『鬼滅の刃』のメインキャラクターである竈門炭治郎、我妻善逸、そして嘴平伊之助の3人は、何度か同じ任務に就いて鬼と戦っています。
ただ、炭治郎と伊之助は、同じ相手に対して二人で戦っている場面が序盤から何度かありますが、炭治郎と善逸が一緒に戦っているところは、よく考えてみると、あまりないような気がしませんか?
そこで今回は、善逸は炭治郎と同じ任務地でどのように戦っていたのか、そして同じ鬼を相手に戦ったのは何回だったのかを見ていきたいと思います。
我妻善逸が炭治郎が一緒だった任務先と戦った相手
任務先 | 炭治郎の相手 | 善逸の相手 | 二人が一緒でなかった理由 |
---|---|---|---|
①鼓屋敷 | 響凱 | 舌の長い鬼 | 善逸がヘタレだったから |
②那田蜘蛛山 | 頸のない鬼 母蜘蛛 父蜘蛛 下弦の伍・累 | 兄蜘蛛 | 善逸がヘタレだったから |
③無限列車 | 下弦の壱・魘夢 | 下弦の壱・魘夢 | ※別の車両で同じ相手と戦った |
④遊郭 | 上弦の陸・堕姫 上弦の陸・妓夫太郎 | 上弦の陸・堕姫 | ※一緒に戦った |
⑤無限城跡 | 鬼舞辻無惨 | 鬼舞辻無惨 | ※一緒に戦った |
- 「同じ相手と戦った」のは3回
- 「一緒に戦った」のは2回
尚、鬼舞辻無惨戦の前の「無限城での上弦の鬼戦」は、二人は終始別行動をとっていましたので、ここには入れていません。
①鼓屋敷:一緒に戦っていない
善逸と炭治郎は、鼓の屋敷へ行く途中で合流しています。
屋敷から聞こえてくるただならぬ音に、ものすごい恐怖を覚えたものの、炭治郎の後を泣く泣くついて行った善逸。
しかし、炭治郎とは途中で離ればなれになってしまいます。
なぜ善逸と炭治郎は屋敷内で離ればなれになった?
突然聞こえてきた建物がきしむような大きな音に、善逸は恐怖で思わず体をかがめてしまいます。
そのとき善逸が後ろに突き出したお尻に押された炭治郎と女の子(てる子)は、はずみで部屋の方へ入る形になりました。
そして次の瞬間に鼓の音がして、炭治郎&てる子のいた部屋と、善逸&男の子(正一)のいる場所が離れてしまったのです。
この屋敷の主である響凱(きょうがい)という鬼の血鬼術は、鼓を鳴らすと部屋が変わってしまう、とても不思議なものでした。
追い込まれてついに本領発揮
炭治郎と離れた後の善逸は、ひたすら逃げることばかりを考え、一緒にいた年下の少年・正一くんにも呆れられていました。
そして逃げる途中で鬼に遭遇してしまい、正一くんを助けるどころか極度の恐怖から気を失います。
ところが、なぜかそこから無意識のまま覚醒。
『雷の呼吸・壱ノ型・霹靂一閃(へきれきいっせん)』
「意識を失って覚醒する」、なんだか変な日本語ですが、でもこれが善逸なのです。
善逸の技を見たのは正一くんだけ
このとき、炭治郎は屋敷内の別の場所にいたため、善逸の技を見ていません。
また、善逸自身は技を出している自分を認識していないため、善逸の技のすごさを見たのは、このとき善逸と一緒にいた正一くんだけだったことになります。
しかし、覚醒状態にあった善逸と、素に戻った善逸とのあまりのギャップに正一くんは困惑。
屋敷の外に出てからは伊之助と一悶着あり、「善逸さん、すごかったんですよ!」と炭治郎に報告する機会もないまま、兄・清と妹・てる子とともに家路についたのでした。
②那田蜘蛛山:一緒に戦っていない
北北東、北北東、次の場所は北北東。三人は那田蜘蛛山に行け。那田蜘蛛山に行け。
『藤の花の家紋の家』で休息をとり、怪我が癒えると、新たな任務の指令が出ました。
炭治郎・善逸・伊之助の3人が、初めて一緒に任務地へ赴くことになったのです。
一緒に行ったのに、なぜ善逸だけ別行動だったのか?
