最終決戦では鬼殺隊が一丸となり、なんとか日の出と共に無惨を倒すことに成功します。
しかし、無惨は最後に自分の力を全て炭治郎へと注ぎ、そのせいで炭治郎は鬼化。
鬼となった炭治郎は自我を保つことが出来ず、側にいる隊士や隠たちに襲い掛かります。
そして共に戦ってきた伊之助にさえ襲い掛かろうとします。
伊之助は過去に炭治郎とした約束を守ろうと、一度は鬼となった炭治郎の首を斬ろうとしましたが、結局首を斬ることはできませんでした。
あんなに勝負事が好きで野性的な伊之助が首を斬れなかったのは、何故でしょうか?
今回の記事では、伊之助が鬼化した炭治郎を斬れなかった理由について解説していきます。
・伊之助が鬼化した炭治郎を斬れなかった理由って?
・伊之助以外の人は炭治郎を斬れたの?
・鬼化した炭治郎を伊之助が斬れなかった話は何話?
このようなことが気になる人は、是非この記事を読んでみてくださいね!
嘴平伊之助が鬼化した炭治郎を斬れなかった理由
伊之助と言えば、炭治郎や善逸と比べるとかなり好戦的であるイメージがありますよね。
出会った時も女の子を踏みつけにしながら勝負を挑むという、人間としてあるまじき行動をしていました。
無限城で上弦の弐の童磨を見つけた時もようやく鬼と勝負ができると興奮した様子だったので、好戦的であるのは変わっていないでしょう。
そんな好戦的な伊之助が、鬼化した炭治郎を斬ることが出来なかった理由とは一体何でしょうか?
理由について考察していこうと思います。
炭治郎は初めてできた仲間だったから
一番の理由は、ずばり伊之助にとって炭治郎は初めてできた仲間だったからではないでしょうか。
伊之助は赤ん坊のときに、鬼から逃げるために母親に崖から落とされているため、親や兄弟がいませんでした。
山で猪に育てられたのち、山のふもとの民家で青年とその祖父から言葉を教えてもらい話すことはできるようになったものの、人間の生活が出来ずに山で暮らしていたのです。
そんな時に鬼殺隊の存在を知り、初めは強い生き物と戦いたいという欲求だけで鬼殺隊に入りますが、そこで炭治郎たちと出会いました。
はじめは炭治郎のことを毛嫌いしており、炭治郎との共闘も嫌々でした。
しかしいつの間にか心を許し、背中を預けて戦えるほど炭治郎たちを信頼するようになりました。
伊之助にとって炭治郎は、仲間と呼べる初めての人物で、かけがえのない存在だったに違いありません。
生まれて初めてできた大切な人を殺すことが出来なかったのでしょう。
最終決戦前に、伊之助は炭治郎と善逸とある約束をしていました。それは、「誰かが道を踏み外しそうになったら皆で止めよう」というものでした。伊之助は一度はその言葉を思い出し斬る決心をしますが、炭治郎の優しい笑顔を思い出し、斬ることが出来ませんでした…。
伊之助の心の成長を描くため
伊之助は、鬼滅の刃の登場人物の中で常識が通用しないキャラクターです。
ですが伊之助は炭治郎たちと出会い、色々な人と関係を築くことで、人として大きく成長していきました。
その成長がはっきりと分かったのが、今回の鬼化した炭治郎を斬れないシーンです。
伊之助は炭治郎と出会った時は、亡くなった人を埋葬すると言った考えが理解できず、炭治郎に勝負を挑んでいました。
もし伊之助が鬼殺隊に入っても同じ考え方のままだったら、炭治郎が鬼になっても力比べができると喜んで、容赦なく首を斬っていたでしょう。
伊之助の心の成長をはっきりと描くためにも、伊之助が炭治郎を斬ることが出来ないという結果につながったのではないでしょうか。
また、伊之助の心が成熟していたら炭治郎を斬っていたと考えられるので、まだ大人にはなり切っていないと言えます。
禰豆子のように人間を襲わない存在になると考えた可能性も
禰豆子のように炭治郎も鬼化しても大人しくなるのでは?という可能性が伊之助の中に浮かんだ可能性もあります。
始めは禰豆子を鬼だからという理由で問答無用で斬りかかった伊之助でしたが、いつの間にか自分の子分として禰豆子をかわいがるようになっていた伊之助。
炭治郎と禰豆子は兄妹のため、もしかしたらしばらく鬼として暴れても、禰豆子のように人を襲わない鬼になるという期待をしたのかもしれません。
鬼化した炭治郎に向かい、刀を向けるのではなく素手で炭治郎を叩き、元の炭治郎に戻れと呼びかけているシーンもあります。禰豆子に使った鬼を人間に戻す薬のことも知っているはずなので、殺さずに生きたまま拘束して、その薬を使って人間に戻そうとも考えていたのかもしれません。
義勇、善逸なら首を斬っていた?
