鬼にされた妹・禰豆子を人間に戻すため、鬼殺隊士となり、禰豆子と共に鬼を討伐する竈門炭治郎。
無限城の戦いにおいて、宿敵・鬼舞辻無惨の討伐に成功したと思ったのも束の間、まさかの炭治郎が鬼になるという鬼化してしまいます。
今回は、炭治郎の鬼化について、仲間たちの反応や、再び人間に戻っていく過程などを解説していきたいと思います。
【竈門炭治郎】鬼化について
鬼化したのはいつ?
炭治郎が鬼化するシーンが描かれているのは、コミックの第23巻・201話です。
無限城の戦いの末、朝日が昇ると、陽の光から逃れようと鬼の始祖・鬼舞辻無惨は巨大な赤ん坊の姿に変貌。
炭治郎は自身の日輪刀で無惨を義勇と共に壁に打ち付けていましたが、無惨が肉体を守るために膨れ上がって赤ん坊へと変貌する際、その肉体へ取り込まれてしまいます。
もう全員がダメだと思った時、内側に取り込まれていた炭治郎の握る日輪刀が功を奏したのか、朝日を目の当たりにし、無惨は塵となり消え去りました
鬼化した理由
私の思いもまた不滅なのだ 永遠なのだ
私はこの子供に思いの全てを託すことにする
呼吸も心臓も停止しているが 細胞の全ては死滅しておらず生きている
まだ間に合う 私の血も力も全て注ぎ込もう
もしも即死を免れ生きることができたなら
竈門炭治郎 お前は陽の光をも克服し 最強の鬼の王となるだろう
©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第23巻 第201話
炭治郎が鬼となった理由は、鬼舞辻無惨に血を注がれたからです。
無惨は、赤ん坊に変貌した自分の肉体に閉じ込められた炭治郎に最強の鬼の王となる望みを託し、自分の血を注ぎました。
自己中心的で視野の狭い考えを持つ無惨が、最後の最後まで生き恥を晒すが如く、身勝手な思いを炭治郎に押し付ける様は本当に醜悪です。
鬼化した最強の鬼・炭治郎
富岡義勇の反応
一瞬遅れたら間違いなく隠を殺していた
頼む このまま 炭治郎のまま 死んでくれ…!!
©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第23巻 第201話
呼吸も心臓も止まった炭治郎に駆け寄り、鬼殺隊の隊士や水柱・富岡義勇が炭治郎の死を悲しんでいると突如炭治郎の眼が見開き、失った左腕が再生。
近くにいた隠の隊士に攻撃をしかけようとします。
義勇は、瞬時に襲われそうになった剣士を救いながら、鬼となった炭治郎を討伐するように、指示を出しました。
炭治郎が息をしていないと知った時、”また守れなかった”と泣きながら謝った義勇は、心を鬼にし、炭治郎討伐の指示を出しましたが、内心はとても複雑な思いを抱えていました。
嘴平伊之助の反応
何してんだーっ!!半々羽織だぞ 仲間だぞ!!
©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第23巻 第201話
陽の光に当たった炭治郎は陽光灼けを起こすも、しばらくすると、陽の光も克服。
義勇が炭治郎の胸に日輪刀を突くも、反撃されそうに…。
すると、見かねた伊之助が義勇を庇い、炭治郎に諭すように問いかけました。
しかし、炭治郎の耳にその言葉は届かず、伊之助に向かって攻撃を仕掛けます。
俺たちは仲間だからさ 兄弟みたいなものだからさ
誰かが道を踏み外しそうになったら 皆で止めような
どんなに苦しくても つらくても 正しい道を歩こう
©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第23巻 第201話
岩柱・悲鳴嶼行冥の柱稽古の合間の休憩で、炭治郎と善逸と話した内容を思い返す伊之助。
約束通り、自分が炭治郎を斬る、自分が炭史郎を止めると決意するも、いつも伊之助に優しく接していた炭治郎のことを思うとできません。
鬼の形相で向かってくる炭治郎に対し、伊之助は泣きながら決意するも、やはり炭治郎を斬れないと戦意を放棄し、座り込みました。
我妻善逸の反応
義勇から炭治郎が鬼にされたと言われ呆然と立ち尽くしていた善逸は、炭治郎の変貌した姿を見て、言葉を失っていました。
無惨との戦いで、全員が満身創痍な状態で、今の炭治郎と対等に戦える者もいません。
鬼にされた妹・禰豆子を人間に戻す為にここまで共に頑張ってきた仲間である炭治郎に対し、善逸は戦意を持てぬまま立ち尽くすのが精一杯の様子でした。
禰豆子の対応
ずっと私何もわからなくてなっててごめんなさい
お兄ちゃん独りに全部背負わせたね
どうしていつもお兄ちゃんばっかり苦しいめにあうかなぁ
どうして一生懸命生きてる人がいつもいつも踏みつけにされるのかなぁ
©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第23巻 第202話
伊之助に襲い掛かろうとした炭治郎の懐に人間に戻ることができた禰豆子が飛び込んできました。
