうでもいい」と言い捨てられてしまった煉獄さんでしたが、年の離れた弟・千寿郎くんには「お前には自分を信じてくれている兄がいるから、安心しろ」と励ましています。

しかし、無限列車での任務で自分がもう助からないことを悟った煉獄さんは、家族への最後の言葉を炭治郎に託します。

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第8巻

これは、遠回しに「父や兄の後を継ぐ必要はない」と言っているように聞こえました。

おそらく煉獄さんは、弟が優れているのは剣術ではなく、他のことだと感じていたのでしょう。

炎柱を継がせることよりも、弟自身のことをいちばんに考えてあげていた優しい「兄」でした。

尚、弟の千寿郎くんにつきましては、こちらの記事で詳しく解説&考察しています。

上弦の陸・妓夫太郎(ぎゅうたろう):2人兄妹の長男

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第10巻

実は妓夫太郎が長男だったかどうかは、明らかにされていません。

遊郭の最下層で生まれた俺たち、子供なんて生きているだけで飯代がかかるので迷惑千万。生まれてくる前に何度も殺されそうになり、生まれてからも邪魔でしかなく、何度も殺されそうになり、それでも俺は生き延びた。枯れ枝のような弱い体だったが、必死で生きていた。

コミック第11巻

しかし、原作のこの記述から、上に兄がいたとは考えにくいと思いましたので、ここでは「長男」と位置づけています。

妓夫太郎の運命を変えたのは妹の存在

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第11巻

「俺の中で何かが変わり始めたのは、梅が生まれてからだ」

見た目の醜さに加え、貧しさのために着る物も粗末で不潔な状態だった妓夫太郎は、まわりから蔑まれて育ちます。

しかし、美しい顔をした妹・梅の誕生により、妓夫太郎は自分の存在意義を見いだしていきました。

自分にくっついて離れない妹のことは、それまで皆から邪険にされてきた妓夫太郎にとって、可愛くて仕方ない存在だったようです。

梅が瀕死となり、二人で鬼に

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第11巻

綺麗な顔の梅は、遊郭で客の相手をすることもありました。

しかし13歳のときに客の目をかんざしで突いて失明させたため、その報復で焼かれてしまったのです。

梅が目を突いたのは、その客が兄・妓夫太郎のことを侮辱したからでした。

大事な妹を焼かれ、絶望に襲われていた妓夫太郎の前に現れたのが、当時の上弦の陸(後の上弦の弐)・童磨です。

童磨を通して鬼舞辻無惨の血を与えられた二人は鬼となり、100年以上に渡って上弦の陸として君臨しました。

妓夫太郎が鬼になることを選んだのは、それまで自分たち兄妹を苦しめてきた人間への憎しみもあったでしょうが、何より「妹の梅を死なせないため」、それがいちばんの理由だったと思います。

尚、上弦の陸・妓夫太郎&堕姫(だき・梅が鬼になってからの名前)につきましては、こちらの記事で詳しく解説しています。

家柄上、純粋な兄弟愛を育めなかった兄・2人

音柱・宇髄天元:9人兄弟の長男

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

宇髄も、長男だったかどうかは物語の中ではっきりとしていません。

本編では「姉弟(きょうだい)は九人いた」と書かれており、これは「姉がいたのかも知れない」と思わせるセリフですが、それでも兄がいなければ「長男」になりますね。

一方で、家系図はこうなっています。

©吾峠呼世晴/集英社 公式ファンブック『鬼殺隊見聞録・弐』

というわけで「9人兄弟の長男」として、ここに入れました。

過酷な忍(しのび)の家系

宇髄の下には8人の弟や妹がいましたが、すぐ下の子が「弟」という以外、他の7人の子たちについては性別が明らかにされていません。

というのも、宇髄とその弟以外は、みな若く(幼く)して死んでしまっているからです。

それも「鬼に殺された」とか「忍としての戦いの中で命を落とした」のではなく、「過酷な修行で亡くなった」あるいは「家族に殺された」という、いわば一族の犠牲者でした。

一族の考えについていけず忍を抜けた

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第10巻

宇髄の父は「子供たち同志で戦いをさせ、いちばん強い子だけを残す」(=弱い子は死んでも良い)という方針でした。

実は、兄弟で殺し合うときには覆面をさせられていて、宇髄は自分が殺したのが兄弟であったことを後で知り、激しく動揺します。

兄弟への愛情を持っていた宇髄には、兄弟同士での殺し合いをさせられたことが許せず、また、愛する妻たちを「駒」としか考えない思考の一族でいるのは耐えがたいことでした。

