2021年4月23日、北米でも「無限列車編」が公開になりました。
北米での公開に関する記事や、英語版に関連する動画などは、こちらの記事にて紹介しています。
2021年3月時点での記事は以下になります。
2021年3月15日(日本時間)、アカデミー賞ノミネート作品が発表され、残念ながら、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は選外となりました。
が、ほとんどのファンはあまり気にしていないのではないかと思っています、元々、狙いは「そこ」ではないですものね。
6月16日に無限列車編のBlu-rayとDVDが販売になったぞ!そっちの方が楽しみだ!!
2020年10月16日に公開された「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は、同年12月28日に国内の歴代興行収入第1位となったことが発表され、その後も記録を伸ばし続けています。
海外でもそのニュースは報じられているほか、テレビアニメや劇場版のPVを見て歓喜・感涙する外国人の動画も数多くアップされていますね。
ここで紹介させていただく内容は、あまり派手なリアクションのものは含まず、公式ページでも見られる英語版PVやワールドプレミアダイジェスト、そして実際に作品を見た方々のインタビュー動画などを選んでおります。
また、海外の記事は内容のニュアンスを損なわない程度に一部のみ抜粋・簡略化して紹介しておりますので、ご了承ください。
映画『鬼滅の刃』に対する海外の反応
2021年アカデミー賞ノミネートの『候補』でしたが、残念ながら選外に
毎年2~3月にアメリカで発表されるアカデミー賞(今年はコロナの影響で4月ですが)の『長編アニメーション部門』ノミネート候補の中に、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が含まれていました。
残念ながらノミネートはされませんでしたが、以下、予想時の記事をそのまま掲載しています。
アメリカの有力な映画業界誌は、2020年12月時点のアニメ賞のノミネート予想で、「鬼滅の刃」を7番手の候補としました。
出典:日本語版「2021年アカデミー賞の予想」
そして2021年1月21日付の「Variety」(アメリカのエンタメ業界紙)では5番手に予想されています。
『鬼滅の刃』の興行収入記録はアカデミー賞(アニメ部門)への追い風となるか?
これまでのところ「ソウルフル・ワールド」(Pixar)が最有力候補ではあるが、「ウルフウォーカー」(GKIDS)がピタリと後についており、GKIDSの初受賞も夢ではないだろう。尚、アニメーション部門では27作品がノミネート候補として上映され、その中から意外な作品が選出されるかもしれない。(中略)「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は(アメリカから見て)海外で大ヒットしており、海外の投票者も多いことから、上位に食い込む可能性もある。
尚、ノミネートされるのは5作品で、今年のノミネートの発表は3月15日、授賞式は4月26日(日本時間)です。
「Variety」とは
出典:Wikipedia
アメリカ合衆国で発行されているエンターテイメント産業専門の業界紙。どこよりも早く情報を伝える点が特徴の1つに挙げられ、映画業界関係者をはじめ、映画監督やハリウッドスターにも愛読されており、アメリカの芸能人の約90%が愛読しているとされる。
海外のニュース記事
Guardian(イギリスの大手新聞社)2020年12月28日付
『鬼滅の刃』、過去のビッグネームを圧倒し興行収入第1位に
同名のベストセラー漫画を原作とするこの映画は、10月中旬に公開されるとわずか45日でそれまで第2位だった『タイタニック』を抜き、そして12月28日、ついに『千と千尋の神隠し』を抜いて首位に立った。
新型コロナウィルスの影響でハリウッド映画の上映が延期されるなど、ライバル作品がなかったことが追い風になったのは確かだが、コロナ渦でここまでの成功を収めたことは注目に値する。
Hollywood Reporter(アメリカのエンタメ情報誌)2020年12月28日付
『鬼滅の刃』が『千と千尋の神隠し』を抜いて歴代興行収入第1位に
日本は新型コロナウィルスの感染率が低く、公開当初から映画館が閉鎖されずに上映できたこともあり、ほぼすべての興行収入記録を塗り替えて、約20年に渡って頂点に君臨していた宮崎駿監督作品を2位に後退させた。
