不死川実弥はなぜ竈門兄妹を認める事ができなかったのか。その理由を考察

竈門炭治郎(かまど たんじろう)

鬼となった禰豆子の存在を伝えるための柱合会議では、誰よりも強く禰豆子のことを認めないと言った不死川実弥。

柱稽古の前に炭治郎と再会した時も、炭治郎のことを認めていないとはっきりと言っていました。

さらに柱稽古の時には、他の隊員よりも炭治郎にはきつく当たり、たった1日で炭治郎の顔はボコボコにされてしまったのです。

なぜこんなにも不死川実弥は竈門兄妹のことをかたくなに認めなかったのでしょうか?

今回の記事では、不死川実弥が竈門兄妹のことを認めなかった理由について考察していこうと思います!

  • 不死川実弥が竈門兄妹を認めなかった理由って?
  • 認めなかったのは不死川実弥の過去が関係しているの?
  • 最後には和解することができたの?

などが気になった人は、是非この記事を読んでみてくださいね!

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不死川実弥とは

©吾峠呼世晴/集英社 アニプレックス・ufotable

実弥は鬼殺隊の最高位である柱の1人で、風柱を任されています。

現在の柱では古株であり、初めはお館様のことを目の敵にしていましたが、お館様が自分たち隊士のことを大切に思っていることを知り、敬服するようになりました。

普段は乱暴な言動が多いことが原因で、一般隊士から話しかけにくい柱ラインキングでは1位に選ばれています。

しかしお館様に対しては丁寧に接したり、女性隊士にセクハラをする隠の前田を叱りつけたりなど根は真面目なタイプです。

弟の玄弥にかなり冷たく接していますが、それは玄弥に鬼殺隊を辞めて欲しいという強い思いがあるからです。

不死川実弥の過去

©吾峠呼世晴/集英社 アニプレックス・ufotable

実弥が竈門兄妹を認められなかったのは、実弥の過去が大きく影響しています。

実弥が柱になるまでの過去について、詳しく見ていきましょう。

正体不明の獣から兄妹たちを守ろうと応戦する

実弥は七人兄弟の長男として生まれ、貧乏でしたが虐待を続ける父親を除けば仲も良い家族でした。

その性格のせいで父親は人の恨みを買ったことが原因で刺殺されてしまい、次男の玄弥と母と兄妹を一緒に守ろうと約束します。

ある日、母親の帰りが遅かったため実弥は母を探しに外に出かけ、玄弥は他の兄妹たちと一緒に母と実弥の帰りを待ちました。

しかし帰りを待っていた玄弥たちの家に、正体不明の獣のような生物が侵入し、兄妹たちに襲いかかったのです。

少し遅れて実弥が現れ、玄弥に逃げるように叫び自分は獣と戦うためになたを手に取り、窓から外へと飛び出しました。

獣の正体が鬼となった母と気付く

©吾峠呼世晴/集英社 コミック13巻

夜明けが近づき外が明るくなり、獣の正体が分かりました。

家に入り兄妹を襲ったのは、鬼になってしまった実弥たちの実の母親だったのです。

実弥は正体が自分の母だと分かると、放心状態となり自分が殺してしまった母をただじっと見つめてみました。

そして、襲われた兄妹たちを助けるために医者を呼ぼうとして玄弥が家の外に出て、倒れた母と、鉈を持ったまま動かないでいる実弥を見つけます。

玄弥は信じられない光景に動転してしまい、実弥に心無い言葉を叫んでしまったのです。

何でだよ!!何でだよ!!
何で母ちゃんを殺したんだよ!!うわああああ
人殺し!!人殺しー!!!