そのため、3人の嫁を連れて一族を離れ、その後はお館様のお導きのもと、鬼殺隊に入隊することになるのです。

尚、宇髄の生い立ちにつきましては、こちらの記事で詳しく解説されています。

継国巌勝(後の上弦の壱・黒死牟):2人兄弟の長男

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第20巻

双子だった巌勝

後に上弦の壱・黒死牟となる継国巌勝(つぎくにみちかつ)は、双子の兄の方です。

そして弟は、後にあの鬼舞辻無惨を死の淵まで追い詰めることになる天才剣士・継国縁壱(よりいち)でした。

長男と次男では待遇が雲泥の差

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第20巻

巌勝&縁壱兄弟が生まれた戦国時代は、例え同じ日に生まれた子であっても、長男と次男では扱いが全く違っていました。

巌勝は、父親から「弟には会うな」と言われていたようですが、何も言葉を話さず母親にピッタリくっついているだけの弟を哀れに思い、ときどき会いに行っていて、弟はそんな兄を「とても優しい人」だと思っていました。

7歳のとき兄弟の立場が逆転

それまで巌勝が「可哀想な子」だと思っていた弟の縁壱は、実は剣の才に恵まれていました。

縁壱の剣の才能を知った周りの大人は「後継ぎは巌勝ではなく縁壱に」と考えたようですが、それを知った縁壱は母の死を機に身を引いて、当初の予定(10歳)よりも早くお寺へ行くことを決意。

跡目争いを避けるため、縁壱は生まれてすぐに父に殺されるところだったが、母が怒り狂ったことで「10歳になったら寺に行かせる」という約束で生かされていたのだ。

それは兄への配慮でもありましたが、その才能とは裏腹に、縁壱自身が「人に剣を振るうことは好きではなかった」ということも理由だったようです。

大人になって再会、それが運命を分けた

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第20巻

縁壱が継国家を去ったあと、巌勝は継国家の跡取りとして平穏な日々を送っていました。

そしてある日、鬼に襲われたところをひとりの鬼狩りに助けられたのですが、その鬼狩りの剣士は生き別れになっていた弟の縁壱でした。

大人になって更に研磨された縁壱の剣の腕を見せつけられた巌勝は、自分も鬼狩りとなり、縁壱よりも強くなりたいと鍛錬を重ねます。

しかし縁壱にはかなわず口惜しい思いをしていたところに、無惨と出遭ってしまったのです。

無惨
無惨

ならば鬼になれば良いではないか。鬼になれば無限の刻(とき)を生きられる。お前は技を極めたい。私は呼吸とやらを使える剣士を鬼にしてみたい。どうだ?

その誘いを受けてしまった結果、400年もの間、鬼として生き続けることになったのでした。

尚、弟の継国縁壱につきましては、こちらの記事で詳しく解説しています。

兄が疎んでいた弟は、兄を慕っていた

兄の巌勝は、子供の頃から弟・縁壱の才能に嫉妬していました。

しかし弟の本来の姿は「剣術の話をするよりも、俺は兄上と双六や凧揚げがしたい」と言う素朴な少年だったのです。

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第20巻

「天は二物を与えず」、縁壱は凧揚げが下手だったようですね。

武士の家系の生まれでさえなければ、二人は仲の良い兄弟でいられたのかもしれません。

まとめ

「長男」と聞くと、同時に「誰かの兄」であるかのような感じがしますが、そうとは限りません。

例えば冨岡義勇、彼は姉と2人姉弟の「長男」ですが、下に弟や妹はいないので「兄」ではありません。

そのため今回は敢えて「長男であり、兄でもある」という括りでご紹介いたしました。

探してみると、意外にたくさんいたんだな、という印象です。

特に、遊郭編での妓夫太郎は、「兄として妹を守る」というところが炭治郎と同じで、炭治郎自身も気持ちを寄せる場面がありますので、そこも楽しみに見ていきたいと思います。

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