この映画は大正時代(1912年~1926年)の日本の少年が、家族を殺した人食い鬼に立ち向かう物語である。日本では『鬼滅の刃』の成功について「困難な時代の中での回復力をテーマにしていることと関係があるのではないか」と推測している。
また、この映画は日本国内では「エンターテインメント」の域をはるかに超えた存在となっている。ブルームバーグによると、寿司屋のフランチャイズ、缶コーヒーや玩具メーカーなど、『鬼滅の刃』のライセンス契約を結んだ企業の売上や株価が急上昇しているという。飲料メーカーの「ダイドー」は、『鬼滅の刃』のキャラクターがラベルに描かれた缶コーヒーを5000万個以上販売したことで、10月には前年販売から50%近く急上昇した。玩具メーカー「エスケイジャパン」は『鬼滅の刃』のキャラクターを使用したライセンス契約を受けて、秋の東京市場で株式が約2倍に増加している。
日経アジア(2020年12月28日付)
『鬼滅の刃』が映画の歴代興行収入トップに立つ
宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』は、公開253日目に興行収入300億円を突破しているが、外崎春雄監督の「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は、わずか59日だった。
この映画は昨年(2019年)日本で放送されたテレビアニメの続編で、劇場版公開から10日間で100億円を超えたのは国内初。出版社の集英社によると、世界的なヒットとなっている漫画シリーズは14カ国語に翻訳され、33の国と地域で配信されているという。
映画では、主人公の竈門炭治郎が、妹や仲間の鬼殺隊士たちと共に、たくさんの人が行方不明になった「無限列車」の乗客の命を救うために奮闘する姿が描かれている。
アニプレックスによると、英語吹替版と字幕版が2021年初頭に北米の映画館で公開される予定だという。尚、台湾では2020年10月30日に、タイでは2020年12月初めにすでに公開されている。
また、情報提供元のオリコンが集計したランキングでは、『鬼滅の刃』の小説版が今年のベストセラーとなったほか、LiSAが歌うオープニングテーマ曲が引き続きトップセールスを記録している。また、『鬼滅の刃』の人気を受けて各社が玩具などのグッズを発売しているほか、2020年の流行語(buzzword)にも選ばれている。
LA VERDAD(メキシコメディア)の記事
「メキシコメディアが異例の“煉獄さん特集”」と題して、スペイン語の記事の翻訳版をENCOUNTが掲載しています。
海外メディアで話題を呼んでいる鬼滅ブームだが、その立役者は「煉獄さん」と分析。その上で、5つの知っておくべきことを紹介している。
1つ目は「生まれながらの先生」であること。寸評では恋柱の甘露寺蜜璃をかつて継子として指導していた経緯を紹介。そして、「映画版でもわずかな間だったが、炭治郎、善逸、伊之助の師匠として熱心だった。本当の兄貴分であることもボーナスポイントだ」と人間力を高く評価している。
2つ目は「人の名前を覚えないこと」。劇中、煉獄は炭治郎と伊之助の名前を間違えて呼んでいたが、「このデータは特にかわいらしい。なぜなら、弟子の名前をほほ笑みとともに呼んでいる姿を我々は目にしているからだ」と、寸評では時折見せるおちゃめさに注目している。
3つ目は「炎柱の後継者であること」。長い間、煉獄家は炎柱の大役を担ってきた背景にも注目している
4つ目は「鬼殺隊の完璧な模範であること」だった。「煉獄は鬼殺隊の意味することを体現している。信じられない強さと技術を示し、周囲が成長する刺激を与える。罪なき者を守り抜く不屈の覚悟の持ち主で、周囲が心を開くような勇気付ける性格の持ち主だ」と人間性を絶賛している。
最後は「柱全員がリスペクトしていること」と指摘し、クセの強い同僚からも尊敬される人格の持ち主と称賛している。
「心を燃やせ」という名言も紹介。鬼滅ブームの主役として海外メディアも人気キャラクターにスポットライトを当てていた。
出典:ENCOUNT
一人のキャラクターに焦点を当てた海外の記事は、ちょっと珍しいですね。
外国語の難しくも面白いところ
煉獄さんについての記事で、「2つめ」の「人の名前を覚えない」のくだり、炭治郎のことは確かに最初「溝口少年」と間違えて呼んでいますが、伊之助のことを名前で呼んでいる場面はないですよね?
もしかして「猪頭少年」を「間違えた呼び方」だと捉えているのでしょうか???