©吾峠呼世晴/集英社 コミック13巻

このことをきっかけに、実弥は玄弥のものを去り、1人で鬼を倒すようになりました。

粂野匡近(くめのまさちか)と出会い、鬼殺隊に入る

©吾峠呼世晴/集英社 コミック19巻

玄弥の元を去った実弥は、1人で鬼を殺すようになりました。

実弥は自分の血が鬼にとって特別な存在である稀血(まれち)であることに気付き、それを利用するようになります。

山ほどの刃物で武装し、自分の血を使って鬼を酔わせて、酔わせた隙に捕獲してから日の光で焼き殺すという危険な方法で鬼を殺していたのです。

そんな危険な方法で鬼を狩っていた時、粂野匡近と出会い、鬼殺隊や日輪刀の存在を知ります。

そして匡近に育手を紹介してもらい、鬼殺隊に入ることになりました。

不死川は体中に傷がありますが、自分の血を使って鬼を呼び寄せていた時についた傷が大人になっても残っているのです。柱合会議で禰豆子に自分の血を見せたのも、稀血である自分の血を見せれば、どんな鬼であろうと襲ってくると考えたからでしょう。

親友となった粂野匡近が鬼に殺される

育手を紹介してくれた匡近は優しい性格で、初めはその優しさをうっとおしいと感じていた実弥も、一緒にいるうちに次第に匡近に心を開くようになり、兄弟のように仲良くなっていきました。

いつしか2人とも鬼殺隊の最高位である甲にまで上り詰め、申し分ない実力を身に着けたのです。

ある日、実弥は匡近と任務を共にし、その際に当時の下弦の壱である鬼と戦うことになります。

何とか下弦の壱を倒すことが出来ましたが、匡近は子供を助けるために鬼の攻撃を食らってしまい、そのことが原因で死亡してしまったのです。

遺書には、「大切な人が笑顔で生きて欲しい」という、匡近の想いが込められており、実弥は静かに涙を流しました。

不死川実弥はなぜ竈門兄妹を認める事ができなかったのか

いよいよ不死川実弥が竈門兄妹を認めることが出来なかった理由を考察していきたいと思います!

なぜ上弦の鬼を相手に戦い、生き抜くことが出来た炭治郎と禰豆子を実弥は認めることが出来なかったのでしょうか?

鬼になった母親と禰豆子を重ねた

©吾峠呼世晴/集英社 コミック13巻

炭治郎は実弥と初めて会った時に、実弥を強く非難しました。

善良な鬼と悪い鬼の区別もつかないなら柱なんてやめてしまえ!!

©吾峠呼世晴/集英社 コミック6巻

ここで言う炭治郎の善良な鬼というのは、「人を襲わない鬼」という意味が含まれています。

実弥も炭治郎と同じで家族を鬼にされており、炭治郎は妹である禰豆子を、実弥は母親が鬼にされてしまいました。

しかし、鬼となった2人には異なる点があります。

それは、鬼になった時に人を殺したことがあるかないかです。

禰豆子は鬼になってから人を殺したことがありませんが、実弥の母は鬼となって自分の子供たちを殺してしまいました。

禰豆子は昔から我儘も言わず自分よりも家族のことを一番に考える優しい女の子で、鬼となっても人を襲わずに人を守る為に戦っています。

実弥の母親も禰豆子と同じ優しい性格をしており、父親の暴力から子供を庇い、子供たちのために朝から晩まで働く家族思いの人でした。

しかし母親は鬼となってからはその優しさを失ってしまい、今まで守って来た子供たちに容赦なく襲い掛かっています。

実弥は竈門兄妹の存在を知って、人を襲わない鬼がいるなら、なぜ自分の優しかった母親も禰豆子のようにならなかったのか?と考えたのでしょう。

禰豆子のような人を守る為に戦う鬼の存在を認めてしまうと、自分の母親の優しさを否定するということに繋がってしまうからこそ、竈門兄妹を認めることが出来なかったのかもしれません。

