好戦的な性格で、鬼殺隊の中で最も鬼に対して容赦がないと言えるほど鬼を恨んでいる不死川実弥。
それは人を襲わない禰豆子も例外ではなく、柱合会議では日輪刀で斬りつけていました。
そんな実弥には唯一の家族である弟の玄弥がいますが、玄弥に対して特に冷たく当たります。
玄弥は兄である実弥を慕っている様子ですが、そんな玄弥に対して、「俺に弟はいない」とはっきりと言いきっていました。
唯一の家族である玄弥に対して、なぜこんなに実弥は辛く当たり、存在を隠そうとしていたのでしょうか。
今回の記事では、実弥が玄弥の存在を周りに隠していた理由について詳しく解説していこうと思います。
- なぜ実弥は玄弥のことを周りに隠していたの?
- 実弥が玄弥に対して冷たく当たる理由は?
- 最後まで2人は仲が悪かったの?
などが気になった人は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。
不死川実弥とは

不死川実弥は柱の1人であり、風の呼吸の使い手です。
9名いる柱たちの中でも上位に入る戦闘力を持ち、剣術だけではなく、体術にも長けています。
黒死牟や無惨との戦いでは他の柱たちと息を合わせて戦っている姿もあり、単独で戦うだけではなく、味方に合わせて共闘することもできる器用さが目立ちましたね。
羽織には「殺」という文字が刻まれており、鬼を倒すという気持ちは鬼殺隊の中でも随一であり、人を襲わないと証明された禰豆子でさえも認めることができませんでした。
荒々しい一面が目立つ実弥ですが、年上である悲鳴嶼を敬っていたり、当主である産屋敷耀哉やその一族には非常に丁寧に接する一面も。
生き物が好きで神社にいた犬に対して優しく微笑むというギャップがある人物ですが、普段の荒々しい性格が目立ってしまい、話しかけにくい柱ランキングでは1位に選ばれています。
稀血の中でも希少な血を持つ
基本的に鬼は人を食べた量で強さが決まるとされています。
しかし人の中には普通の人間を50~100人食べた時と同じ栄養価を持つとされる、稀血と呼ばれる人間が存在します。
実弥も稀血を持つ1人でしたが、稀血の中でもさらに希少な血を持っていました。
実弥の血には鬼を酔わせる力があり、上弦の壱である黒死牟も酩酊する程の力があります。
そのため、鬼殺隊に入る前は自分の体を傷つけて血を流し、自分の血で酔わせた鬼を捕まえて、日光に当てて殺すという自殺行為ともいえる方法で鬼と戦っていました。

実弥は体中に傷跡がありますが、この稀血の戦い方が影響して傷跡が残っているのでは?とされています。小説版では戦闘が終わって実弥が血を流していた時に、鬼が寄ってこないようにするためにお香をたくシーンがありました。
弟である玄弥を拒絶

鬼殺隊に入る前は、実弥と玄弥は仲のいい兄弟でした。
しかしある日実弥が留守の時に家に鬼が侵入し、他の兄妹たちをみんな殺されてしまいます。
実弥はすぐに現場に駆け付け、玄弥を守るために鬼と対峙。
日の出の時刻をむかえ、鬼となって兄妹を襲ったのが鬼になった母だと気づき、自分が母を殺してしまったと絶望します。
そして何が起こったのか分からなかった玄弥は、血まみれの実弥と倒れている母を見つけ、実弥が母を殺したと勘違いしてしまい、実弥に対して「人殺し」と言ってしまうのです。
このことがきっかけとなり、実弥は玄弥の元から離れていきました。
玄弥は人殺しと言って傷つけてしまったことことを謝りたいと思っており、実弥が鬼殺隊になっているという事を知り、実弥に会うために自身も鬼殺隊の道を進んだのです。
柱稽古で実弥は玄弥と再会しますが、実弥は玄弥に冷たく当たります。
しつけぇんだよ俺には弟なんていねェ
©吾峠呼世晴/集英社 コミック15巻
いい加減にしねぇとぶち殺すぞォ
それでも玄弥は実弥に話しかけますが、玄弥が鬼を食べたという事を知ると実弥は激怒し、玄弥の目を潰そうとしました。
間一髪のところで炭治郎が玄弥を庇いましたが、特に玄弥には冷たく当たっているように感じられました。
不死川実弥が玄弥の存在を隠す理由

鬼殺隊に入る前は仲も良く、共に家族を支えていこうと約束までしていた実弥と玄弥。
唯一の家族であるにも関わらず、なぜ実弥はここまで徹底的に玄弥に冷たく当たっていたのでしょうか?
その理由は、黒死牟戦で明らかになりました。
テメェはどっかで所帯持って家族増やして爺になるまでいきてりゃあよかったんだよ
©吾峠呼世晴/集英社 コミック19巻
お袋にしてやれなかった分も弟や妹にしてやれなかった分も
お前がお前の女房や子供を幸せにすりゃあ良かっただろうが
そこには絶対に俺が鬼なんか来させねぇから……
実弥は本当は玄弥のことを何よりも大切に思っており、玄弥には鬼とは無縁の幸せな生活を送ってほしいという想いがあったからだったのです。
柱稽古の時にきつく当たり、鬼殺隊を辞めるように忠告していたのも、玄弥を鬼殺の道から遠ざけるためでした。
それでも玄弥は鬼殺隊を辞めることはなかったため、力づくで辞めさせようと目つぶしという強引な方法を取ってしまったのです。