ちなみに煉獄さんは伊之助のことを2回呼んでいて、日本語ではどちらも「猪頭少年」ですが、英語版では呼び方が違っています。
まず1回目が「竈門少年と猪頭少年はその三両の状態に注意しつつ鬼の頸を探れ」、この場面の英語版では「Inogashira」となっています。
しかし2回目の「竈門少年、猪頭少年、黄色い少年、もっともっと成長しろ」のところでは「Boar–head boy」(そのまま「猪頭少年」という意味)です。
もしスペイン語版も英語版にならって作成されていたとしたら、1回目の「Inogashira」が「間違えた呼び方」と思われている可能性が高いですね、「Inogashira」ではく「Inosuke」の間違いだと。
ではなぜ英語版では、1回目と2回目で呼び方を変えているのかといいますと、
海外のファンの反応
台湾のファンの反応
台湾では2020年10月30日に劇場版『鬼滅の刃』が公開になっていますので、実際に映画を見たファンの感想が聞けます。
台湾のファンのインタビュー動画
北米での劇場版公開情報への反応
2021年1月16日付の「アメリカ版『鬼滅の刃』公式Twitter」において、北米で「英語字幕版(sub)」と「英語吹替版(dub)」が同時公開されることが発表されました。
ただし、まだまだコロナの収束が見えない状況下ですので、具体的な日付は発表されていません。
字幕版を2つ紹介
こちらは「予告編第1弾」の英語字幕版です。
こちらは「特報第2弾」の英語字幕版になります。
「字幕」と「吹替」の同時公開発表Twitterへの反応
リツイートの内容を紹介した日本語の動画です。
吹替について賛否があるのは、どこの国でも同じですね。
映画『鬼滅の刃』に関するその他の反応
『兄妹の絆』ワールドプレミア上映会レポート
2019年に行われたアメリカ、韓国、台湾、フランスの上映会での様子をダイジェストにしたものです。
外国人ライターによる「アニメ第2シーズン」への懸念
劇場版『鬼滅の刃』の大ヒットは、テレビアニメ第2シーズン案を潰した?
昨年末に日本で劇場公開された「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は数々の記録を塗り替え、何億ドルもの売り上げを記録しているが、この成功のおかげで、制作会社はテレビシリーズの第2シーズンを作るよりも、より多くの映画を作る方向に向かっていくのだろうか? 今のところ何も証拠はないものの、ここまで人気のある少年漫画のアニメ継続に関してまだ何の発表もないという事実は何を意味するのか、気になるところではある。
今年は北米でも劇場版が公開される予定で、利益が更に上乗せされるのは間違いないだろう。アニメを制作しているufotableが物語の続編をどうするかは、その利益の程にかかっているかもしれない。
この劇場版第1作目はテレビアニメ第1シーズンから続く物語であり、もし将来的に劇場版で『鬼滅の刃』を公開するならば、どのような構成になるのかも気になる。
原作漫画も記録を更新し続けており、物語が完結した後も『ONE PIECE』を上回る売上を記録している。現時点ではまだ何も発表されていないが、世界中のアニメファンからの評価を考えると、続編やスピンオフが描かれても全く不思議ではない。
「テレビアニメ第2期発表」を受けた同ライターの記事(2021.2.14付)
テレビアニメの第2期放送発表を受けて、同日、早速「テレビアニメ2期への懸念」の記事を書いていたライターさんが喜びの記事をアップしていましたので、概訳にて紹介いたします。
「ついに、待ちに待った発表がありました。『鬼滅の刃』テレビアニメ第2期が2021年に放送されることが明らかになったのです。バレンタインデーに開催された『鬼滅の刃』のイベントでは、2021年に発売予定のゲームについての話が中心でしたが、アニメ第2期が発表されるともうお祭り騒ぎ。第2期は『遊郭』(Entertainment District)を舞台にしたストーリーで、ufotableが(これまでの人気に対する)プレッシャーの中でどんな作品にしてくれるのか、ファンの間では期待が高まっています」
まとめ
「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は、それまで『鬼滅の刃』という作品に、あるいはアニメや漫画自体にそれほど興味がなかった層にまで大きな影響を与え、日本国内で社会現象にまでなっています。
また、海外のアニメ・漫画ファンにとっては、極めて日本的なストーリーなのがまた魅力でもあるようですが、言葉の違い、文化の違いはあっても、人間として感じる根本的なところは同じで通じ合っているということも、改めて知ることができたと思います。
世界中がコロナ渦で大変な状況の中、劇場版の公開自体が難しい国もたくさんあると思いますが、この作品がひとりでも多くの人に届くと良いなと思います。
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