炭治郎が鬼化した時、無惨との戦いの後だったのであの場に動ける隊士はほとんどいませんでした。
その中でもいち早く動いたのは、水柱の義勇と善逸、伊之助の3人です。
風柱の不死川は意識を失っていたため、柱で動けたのは片腕を失ってしまった義勇のみでした。
伊之助は首を斬ることが出来ませんでしたが、もし炭治郎が襲い掛かったのが義勇や善逸だったら炭治郎を斬っていたのでしょうか?
義勇は斬っていた可能性が高い
もし義勇が刀を振れる状態であった場合、炭治郎の首を斬っていたでしょう。
炭治郎が鬼化したと分かると、義勇はすぐさま周りに炭治郎が鬼化したことを伝えています。
そしてすぐに炭治郎を太陽で焼き殺すように指示を出しました。
炭治郎が鬼にされた
©吾峠呼世晴/集英社 コミック23巻
太陽の下に固定して焼き殺す
人を殺す前に炭治郎を殺せ!!
指示を出した後、義勇は自ら動き、日陰に逃げようとする炭治郎を日輪刀で動けなくして焼き殺そうとしていました。
このことから、もし炭治郎を斬れるチャンスがあれば義勇は炭治郎を斬っていたでしょう。
炭治郎を人殺しにさせないため
一見容赦ない行動に見えますが、炭治郎を焼き殺そうとしてのは炭治郎に人を殺させないようにするためです。
義勇は自分の弟弟子として信頼しており、炭治郎を人を殺した鬼という存在にしたくなかったのでしょう。
炭治郎を焼き殺そうとしている時も、静かに涙を流していました。
一瞬遅れたら間違いなく隠を殺していた
©吾峠呼世晴/集英社 コミック23巻
頼むこのまま 炭治郎のまま 死んでくれ…!!
炭治郎は自分が鬼になったら、必ず誰かが自分の首を斬ってくれると信じていましたが、義勇は炭治郎が考えていることを理解していたからこそ、炭治郎を殺そうとしたのでしょう。
善逸も斬る覚悟はできていた
次に善逸ですが、おそらく善逸も炭治郎を斬る覚悟はできていたと思います。
善逸も伊之助と境遇が似ており、炭治郎が初めてできた仲間と呼べる存在でした。
しかし、善逸には伊之助とは違うところがあります。
それは、鬼となった兄弟子の首を斬っているということです。
この経験から、善逸が炭治郎を斬ることに躊躇してしまうかもしれませんが、斬る覚悟はあったと思います。
禰豆子のために炭治郎を斬っていたかもしれない
善逸は無限城で自ら望んで鬼となった兄弟子と戦っており、首を斬っています。
首を斬るということを決意したのは、兄弟子が鬼となったことで自分の師が責任を取るため、自刃して亡くなったのが理由です。
善逸は身内が鬼となった時に、大切な人が責任を取って死んでしまうということを誰よりも知っています。
もし炭治郎が鬼となり、人を殺してしまったら炭治郎の唯一の家族である禰豆子が責任を取ることになるかもしれません。
善逸はそれを避けるため、炭治郎を人殺しにさせないためにも首を斬る覚悟はできたんじゃないかなと考えます。
伊之助が鬼化した炭治郎を斬れなかったのは何話?
伊之助が鬼化した炭治郎を斬れなかったのは、23巻の201話、「鬼の王」に描かれています。
無惨の自分勝手な想いを託された炭治郎は、無惨の血を注がれて鬼となってしまったのです。
炭治郎なら禰豆子のように人を襲わないのでは?と期待しまいたが、その願いはかなわず、腕を再生された後に側にいた隠に攻撃します。
何とか義勇が助けに入り、義勇は炭治郎が鬼になったことをすぐに理解し、周りの動ける人々鬼になった炭治郎を殺すように叫びます。
義勇自らも日輪刀で炭治郎の動きを止め、陽光で焼き殺そうとしますが炭治郎の陽光焼けは止まってしまいました。
無惨の予想通り、炭治郎は瞬時に太陽を克服することが出来たのです。
陽光焼けが止まると、炭治郎は義勇を殺そうと攻撃を仕掛けます。
すぐに伊之助が駆け付けますが、炭治郎の鬼化はどんどん進んでいきました。
そしてついに炭治郎は仲間であり、兄弟のような存在である伊之助に襲い掛かったのです。
伊之助は過去の約束を通り炭治郎の首を斬ろうとしますが、炭治郎の笑顔を思い出してしまい、首を斬ることが出来ませんでした。
まとめ
伊之助が鬼化した炭治郎を斬れなかった理由について考察しました。まとめると…
・伊之助にとって炭治郎が初めてできた人間の仲間だったから
・伊之助の心が人として成長していたから
・禰豆子のように人を襲わない鬼になるかもと思ったから
・鬼化した炭治郎を斬れなかった話は201話、「鬼の王」
一度は首を斬って止めると決意した伊之助が、炭治郎の笑顔を思い出して首を斬ることが出来なかったシーンは本当に辛かったです…。
伊之助が人として成長していているからこそ、できないことが増えたというのが切なく描かれていました。
かなり重要なシーンなので、アニメでどんな風に描かれるのかが楽しみです。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
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