那田蜘蛛山から聞こえてくる音に、今回もただならぬ恐ろしい気配を感じた善逸は、それ以上前へ進むことを拒否しています。
実は炭治郎も匂いでその恐ろしさを感じ取っていましたが、「禰豆子を人間に戻す」という揺るぎない信念の前に「任務地へ入っていかない」という選択肢はありませんでした。
また、伊之助もただならぬ気配を肌で感じていたと思いますが、この子の場合は、恐ろしく感じるほど「腹が減る」、いや「腕が鳴る」ようです。
というわけで、炭治郎と伊之助は二人で山へ入っていき、善逸は一人置いてけぼりを食らってしまったのでした。
ひとりで入山し、ひとりで戦った
チュン太郎に促されても入山を拒否していた善逸ですが、炭治郎が禰豆子の箱を背負ったまま入っていったことを思い出し、「禰豆子ちゃんを助けなければ」と思ったのか、仕方なくひとりで山へ入っていきます。
しかしその先で見た光景は、地獄のようなものでした。
そして善逸自身も、蜘蛛に刺されて毒に侵され始め、その恐怖から気を失いますが、そのとき夢に出てきた師匠の言葉を思い出し、意識のないまま覚醒して戦います。
『霹靂一閃・六連』
これも善逸自身の記憶にはなく、また誰かが見ていたわけでもなかったので、誰にも知られることのない戦いとなったのです。
ただ、このときの善逸のすさまじい攻撃音は、炭治郎たちにも届いていました。
それでも、それが善逸の攻撃だとは全く気付いていない二人だったのでした。
③無限列車:一緒に戦っていない(ただし相手は同じ)
蝶屋敷での数ヶ月の療養期間を経て、無限列車に乗り込むことになった炭治郎・善逸・伊之助の3人。
伊之助は初めて乗る列車のスピードに大興奮で、3人の中でいちばん世間慣れしていた善逸が保護者のような役割を担っていました。
3人一緒でも、怖がりなのは相変わらず
煉獄さんから「列車内で鬼が出る」と言われ、急に「俺、降りる!」と取り乱す善逸。
列車に乗り込んで煉獄さんと合流したのは「任務遂行のため」だとわかっていたはずなのに、なぜここまで怖がっていたのでしょうか。
「列車」を知っていたために、心の準備ができていなかった
善逸が急に取り乱してしまった理由、それは、自分たちはこの列車で鬼のいる場所へ移動しているだけだと思っていたからです。
「人をどこか別の場所へ運ぶ乗り物」だということを知っていた善逸は、その「どこか別の場所」へ着くまでは安全だと思い込んでいたのでしょう。
それをいきなり「いつ鬼が出て来るかわからないんだから(列車内でも)危険だ」などと言われたら、ヘタレの善逸が震え上がるのも無理はありません。
それでも頑張ったのは禰豆子のため
無限列車内では、煉獄さんを含む4人全員が下弦の壱・魘夢(えんむ)の血鬼術によって眠らされてしまいます。
しかし、炭治郎は「夢の中で自決する」という覚醒条件を見破り、自力で目覚めることに成功。
そしてあとの3人は、禰豆子が血鬼術で切符を燃やしたことにより覚醒しています。
善逸は、先に鬼と戦っていた禰豆子がピンチに陥った場面で、昭和の正義の味方のような現れ方をしています。
「禰豆子ちゃんは、俺が守る」
ただ、善逸の「覚醒」は他の人とは違っていますので、戦ってはいるものの、やはりこんな状態でした。
またも炭治郎はその現場を見ていない
戦いの中、大きな雷鳴のような音を聞いてはいますが、それが善逸の攻撃によるものだということを、未だ炭治郎は知りません。
炭治郎がこの無限列車で戦いを共にしたのは、那田蜘蛛山のときと同じく伊之助だけでした。
列車内で善逸の覚醒状態を見たのは二人
ひとりは、善逸に助けられ、その後一緒に戦った禰豆子です。
そしてもうひとりはこの人。
煉獄さんです。
禰豆子が戦っているところを見た、ということは、善逸が戦っているところも見ていたはずですね。
もしかすると、煉獄さんは炭治郎や伊之助に指示したのと同じように、善逸にも明確に指示を出していたのかも知れません。
俺は後方5両を守る。君と竈門妹は残りの3両を守れ!