炭治郎は匂いから人の感情を感じることができるため、実弥が玄弥のことを嫌っていないという事は分かっており、それを玄弥に伝えていました。炭治郎の言葉もあり、玄弥はずっと実弥のことを兄として慕うことができたのかもしれません。
実弥の性格は「泣いた赤鬼を地で行く人」
鬼滅の刃の公式ファンブックには、実弥の性格を「泣いた赤鬼を地で行く人」とされていました。
大切な人たちを守るためなら、自分がどうなってもいいと考えているタイプだったようです。
玄弥に冷たい態度を取って嫌われても、玄弥を安全な生活に戻すことができるなら自分はどう思われても良いと考えていたようです。
親友の匡近と玄弥を重ねていた?

柱になる前、実弥には鬼殺隊に匡近(まさちか)という親友がいました。
玄弥と別れた後に、自身の血で鬼をおびき寄せて鬼を狩っていたところに現れたのが匡近で、その出会いがきっかけとなり実弥は鬼殺隊に入隊することになったのです。
同じ風の呼吸の使い手であり、実弥と匡近は実力も近いものがあり、どちらが先に柱になるかと競い合うライバルであり、親友でした。
しかし匡近は実弥と共にかつての下弦の壱と戦い、命を落としたのです。
家族を失い、親友までも打ちなった実弥はもうこれ以上大切な人を失いたくないという気持ちが強くなり、何が何でも玄弥を鬼殺隊から遠ざけたかったのかもしれません。
実弥と玄弥は和解したのか?

黒死牟との戦いがきっかけとなり、実弥の本心を知った玄弥。
ようやくお互いの本心を知ることができた2人でしたが、玄弥は黒死牟戦で死亡してしまったのです。
玄弥は母が鬼になった時、母と戦い命がけで自分を守ってくれた実弥に対して「人殺し」と言ってしまったのです。
ずっとそのことを謝りたかった玄弥は、体が少しずつ崩れながら実弥に謝罪しました。
消えていく玄弥をどうにか救おうとする実弥でしたが、玄弥の体の崩壊は止まることはありませんでした。
そして玄弥は最後に、実弥に自分の想いを伝えます。
つらい…思いを…たくさん…した…兄ちゃん…は…
©吾峠呼世晴/集英社 コミック21巻
幸せに…なって…欲しい…死なないで…欲しい…
俺の…兄ちゃん…は…この世で…一番…優しい…人…だから
あり…が…とう…兄…ちゃん…
実弥と同じように、玄弥も実弥に幸せになってほしいと思っていたのです。
そして玄弥は自分の命を懸けて黒死牟に挑み、実弥を守ることができました。
本当に最後の最後に、2人はお互いの気持ちを素直に伝えて和解することができたのです。
玄弥の言葉通り穏やかな生活を送った実弥

唯一の守りたかった存在を目の前で失ってしまった実弥。
続く無惨戦でも重傷を負いましたが、何とか一命を取り留めました。
玄弥を失った実弥の精神状態を心配しましたが、玄弥に言われた通り、鬼殺隊解散後は幸せな生活を送っていたようです。
鬼滅の刃の最終話では、隊士たちの子孫が現代で平和に暮らしている様子が描かれています。
その中には、実弥の子孫であるキャラクターが登場しており、誰かと結婚して子供を授かっていたという事が判明しました。
鬼殺隊の時は犬猿の仲であった冨岡とも食事に行くような仲になっており、戦いの後は穏やかで幸せな生活を送っていたみたいです。

実弥の子孫は警察官になっており、なんとその後輩は玄弥に顔がそっくりな男性でした!2人はナイフを振り回す男を共に取り押さえたことで意気投合し、兄弟のように仲良くなったみたいです。
まとめ

不死川実弥が玄弥の存在を隠す理由について解説しました。まとめると…
・本当は玄弥のことを大切に思っていた
・鬼殺隊ではなく、普通に暮らして所帯を持って幸せに暮らしてほしかった
・大切な人をもう2度と失わないために、力づくの行動をとっていた
・辛く当たっていたが、黒死牟との戦いをきっかけに本心を伝える
玄弥に対して辛く当たっていたのは本心ではなく、自分が嫌われてもいいから玄弥に鬼殺隊を辞めさせたいという理由からでした。
家族を失い、親友を目の前で亡くした実弥にとって、大切な人を失うのはもう二度と味わいたくないという想いが誰よりも強かったはずです。
ですが最後は自分の本心を玄弥に伝え、お互いの想いを知ることができました。
玄弥の本心を知った実弥は生き残った者として、玄弥の分も幸せになろうと思って生きたのかもしれませんね。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
関連記事