元は人間である鬼にすら同情する、優しい心の持ち主である、主人公の竈門炭治郎。
それに対し、鬼に対して人一倍の敵意を露わにし、仲間であっても好戦的な強面キャラの風柱・不死川実弥。
そして、実弥の弟の玄弥も入隊当初は粗暴な印象が強かったですが、鬼殺隊の様々な人と接するうちに徐々に本来の玄弥に戻っていきました。
今回は、炭治郎と不死川兄弟とのそれぞれの出会いから、関係性の変化まで、エピソードに沿ってご紹介していきたいと思います。
竈門炭治郎と不死川兄弟の出会い
兄・不死川実弥

炭治郎と実弥の初対面は、何といっても柱合裁判のシーンですね!
那田蜘蛛山での下弦の伍・累討伐後の柱合裁判で、炭治郎が鬼の禰豆子を連れて、鬼と戦っていることに対し、柱がそれぞれの意見を述べるシーン。
突如、禰豆子の入った箱を片手に現れ、その箱に日輪刀を突きたてる実弥。

炭治郎が必死にやめさせようとするも、さらに応戦する実弥に、後ろ手に縛られている炭治郎が頭突きの一撃を入れました。
弟・不死川玄弥

玄弥と炭治郎の出会いは、同じ最終選別に残り、鬼殺隊の持ち物の説明などを産屋敷家のご息女とご子息から受けている時でした。
玄弥がご息女の頭をつかみ、日輪刀をよこせと凄みました。
すかさず、炭治郎が玄弥の手を掴み、手を放さないなら折ると、止めに入りました。
後にこの時、手を放さない玄弥の腕を本当に折ったことを恨まれています。

粗暴で好戦的な不死川兄弟とは対照的に、正義感の強い行動を取る炭治郎が印象的です。
炭治郎と玄弥、刀鍛冶の里での再会

刀鍛冶の里に着いた炭治郎が温泉に到着すると、突然前歯が飛んできます!(笑)
誰のだろうとふと見上げるとそこに玄弥が…。
炭治郎が、”風柱と名字が同じだね”などと声をかけると、”話しかけるんじゃねぇ”と一掃されるのでした。

玄弥の塩対応に気づいてるのか全く感じていないのか、ぐいぐい話しかける炭治郎。
空気を読まず、思ったことをストレートに伝える炭治郎のペースにすっかり調子が狂ってしまう玄弥。
ついには、冷静さを失い、感情を露わにし始めます。
さらには、大事に取ってあった再会時に飛んできた玄弥の歯を返そうとする炭治郎を気味悪がって部屋から追い出す始末…。

蝶屋敷での再会時には無視をしていた玄弥も、真っ直ぐな炭治郎と接するうちに徐々に素が出始めてきました!

刀鍛冶の里での上弦の肆・半天狗の本体を共に追うシーンでは、炭治郎の危機に玄弥が盾となり庇うシーンも。
お互いに仲間としてサポートし合いながら戦ううちに、徐々に息が合ってきます。

そして、半天狗の討伐後、禰豆子が太陽を克服して、炭治郎が泣きながら喜んでいるシーン。
そこには、自分のことのように嬉しそうな優しい表情を見せる玄弥の姿がありました。

折れない心で、禰豆子や仲間を必死に守る炭治郎の姿を目の当たりにし、玄弥の心にも本来の優しさが戻ってきました。
柱稽古での大乱闘

柱合裁判の一件以来の再会の、炭治郎と実弥。
お互いに敵意丸出しです!

炭治郎は初日でこんな状態に…。
すると、どこからか不死川兄弟の会話が聞こえてきました。

鬼まで食べて鬼と戦ってきたことを玄弥が明かすと、実弥の顔色が変わります。
スイッチが入った実弥が玄弥に襲い掛かり、それを止める炭治郎と成り行きで止めに入った善逸の大乱闘。
その結果、上からの正式なお叱りが入る忌々しき事態となり、実弥との柱稽古は中断の上、接近禁止まで命じられることになりました。