必死に炭治郎にしがみつき、”一緒に家に帰ろう”と話す禰豆子でしたが、炭治郎の耳には禰豆子の言葉さえも届いていない様子。
善逸が禰豆子が人間に戻っていることを伝えますが、炭治郎はますます鬼化が進み手の付けられない状態に…。
あんなに切望していた人間に戻った禰豆子を目の前にしても正気に戻れない炭治郎の様子に絶望しながらも善逸・伊之助・禰豆子は必死に呼びかけ続けました。
鬼化した炭治郎への秘策
鬼の愈史郎も太陽の下で手も出せない状況の中、炭治郎のいる方へ栗花落カナヲが近づいていきました。
実は、カナヲは師範であり家族でもある胡蝶しのぶより、鬼を人間に戻す薬を渡されていました。
そして、カナヲは花の呼吸・終ノ型・彼岸朱眼を繰り出し、炭治郎の攻撃をかいくぐり、その薬を打ち込むことに成功します。
薬を打ち込む際にカナヲが発した”禰豆子ちゃん泣かせたらだめだよ”の言葉が、無惨の体内に取り込まれた炭治郎の意識に届きました。
精神世界での無惨との戦い
禰豆子の言葉は、炭治郎の精神世界には届いていました。
戦いに疲れ、無気力な状態にありつつも、禰豆子と一緒に家に帰ることを願う炭治郎。
それに対し、無惨は炭治郎の自我を抑えるために、相変わらず醜い心で汚い嘘をつき、炭治郎を陥れ、自分の思い通りにしようとします。
”お前だけ生き残るのか”などと汚い言葉を吐き、炭治郎を追い詰めようとする無惨に対し、涙を流す炭治郎の体を沢山の腕が支えとなり、引き上げてきました。
最初は、炭治郎の殺された家族たち、次は炭治郎達を守り、鬼と戦い亡くなった柱や鬼殺隊の仲間たち…。
さらに上からは、禰豆子が両手で優しく炭治郎の手を掴んでいます。
無惨はさらに醜い自己中心的な思考で、炭治郎の家族や仲間を冒涜するような発言を繰り返しました。
無惨:死んだ者たちの憎しみの声が聞こえないのか!!
何故お前だけが生き残るんだと叫んでいるぞ
何故自分たちは失ったのにお前だけが…
炭治郎:そんな人はいない
自分ではない誰かの為に命を懸けられる人たちなんだ
自分たちがした苦しい思いや悲しい思いを他の人にはして欲しくなかった人たちだから
©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第23巻 第203話
しかし、炭治郎の心には無惨の汚い言葉は全く響かず、むしろ、はっきりと明確に正しいこと、進むべき道が見えてきます。
炭治郎を引き上げるたくさんの手の中に、善逸・伊之助・義勇の手もあります。
炭治郎が進む道、それは鬼の言うことなどに惑わされず、人間として生きるということ。
失ったたくさんの剣士の思いを胸に、炭治郎を慕うたくさんの仲間たちと共に生きていくこと…。
一人一人の力は鬼には勝てずとも、みんなの力を合わせることにより、成し遂げることができるということも立証すべく、炭治郎は再び元の炭治郎として目覚めることができました。
炭治郎が再び元の優しい炭治郎で息を吹き返したシーンは、作中だけでなく、読者の全ての人が安堵したシーンなのではないかと思います。
まとめ
今回は、炭治郎の鬼化について、仲間たちの反応や、再び人間に戻っていく過程などを解説してきましたがいかがでしたでしょうか。
まとめると
- 炭治郎が鬼化するシーンが描かれているのは、コミックの第23巻・201話で鬼化した理由は、鬼舞辻無惨に血を注がれたから
- 鬼化した炭治郎に対し、義勇は苦渋の決断で炭治郎討伐の指示を出し、伊之助は自分が斬る決意をするも以前の炭治郎を思い出し、戦意消失した。
- 善逸は、満身創痍で戦意を持てぬまま立ち尽くすのが精一杯、人間に戻った禰豆子は、必死に炭治郎にしがみつき、”一緒に家に帰ろう”と話しかけ続けた
- 炭治郎が人間に戻れたのは、カナヲが渾身の思いでしのぶから預かった薬を打ち込んだことと、無惨との精神の世界での戦いに打ち勝ったことに起因する
やっとの思いで鬼舞辻無惨を陽の光で滅ぼし安堵したのも束の間、炭治郎が鬼化してしまう展開に、思わず、何故?と胸を締め付けられる思いをした方も多いのではないでしょうか。
登場するキャラクターの義勇、伊之助、善逸の言葉にも共感し、悲しみと恐怖とが入り交ざるとても複雑な思いが押し寄せます。
相手が鬼になるというのは、現実的ではないですが、優しかった人が人が変わったように鬼のような振る舞いをするというのは現実世界でも悲しくも目にすることもありますね。
そういう時にどう対応するのが正解なのか、人は悩み苦しむことがあります。
このシーンは色んなヒントをくれるような気もしますね。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
引き続き鬼滅の刃をお楽しみください。
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