【鬼滅の刃】謎多き琵琶の鬼・鳴女(なきめ)の正体と過去!「上弦の肆」として迎えた最後とは?

十二鬼月
©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

『鬼滅の刃』に出てくる鬼は、初期の鬼たちを除くと、たいてい「強い」「卑怯」のどちらかに分類されます(両方の場合もあり)。

しかし、今回取り上げる『上弦の肆・鳴女(なきめ)』は、どちらにも当てはまりません。

他の上弦の鬼たちとは明らかに違う特性を持っていて、また、過去も本編では明かされていないという、謎多き鬼です。

どんな場面でも取り乱さず、最期の瞬間まで琵琶を弾き続けて任務を遂行していた『鳴女』。

その正体がわかる過去のエピソード鬼となってからの活躍場面、そして衝撃的な最後まで、詳しく解説していきます。

鳴女(なきめ)の正体と、過去から最後の場面までを時系列で紹介

  • 人間の頃から琵琶の弾き手だった
  • 人妻だったが、自分で夫を殺して未亡人に
  • 鬼舞辻無惨を殺そうと近づくも、返り討ちに遭う
  • なぜか鬼舞辻に気に入られて鬼にしてもらう
  • 「上弦の肆」にまで出世するが、最期は鬼舞辻に殺される

本編では一切語られていない鳴女の過去

鳴女の過去は、公式ファンブック『鬼殺隊見聞録・弐』でのみ明かされています。

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

人間の頃から琵琶を弾いていた

鳴女は人間の頃から琵琶の弾き手でしたが、全くの無名で、日銭を稼ぐのがやっとでした。

また、夫は博打に明け暮れている男で、生活は常に苦しかったようです。

それでも琵琶を弾くときは、1着だけ持っていた「琵琶演奏用」のまともな着物で人前に出ていました

琵琶演奏用の着物を勝手に売った夫を殺害

ある日、たった1着しか持っていなかったその「まともな着物」は夫が勝手に売り、そのお金は博打につぎ込まれてしまいます

激怒した鳴女は、金槌で夫を撲殺

しかし、たとえそんな日であっても、生活のためには琵琶の演奏をしに行かなければなりません。

演奏用の着物を売られてしまったため、ボロボロの着物で演奏をしていたのですが、その格好を見た客には嫌な顔をされてしまいます。

童磨
童磨

琵琶の君、人間の時は苦労してたんだねぇ。

人を殺した後の演奏(音色)を称賛される

ところが、夫を殺したあとのこわばって震えていた手によって紡ぎ出されたその音色が称賛されたのです。

これに味をしめたのか、それからの鳴女は人を殺した後に琵琶を演奏するようになり、その音色は高く評価されるようになりました。

鬼舞辻無惨は殺害のターゲット

無惨が人間を鬼にするときは、たいてい無惨の方から仕掛けてきますが、鳴女は自分から無惨に近寄って殺そうとしています。

無惨
無惨

私を殺そうと近づいてくるとは、いい度胸だ。

返り討ちに遭って無惨の殺害には失敗するも、気に入られて鬼にしてもらい、以後、鳴女は無惨に忠実な部下となりました。

鳴女の登場シーンは血鬼術と連動

鳴女の血鬼術①『空間操作』

琵琶を弾いて周りの景色を変えたり、鬼や人間を呼び寄せたりするのが「空間操作」です。

「楽器を鳴らして周りの景色を変える」というところは、鼓の鬼・響凱の血鬼術と似ていますね。ただし、鳴女は響凱のように攻撃をしてくることはありませんでした。

下弦の鬼の招集(通称:パワハラ会議)

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

鳴女の最初の登場シーンは、下弦の鬼を集めた無限城でした。

鬼舞辻無惨が下弦の鬼4体を次々に粛清し、後にファンの間で「パワハラ会議」と呼ばれるようになった場面です。

この「無限城への招集」は、下弦の鬼たちにとっては初めての経験だったので、状況が全く把握できていませんでした。

「数ヶ月前」というのは、「竈門少年たちが蝶屋敷を出て無限列車の任務に向かう数ヶ月前」という意味だ!

上弦の鬼の招集

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第11巻

無限城への招集がかかるのは、こういう状況になった(上弦、または下弦の鬼が殺された)ときなのです。

上弦の肆・半天狗いわく、上弦の鬼が無限城に集められたのは「113年ぶり」とのことなので、上弦の顔ぶれはその113年間は同じだったことになりますね。

下弦は上弦に比べて入れ替わりが激しかったので、無限城への招集経験者がいなかったのでしょう。

無限城へは数字の順に呼ぶ
©吾峠呼世晴/集英社 コミック第12巻

上弦の参・猗窩座から「上弦の壱はどこだ。まさかやられたわけじゃないだろうな」と聞かれたときの鳴女のセリフです。

この無限城にて、上弦の弐・童磨に対する猗窩座の態度を、上弦の壱・黒死牟が咎めている場面もあり、鬼の世界でも序列を重んじていることが伺えます

童磨
童磨

俺は全然気にしてなかったんだけどね。猗窩座殿と戯れたくて「わざと」やられていただけだったのになあ。

鬼殺隊の捕獲

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第16巻

鬼舞辻無惨は、柱たちが集結したこのタイミングで鳴女に他の鬼殺隊士たちも捕獲させて無限城に落とし、一気に鬼殺隊を全滅させようと考えます。

ただ、鳴女が自身の血鬼術で操作できるのは、あらかじめ居場所を把握している者のみ

鬼たちの居場所は鬼舞辻が把握しているのでその情報を鳴女に送っていたと思われますが、鬼殺隊士たちの居場所はどうやって知ったのでしょうか?