とか。
でなければ、善逸たち自身が何両守ったら良いのか、わからないですものね。
戦った相手は共に『下弦の壱・魘夢』
善逸と炭治郎は、この無限列車でもお互いの戦う姿を見ていません。
しかし、戦っていた相手は、どちらも下弦の壱・魘夢でした。
煉獄さんの指示の下、善逸は禰豆子と一緒に魘夢の触手から乗客を守り、炭治郎は伊之助と一緒に魘夢の頸を斬ったのです。
二人が同じ相手を倒したのは、この無限列車が初めてでした。
蝶屋敷での療養で、更に絆を深める
無限列車の任務の後、善逸たちは療養と鍛錬を兼ねて蝶屋敷に身を寄せていました。
そしてそこから、それぞれ任務に赴くこともあったのです。
一段と仲間意識を深めた3人が次に一緒に向かうことになるのは『遊郭』でした。
④遊郭:一緒に戦った
音柱・宇髄天元と共に遊郭へ向かった、炭治郎・善逸・伊之助の3人。
宇髄は独自の調査で、鬼が潜んでいそうな店を3つに絞り込み、先に自分の嫁3人を内部調査のためにそれぞれの店へ送り込んでいました。
しかし、3人の嫁全員との連絡が途絶えてしまったために、炭治郎たち3人に「遊女として店に潜入すること」を命じたのです。
鬼が潜んでいたのは善逸が潜入した店
上弦の陸・堕姫(だき)は、普段は「蕨姫(わらびひめ)花魁」として人間の中に紛れていて、捕まえた獲物(人間)は自分の帯の中に取り込み、貯蔵庫のようなところに生きたまま閉じ込めていました。
善逸は、鋭い聴覚で蕨姫が鬼であることをすぐ見抜きますが、攻撃されたときにとっさに受け身を取ったことで、鬼側にも「こいつはただ者ではない(単なる遊女ではない)」と感づかれてしまいます。
自分の正体を気づかれた堕姫は、善逸も帯の中に閉じ込めていました。
閉じ込められている獲物は意識を失っているようで、自分で動くことが出来ません。
ここでは伊之助が善逸を帯から助け出してくれたのですが、助け出された後も善逸は眠ったままでした。
ここでも眠った状態で覚醒
炭治郎より先に善逸の覚醒状態を見た伊之助
善逸に関しては「眠っていたから覚醒した」というのが正しい言い方でしょうか。
助けられた直後、霹靂一閃を伊之助の前で披露。
こんな冴えた善逸を初めて見た伊之助は、思わず善逸を褒めています。
ついに炭治郎の前で覚醒状態を披露
「鎌の男」というのは、上弦の陸の本体・妓夫太郎(ぎゅうたろう)のことです。
「こちらの方」とは堕姫のことを指していて、「これまで散々手を焼いているが3人でなら頸を斬れる(可能性が高くなる)」と言っているのです。
素に戻ると覚えていないのはいつもと同じ
あれだけ冴えたセリフを話していても、意識を取り戻すと全く覚えていませんでした。
尚、善逸がちゃんと意識のある状態で戦えるようになるのは、遊郭編よりも少し先の『柱稽古』のときです。
善逸の大きな成長でもありましたが、そのきっかけは師匠と兄弟子が絡むとても哀しいものでした。
そこに大きく関わっている善逸の兄弟子については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
⑤無限城跡(鬼舞辻無惨戦):一緒に戦った
最後の鬼舞辻無惨戦では、善逸も意識のはっきりした中で炭治郎と共に戦っていました。
炭治郎が無惨の攻撃で動けなくなって死を意識したときには、善逸が励ましています。
炭治郎と善逸と伊之助は、それぞれ仲間を無惨の攻撃から守るために、限界を超えた体で戦い続けました。
そしてどんな状態になっても仲間を信じ、守って、3人全員が生き延びたのです。
まとめ
善逸と炭治郎は一緒に行動する機会が多いので、一緒に戦った機会も多かったように感じますが、よく見ていくと、そうではなかったことがわかりますね。
ただ、炭治郎が善逸の「雷の呼吸」を見たのは『遊郭』が初めてでしたが、善逸の強さを確信していたのはもっと前のことです。
これは『藤の花の家紋の家』でのセリフで、「最初からわかってた」と言っていますので、鼓屋敷へ向かう途中、「女の子にすがりついて泣いていたとき」からわかっていたのでしょう。
そして善逸も、「炭治郎からは泣きたくなるような優しい音がする」と言っていて、その中には「強さ」もあったことを、きっと感じていたはずです。
お互いが戦っているところを見ていなくても、強さと優しさを併せ持った炭治郎と善逸は、早い段階で共に信頼し合っていたのだと思います。
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