家族や大切な人が鬼によって殺された

©吾峠呼世晴/集英社 コミック19巻

鬼殺隊にいるほとんどの人がそうですが、実弥も鬼によって家族を殺されています。

母親は鬼にされてしまい、実弥は家族を守る為に鬼となった母親を殺すという辛い経験をしています。

そして、鬼殺隊に入り意気投合し、兄弟のように仲良くなった匡近も鬼によって殺されました。

実弥は鬼によって、何度も大切な人を奪われているのです。

そんな実弥にとって、鬼は全員が憎むべき敵と見えているでしょう。

禰豆子が自分の稀血を見ても襲ってこなかったとは言え、鬼のことを認めるというのは実弥にとってはあり得ない選択だったのでしょう。

炭治郎が匡近と似ていた

他に考えられる理由として、炭治郎と匡近の雰囲気が似ていたのも影響しているかもしれません。

炭治郎は自分のことよりも他の人のことを優先する優しい性格ですが、匡近も明るくて誰に対しても優しく接する性格でした。

そして、実弥は匡近が死んでから「この世では善良な人間から死んでいく」と考えるようになりました。

匡近に似た炭治郎も善良な人間と実弥は思い、優しい人がこれ以上殺されるのを見たくないと心のどこかで思っていたから、炭治郎と衝突してしまっていたのかもしれません。

匡近は原作では実弥の回想にしか登場していません。鬼滅の刃の小説「風の道しるべ」で匡近が実弥にとってどういう存在の人であったのかが分かるので、気になった方は是非チェックしてみてくださいね。

最終決戦後には竈門兄妹と和解

なかなか竈門兄妹のことを認めなかった実弥ですが、最終決戦を終えてようやく2人と和解することが出来ました。

和解した時の様子や、その後について解説していきます。

禰豆子に謝罪する実弥

©吾峠呼世晴/集英社 コミック23巻

最終決戦後、実弥は蝶屋敷で人間に戻った禰豆子とばったり出会います。

禰豆子は今までのことを気にしていない様子で実弥に話しかけますが、実弥は過去に禰豆子を刺したこともあって気まずそうにしていました。

それでも自分の非を認め、過去に色々とやらかしたことや最終決戦で寝ていて戦いに参加しなかったことを禰豆子にきちんと謝罪していました。

禰豆子は実弥のことを全く恨む様子はなく、笑って大したことじゃないと答えていました。

そんな無邪気な禰豆子を見て弟の玄弥を思い出し、優しい兄の表情で禰豆子の頭を撫で、去っていきました。

禰豆子の笑顔で玄弥のことを思いだした時の実弥は、家族を思う優しいお兄さんの表情をしていました。禰豆子も予想外の実弥の顔にドキドキしてしまうほど。それを見ていた善逸はかなり嫉妬していましたが…(笑)

竈門家におはぎの差し入れをする実弥

本編では炭治郎との和解のシーンはありませんでしたが、鬼殺隊解散後も炭治郎の方から鴉を使って実弥に手紙を出していたことが分かりました。

実弥からは返事がなかったので迷惑になっているかなと心配した炭治郎でしたが、輝利哉からは手紙は喜んでいるはずと言われたので、送り続けているみたいです。

実弥も炭治郎の手紙が嬉しかったのか、ある日竈門家をこっそりと訪れておはぎを差し入れくれたのです。

誰にも会わずにおはぎだけを置いて行った実弥ですが、炭治郎は鼻が良いので、すぐに実弥がおはぎを届けてくれたことに気付きました。

最終決戦後に、炭治郎はカナヲから実弥が蝶屋敷に来ていることを知らされています。そのことを知った炭治郎は実弥に挨拶したいと言っていたので、もしかしたらカナヲと別れたあと、実弥のところに言って話をして和解していたのかもしれませんね。

まとめ

©吾峠呼世晴/集英社 アニプレックス・ufotable

不死川実弥が竈門兄妹を認められなかった理由について考察してみました。まとめると…

不死川実弥が竈門兄弟を認められなかった理由まとめ

・優しかった実弥の母親でさえも鬼になったら兄妹を殺したので、人を殺さない鬼である禰豆子を信じることが出来なかった

・家族や親友を鬼に殺されているので、鬼や鬼を連れた隊士という存在を認められなかった

・実弥の親友である匡近が炭治郎と似ており、優しい人がこれ以上殺されることを見たくないという思いが心のどこかにあったから

・最終決戦後に竈門兄妹とは和解しており、鬼殺隊解散後も交流がある

一番の理由は、優しかった母親でさえも鬼になったら兄妹を襲う鬼に変わってしまったことが大きいと考えられます。

鬼殺隊には鬼によって幸せな生活を失った人がいますが、実弥もその1人で、隊士の中でもかなり鬼に対して強い憎しみがあります。

鬼である禰豆子と禰豆子を連れている炭治郎を認めることが出来なかったのでしょう。

鬼のいなくなった世界では、竈門兄妹と良い関係を築いていってほしいですね。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

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