それは、鳴女のもうひとつの血鬼術によるものでした。

鳴女の血鬼術②『眼球を使った情報収集』

禰豆子が刀鍛冶の里で太陽を克服したことを受け、一時的に鬼の出没が止んだ時期がありました。

実はそのとき、鬼舞辻無惨は密かに次の計画に向けて動いていたのです。

それは、産屋敷一族を含め、鬼を倒そうとしている者を全滅させるために、彼らの居場所を把握しておくことでした。

鬼舞辻が求める『リサーチ能力』に長けていた鳴女

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第16巻

鳴女は放った眼球で情報収集をすることで、短期間に大勢の居場所を突き止めています。

風柱・不死川実弥だけがその眼球の存在に気づいたようですが、それが「自らの居場所を把握されるための血鬼術」とまでは思っていなかったようでした。

この方法で、鳴女は鬼殺隊士たちの居場所だけでなく、産屋敷邸を見つけ出すことにも成功しています。

鬼舞辻は産屋敷邸の居場所をずっと探っていた

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第16巻

鬼舞辻無惨は、鬼殺隊の本部である産屋敷邸を何百年も探していましたが、産屋敷一族は巧妙にその場所を隠し続けていました。

黒死牟
黒死牟

私は鬼になって間もない頃、当時の鬼殺隊当主を殺している。それもあって、産屋敷一族は以前よりも厳重に巧妙に、その居場所を隠すようになったのだ。

ということは、黒死牟が鬼になってから今までの期間、つまり400年もの間、隠し続けていたことになりますね。

そして400年ぶりに産屋敷邸を見つけたのが鳴女だったのです。

上弦の壱・黒死牟は戦国時代の生まれで、人間の時は鬼殺隊士だったんだ。そして、僕の先祖でもあるらしい。。

この能力のおかげで、鬼舞辻無惨に気に入られていた

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第16巻

鳴女は、『下弦の鬼』および『上弦の鬼』をそれぞれ招集した無限城でのシーンでは、まだ自身は十二鬼月ではありませんでした。

しかし、鬼舞辻が「強さ」と同じぐらい鬼たちに求めていた「リサーチ能力」に長けていたため、『上弦の肆・半天狗』の死後、鳴女が『上弦の肆』に格上げされています

最期を迎えたのは最終決戦地の無限城

鳴女は鬼殺隊士たちを無限城に落として(捕獲して)からも、琵琶を弾いて無限城内の空間操作を続けていました。

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第21巻

鳴女の血鬼術により、蛇柱・伊黒小芭内と恋柱・甘露寺蜜璃の二人は足止めを喰らっていました。

鳴女の頸を狙うことも、他の鬼や仲間のところへ向かうこともできず、「戦う」ということができない状態でいたのです。

「柱二人が参戦できていない」という状況が、鬼殺隊にとってどれだけ痛手かを考えると、この琵琶女の力は「強さ」とは別の厄介さがある。

鳴女の対戦相手として選ばれたのは愈史郎

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第21巻

愈史郎(ゆしろう)は、鳴女と同じ「視覚を操る血鬼術を使う鬼」です。

「鬼」とはいっても愈史郎は人間の味方で、鬼殺隊士を治療したり一緒に戦ったり、最終決戦には欠かせない存在でした。

鬼殺隊本部では、柱も含め、鬼殺隊士では歯が立たない鳴女に対し、その視覚を愈史郎が乗っ取ることで鬼舞辻無惨にウソの視覚情報を流し、戦いを支配しようと考えていたのです。

愈史郎くんを鳴女の相手に選んだのは、お館様(産屋敷耀哉)です。さすがです!

作戦を鬼舞辻に気づかれ、鳴女は頭部を破壊される

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第21巻

最初はうまくいっていた鬼殺隊本部と愈史郎の作戦ですが、途中で鬼舞辻に気づかれてしまいます。

それでも愈史郎は鳴女への視覚支配を続け、鬼舞辻はそれを押し返そうとして、二人の戦いは平行線。

そして鬼殺隊からの攻撃を受けた鬼舞辻の「鳴女への支配」が緩んだ隙に、愈史郎が一気に押し返しにかかりますが、

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第21巻

自分が愈史郎に支配される前に、鬼舞辻は鳴女の頭部を破壊して殺したのでした。

鳴女の消滅により無限城も崩壊

鳴女が殺されたあと、無限城は崩れ落ちていますので、無限城自体も鳴女の血鬼術の一部だったのでしょうか。

鬼舞辻無惨は鳴女を殺すことで、愈史郎と鬼殺隊から支配されることから逃れていますが、無限城が崩れ落ちたために、外に排出されています

つまり「陽が昇れば消滅する状態」ということですね。

鬼舞辻は、それまでに鬼殺隊を全滅させれば良いと思っていたようですが、鬼殺隊が結集して少しずつ希望をつないでいった結果、最後は無惨を倒しています。

まとめ

鬼になった者は、人間時代から同情の余地なく卑劣だった者(半天狗や玉壺など)もいれば、その境遇に同情してしまうような者(猗窩座や妓夫太郎など)もいます。

鳴女には、夫の件に関してはいくらか同情してしまうものの、その後、自身の琵琶の演奏のために無差別に人を殺していたことは、いくら琵琶が生活の糧だったとしても、やはり全く同情できるものではありません。

決して「強い鬼」というわけではなく、かといって「卑怯な鬼」というわけでもありませんでしたが、どんな状況でも淡々と仕事をする姿勢が、能力以外にも鬼舞辻に気に入られていた理由だったのかも知れません

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