『鬼滅の刃』の中盤からの重要なキーワードとして「痣(あざ)」が挙げられます。
この時代の隊士として、最初に痣が発現したのは炭治郎でした。
炭治郎に続いて覚醒した柱の2人というのが、霞柱・時任無一郎(ときとうむいちろう)と、恋柱・甘露寺蜜璃でした。
彼らに発現した「痣」とは、一体どのようなものなのでしょうか?
甘露寺蜜璃(かんろじみつり)の痣(あざ)について
痣の形の特徴は?
蜜璃の首に痣が発現したときに戦っていた上弦の肆(し)が「鬼の紋様に似ている」と言っています。
紋様の男女差については特に語られていませんが、蜜璃の痣は女性の鬼の紋様に似ているようです。
そのとき、体で何が起こっていた?
実は、炭治郎・無一郎・蜜璃の3人に「痣が発現した」と報告したのは彼らの鎹烏(かすがいがらす)で、隊士たち本人にはその自覚がありませんでした。
しかし、「それまでとは明らかに違う感覚だった」ということは認識していたようで、実際、痣が出現する直前の蜜璃はこのような状態でした。
痣の発現状況:蜜璃の説明
柱合会議にて「痣の発現状況についてご教示願いたく存じます」と言われたときの蜜璃の答えがこうでした。
・・・それは、すでに誰かが言っていたような気がしますよね。。
痣の発現状況:無一郎の説明
「僕を助けようとしてくれた少年が殺されかけ、以前の記憶が戻り、強すぎる怒りで感情の収拾がつかなくなりました。そのときの心拍数は二百を超えていたと思います。さらに体は燃えるように熱く、体温の数字は三十九度以上になっていたはずです」
ジャンプコミックス『鬼滅の刃』第15巻
無一郎にも痣が発現していて良かったですね。
痣の発現条件
なぜ他の強い隊士よりも先に痣が発現したの?
「柱」とひとくくりにされてはいても、やはり強さは個人差があり、トップが岩柱・悲鳴嶼行冥(ひめじまぎょうめい)、次に風柱・不死川実弥(しなずがわさねみ)、というのが、物語中のランク付けのようです。
しかし、彼らよりも戦力が劣ると思われる無一郎や蜜璃(と炭治郎)に、先に痣が現れたのはなぜでしょう?
それは、痣を出現させるほど戦闘力を高める必要のある強い相手、つまり「上弦の鬼」と戦ったのが上位メンバーよりも先だったからと考えられます。
悲鳴嶼と不死川実弥は、物語終盤の「無限城編」における上弦の壱(いち)・黒死牟(こくしぼう)との戦いが、最初で最後の「上弦の鬼との対決」であり、2人ともこの黒死牟戦で痣が発現しています。
具体的にどのような状況下で痣が発現していたか?
炭治郎:「遊郭」で、上弦の陸(ろく)戦
「自分さえ良ければ他はどうでもよい」と、たくさんの人間の命を踏みつけにしていることに対しての激しい怒りを感じたとき。
無一郎:「刀鍛冶の里」で、上弦の伍(ご)戦
自分を助けようとしてくれていた小鉄君の命を奪われ、激しい怒りを感じたとき。
ちなみに、無一郎の痣の発現のきっかけになった小鉄君は「みぞおちを刺されて死んだ」と思われていましたが、実際はお腹のところに入れていた「刀の鍔(つば)」のおかげで命拾いしています。
それは、炭治郎が「自分の刀につけて欲しい」とお願いしていた、煉獄さんの形見の鍔でした。
蜜璃:「刀鍛冶の里」で、上弦の肆(し)戦
「絶対に私がみんなを守る」という極めて強い使命を感じたとき。
蜜璃が対峙していた上弦の肆が、実は「本体ではないため、頸を斬っても死なない」と知った蜜璃は一瞬戸惑い、その隙に(その本体ではない上弦の肆の)攻撃をまともに食らって動けなくなり、とどめを刺されそうなってしまいました。
しかし、それに気付いた炭治郎・禰豆子・不死川玄弥(しなずがわげんや)の3人が、蜜璃を全身でかばって守ったのです。
「甘露寺さんを守るんだ!
いちばん可能性のあるこの人が希望の光だ!
この人さえ生きていてくれたら絶対勝てる!」
ジャンプコミックス『鬼滅の刃』第15巻
柱でありながら判断を誤った(本体ではないことに気づけなかった)自分を反省し、彼らの期待に絶対に応えないといけないと思った蜜璃。
炭治郎たちを「上弦の肆の本体」へ向かわせるため、「上弦の肆の分身」は自分が責任を持って引き受ける決意をしたのです。
柱合会議で「痣」について語られた理由
痣が発現するとどうなる?
いわゆる覚醒状態となり、技の威力もスピードも格段に上がります。
鬼殺隊本部の産屋敷(うぶやしき)邸での柱合会議では、このような話がなされています。
「痣については伝承が曖昧な部分が多いです。(中略)
ただひとつ、はっきりと記し残されていた言葉があります。
“痣の者が一人現れると、それに共鳴するように周りの者たちにも痣が現れる”」
ジャンプコミックス『鬼滅の刃』第15巻
すでに3人の隊士に痣が出現していることで、「今後も次々と痣が発現する隊士が出てくる」、そして「その可能性が最も高いのは柱たち」と考えられるためです。
痣の発現による副作用
短時間に爆発的な力を出すことは、寿命を大幅に縮めることを意味します。
柱合会議においても「痣が出現した者は例外なく、二十五の歳を迎える前に死ぬと言われている」と、柱たちに伝えられていたことが、後に悲鳴嶼のセリフで判明します。
しかし、柱たちはそのことも理解した上で、上弦の鬼と鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)を倒すため、痣の発現を目指すのでした。
甘露寺蜜璃という希有な存在
最後に、己の命を賭して戦う柱たちの中で、独特な存在感を放つ蜜璃ならではのセリフ。
刀鍛冶の里での戦いの前に、蜜璃は炭治郎にこう言っています。
優しく、愛らしく、それでいて柱としての強い決意も感じられる。
こんなことが言える柱は、蜜璃しかいませんね。
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