結局、炭治郎は不死川兄弟の仲を取り持つことはできませんでしたが、玄弥とはこれを境にさらに話ができる友となっていきます。

岩柱・悲鳴嶼行冥の柱稽古を終えた炭治郎と話す玄弥。
柱稽古中も、玄弥から”反復動作”などのアドバイスをもらったり、二人は何かと交流を持っていました。

ここでの会話は後に明かされますが、玄弥にとって、心を明るく照らしてくれるようなそんなアドバイスでした。
おはぎ事件

柱稽古を終えた炭治郎が、水柱・富岡義勇の元を訪れると、そこには柱同志の手合わせをする、実弥と義勇の姿がありました。
決闘と勘違いした炭治郎の、空気を読まないけど的を得ている発言が、またもや、実弥の逆鱗に触れます(笑)

耳まで真っ赤になった実弥からの一撃で気絶する炭治郎。

実弥も”調子の狂ったガキだぜ”と発言していましたが、炭治郎の天然ぶりには時々驚かされることがあります!
実弥、玄弥の窮地に現れる

霞柱・時透無一郎と共に、上弦の壱・黒死牟と戦う玄弥の危機に、兄・実弥が駆けつけるシーン。
ここで、悲鳴嶼行冥の稽古を離れる前に炭治郎とした会話の内容が明らかになります。

風柱のお兄さんのことなんだけど あの人はさ 玄弥
鬼殺隊に入ったことをすごく怒ってはいた でも憎しみの匂いは少しもしなかったんだ
だから怯えなくていいんだよ 伝えたいことがあるなら言ったって大丈夫だよ
実弥さんは 玄弥のことがずっと変わらず大好きだから
©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第19巻 第166話
炭治郎の言葉を裏付けるように、実弥も玄弥に自分の本当の胸の内を打ち明けました。

玄弥を鬼になった母親を殺してまで守ったこと、家族にしてやれなかった分も玄弥には普通の幸せな暮らしをして欲しかったこと。
そして、その幸せな場所には絶対に鬼を近づけないと…。

鬼となった母を殺してしまって以来、離れていた二人の心がお互いに繋がり合った大切なシーンです。
この後、黒死牟との戦いは続き、玄弥は命を落とし、実弥は生き残り、再び離ればなれになってしまう不死川兄弟。
実弥と玄弥の今生の別れのシーンはぜひ原作コミックにて、じっくりとお楽しみいただきたいと思いますのでこちらでは割愛致します。
鬼のいない世界で

鬼舞辻無惨を討伐し、鬼のいない世界となった後、実弥は蝶屋敷で禰豆子と再会しました。
禰豆子の姿に玄弥を重ね、優しく頭をなでてあげる穏やかな表情の実弥。

不器用でぶっきらぼうだけれど、本当はとても優しい実弥の素の表情ですね。

公式ファンブック『鬼殺隊見聞録・弐』に掲載されている”炭治郎の近況報告書”によると、鬼のいない世界になってからも、実弥や義勇、産屋敷家との交流が続いている様子があります。

自分の大好きなおはぎと抹茶をこっそりと置いていく実弥の不器用な優しさが伝わってきますね!
まとめ
今回は、炭治郎と不死川兄弟とのそれぞれの出会いから、関係性の変化まで、エピソードに沿ってご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
まとめると
- 炭治郎と実弥の出会いは柱合裁判、炭治郎と玄弥の出会いは、最終選別合格後に鬼殺隊の持ち物の説明を受けている時。
- 炭治郎と玄弥は、刀鍛冶の里で共に戦ったことをきっかけに、柱稽古などで交流を深めていった。
- 炭治郎と実弥は、柱合裁判の後、柱稽古でも大乱闘を繰り広げ、柱稽古は中断、接近禁止まで命じられた
- 実弥は、黒死牟との戦いの最中、玄弥の危機に駆けつけ、お互いの本心を伝え合うことができた
- 鬼のいない世界になった後も、実弥と竈門兄妹の交流は続いた
不器用でぶっきらぼうな不死川兄弟に、炭治郎の真っ直ぐで少し天然な感性がぶつかることにより、頑なに閉じていた二人の心がほぐれていったように思います。
違った優しさを持つ凸凹な3人が段々と通じ合っていく様に、読んでいるこちらまで穏やかな気持ちになれました。
様々な兄弟の姿が描かれているのも、鬼滅の刃の魅力の一つでもあると思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
引き続き鬼滅の刃をお楽しみください。
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