『猪突猛進!!』猪頭を被り、誰に対しても好戦的に勝負を挑む鬼殺隊・嘴平伊之助。
かなりの野生児の伊之助ですが、その生い立ちはとても壮絶で、奇跡の連続に繋がれ育まれました。
今回は、伊之助の育ての親・生みの親などを通して、生い立ちについてご紹介したいと思います。
嘴平伊之助の生い立ち
育ての親
頭にかぶっているのは、伊之助を育てた猪の皮です。
育ての親の形見になります。
©吾峠呼世晴/集英社 公式ファンブック 鬼殺隊見聞録
伊之助の育ての親が猪だったことが、コミック10巻の番外編・伊之助御伽草子に記載されています。
そして、伊之助の被っている猪頭はその母猪の形見なのですね。
肌身離さず猪頭を着けていることからも、伊之助にとって、母親は大事な存在であることがわかります。
言葉を教えたおじいさん
人間はある一定の年まで言語に触れなかった場合 その後言葉の習得は困難となる
しかし伊之助少年は言葉が堪能であった それはなぜか
©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第10巻 番外編 伊之助御伽草子
たかはるという青年が、ある日祖父が奇妙な動物(幼少期の伊之助)に餌を与えていたのを目撃します。
伊之助が4足歩行をしているので、猪の被り物をしている伊之助を奇妙な動物と認識してしまったのでしょう。
伊之助のしている猪頭はいつも被っている物より小さいので、母猪の亡くした子供の猪頭を被っている可能性が高そうです。
たかはるの反対を受けながらも、おじいさんは伊之助を抱きかかえて百人一首を読み聞かせたり、可愛がっていました。
嘴平伊之助って書いてあるな
これがお前の名前じゃろう
おっ父とおっ母がつけてくれたんじゃ大切にせいな
©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第10巻 番外編 伊之助御伽草子
おじいさんは、可愛がるだけではなく、人としての在り方などの大切なことも要所要所で教えていたようですね。
口うるさく伊之助を邪険に扱うたかはるに対して、伊之助が好戦的に歯向かう場面も描かれています。
言語はたかはるのおじいさんに教えてもらった伊之助ですが、乱暴な言動はたかはるから学んでしまったのかもしれません。
生みの親・琴葉
無限城での戦いで、上弦の弐・童磨と対峙している栗花落カナヲの危機に助太刀する伊之助。
そこで、童磨の口から、まさかの伊之助の生みの母の話を聞くことになりました。
伊之助の猪頭を取った童磨が伊之助の顔に見覚えがあると言い出し、記憶を辿り出します。
十五年前かな わりと最近だね
十七・八くらいの女の子が赤ん坊を抱いて来たなぁ
旦那が殴るんだって毎日 姑にも毎日いじめられて
©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第18巻 第160話
童磨は、次々と思い出すがままに伊之助の母のことを語り出しました。
自分が作った極楽教でそういう境遇の人を保護していたこと。
伊之助の母には親も兄弟もいなくて頼れるところが全くなかったこと。
顔の原型がわからないほどの暴力を受け、片目が失明までしていたこと。
ゆびきりげんまん お守りしましょう 約束しましょう
あなたが大きくなるまでは 母さんひとりで守りましょう
ごめんね 伊之助 寂しい思いをさせるけど
父さんのぶんもたくさん頑張って母さんが守るからね
命にかえても 伊之助は母さんが守るからね……
©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第18巻 第160話
自分は猪に育てられ、母親はいないと突っぱねていた伊之助ですが、ゆびきりげんまんには心当たりがありました。
以前胡蝶しのぶがゆびきりをしてきた時に、どこかで会ったことがあるような不思議な感覚を持っていた伊之助。
さらに、童磨は、母の名は琴葉(ことは)で容姿端麗で心もきれいだったから、寿命が来るまで喰べないつもりだったこと。
しかし、信者を喰べているのを知られ、寺院を出てしまったから殺したことを伝え、さらに琴葉を侮辱しました。
生みの母に大切にされていた記憶を取り戻した伊之助の、母との無情な別れが辛すぎます。
追い詰められた琴葉は、二人とも殺されてしまうと、せめて伊之助だけは生きて欲しいという願いを込めて、伊之助を崖から落としました。
優しい母との記憶を取り戻した伊之助は、自分の大切な母親と仲間のしのぶを殺した鬼が同一で、そして目の前にいることに強い怒りと憎しみを抱き、闘志を燃やします。
その時、しのぶの身体を吸収した童磨に毒が回り始め、カナヲと二人で協力し、童磨の頸を斬り、討伐することができました。
悲願の童磨の討伐を、カナヲと共にやり遂げた伊之助はその場で喜ぶ様子を見せますが…。
母に愛された記憶を思い出した伊之助は、そのあたたかな感覚をも思い出し、涙が止まりません。
母親なんかいないと思っていた伊之助は、自分の命よりも大切に育てられていた事実をこんな形で知ることになるとは、辛すぎますね。
ここまで見てくると、伊之助には何度となく奇跡が重なり、命が繋がれていったことがわかります。
最初は、大切に育てていた母・琴葉にやむなく崖から落とされて、命を落とさなかったこと。
その後、母猪に見つけてもらい、育ててもらったこと。
たかはるの祖父が伊之助をとても可愛がってくれ、言葉や人としてのことをも、この家族が教えてくれたこと。
自然界のことは猪から、人間界のことはたかはる家族から教えてもらった伊之助。
そして、何より短い期間ではあったものの、愛情たっぷりに大切に育ててくれた母・琴葉がいたこと。
その全てが今に繋がり、伊之助の大切な命が守られてきたのでしょう。
まとめ
今回は、育ての親・生みの親などを通して、伊之助の過去の生い立ちについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
まとめると
- 伊之助の育ての親は猪で、伊之助の猪頭は母猪の形見だった
- 言語や人としての在り方についてはたかはるの祖父に、乱暴な言動はたかはるに学んでしまった
- 生みの母・琴葉は伊之助の命を守るためにやむなく崖から落とし、自らは童磨に殺された
- 琴葉は愛情たっぷりに伊之助を育てていた
- たくさんの奇跡が重なり、伊之助の命は繋がれてきた
猪に育てられた野生児・伊之助の繊細過ぎる悲話がとても辛すぎますが、大切に愛されて育てられた記憶は、いつまでも伊之助の心の支えとなっていくと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
引き続き、鬼滅の刃をお楽しみください。
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