嘴平伊之助と栗花落カナヲが挑んだ上弦の弐・童磨戦!目的は共に「家族の仇討ち」、その結末とは?

嘴平伊之助(はしびら いのすけ)
©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

嘴平伊之助と栗花落カナヲは、共に『鬼滅の刃』の主人公・竈門炭治郎と鬼殺隊の同期で、更に「幼いときに家族と離ればなれになった」という共通点もあります。

そしてそのことが『上弦の弐・童磨』と深く関わることになっていきます。

この二人の過去と上弦の弐・童磨とは、どんな繋がりがあったのでしょうか。

そして戦いの結末はどのようなものだったのでしょうか

彼らの戦いは童磨戦の後半部分になりますが、前半の「胡蝶しのぶ vs 童磨」につきましては、こちらの記事をご覧ください。

また、彼らが戦った『上弦の弐・童磨』については、こちらで詳しく紹介しています。

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嘴平伊之助と栗花落カナヲの過去

まずは童磨に繋がっている二人の過去を、時系列でリストアップしてみます。

伊之助の過去

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
  • 母親は、暴力的な夫から逃げるために、伊之助を連れて家を出た
  • 母親の逃げ込んだ先が、童磨が教祖をしている寺院だった
  • 母親は童磨に殺されるが、その直前に赤ん坊の伊之助を山に逃がしていた
  • 親を失った伊之助を育ててくれたのは野生のイノシシ

カナヲの過去

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
  • 親から虐待を受けていて、自分の心身を守るため、無意識に感情に蓋をしてしまった
  • 家が貧しかったため、売りに出されてしまう
  • 売られていく途中で、胡蝶カナエ・しのぶ姉妹に出会い、引き取られる
  • カナエが童磨に殺されてしまう

栗花落カナヲにとって、童磨は『姉の仇』

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第17巻

カナヲは、しのぶの壮大な『仇討ち計画』を知っていた

胡蝶しのぶの継子であるカナヲは、胡蝶カナエの仇である鬼の倒し方について、あらかじめしのぶから聞かされていました。

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第19巻

しのぶは姉の仇討ちを成し遂げるため、自分の体を毒で冒し、体ごと鬼に取り込ませるという壮大な計画を立てていたのです。

つまり、しのぶの命を犠牲にするということです

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第19巻

それはカナヲにとってはとても辛いことでしたが、しのぶの強い想いを理解し、自分もやり遂げることを決意します。

しのぶの死を無駄にしないために

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第17巻

目の前でしのぶを殺され、一度は激高したカナヲでしたが、しのぶが自分に託してくれたことをやり遂げるために、必死で自分を抑えます。

ここでやみくもに童磨に戦いを挑み、その結果自分が殺されてしまったら、しのぶの想いを遂げさせることができなくなってしまうからです。

童磨の特徴についても聞かされていたカナヲ

戦いの途中、上弦の参・猗窩座(あかざ)が鬼殺隊に倒されたことを知り、悲しんでいる素振りを見せた童磨でしたが、それが全く心を伴わないものであったことをカナヲは知っていました。

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第18巻

童磨が真顔になった珍しい場面

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第18巻

これまでどんな会話でも笑って受け流してきた童磨でしたが、このカナヲの挑発のときだけは、珍しく顔色を変えています。

そして無表情のまま、何の前触れもなくいきなり鋭い扇でカナヲを攻撃。

しかし、カナヲはその攻撃を瞬時に避けています。

カナヲが優れているのは「眼力」

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第18巻

カナヲの反射速度と身体能力の高さは、童磨も目を見張るほどでした。

童磨
童磨

この娘、ややもすると、今喰った柱の娘(胡蝶しのぶ)より実力があるのかも知れない。

そして身体能力以上に優れていたのが「眼力」でした。

常人では見えないようなわずかな動きで次の動作を予測し、体が反応していたのです。

それに気づいた童磨はカナヲの目を狙ってきますが、カナヲはそれもかわしています。

そんなカナヲも、ギリギリの状態で戦っていた

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第18巻

一方のカナヲも、童磨のとてつもない強さを目の当たりにし、普通の精神状態ではとても立ち向かえる相手ではないことを感じ取っていました。

しかし、目の前にいるのは、過去にカナエを殺し、今またしのぶも殺した憎い鬼。

カナヲが初めて感じた「強い憎悪」が、童磨に立ち向かっていく力になったのです。

氷で攻撃する童磨の血鬼術

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第18巻

童磨の血鬼術は、触れたり吸ったりしてしまうと体が凍るものや、鋭い氷を上から落として攻撃してきたりするものでした。

カナヲは血気術を警戒するあまり、だんだん童磨から離れていってしまい、更には一瞬の隙に日輪刀まで奪われて、追い詰められます。

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第18巻

そこに突如飛び込んできたのが伊之助でした。

嘴平伊之助にとって、童磨は『母の仇』

伊之助は最初、目の前にいる鬼が自分の母親の仇だということを知りませんでした。

鎹鴉(かすがいがら)に「いちばん強い鬼のところに案内しろ」と命じ、連れて来られたのが童磨のところだったのです。

伊之助の母親は童磨のお気に入りだった

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第18巻

伊之助の素顔が、かつて自分のお気に入りだった琴葉(ことは・伊之助の母親の名前)と瓜二つだったことで、その息子だと気付いた童磨。

童磨
童磨

イノシシの頭が気になったから取ってみたら、意外な顔が出てきたんだよねぇ。

話好きの童磨は、伊之助に琴葉のことを詳細に語り始めます。

  • 夫から暴力を受けていた女の子が、赤ん坊を抱いて自分のところに逃げ込んできた
  • 顔にもひどい怪我を負っていたので手当てをしてあげた。綺麗な顔の子だった
  • 赤ん坊にはよく「指切りげんまん」の歌をうたっていた。

童磨が琴葉のことを語るシーンは、伊之助自身にとってもずっと謎だった自分の過去母親のことが明らかになるところで、物語の中でもとても重要な場面となります。

琴葉には知られたくなかった自分の正体

童磨は、琴葉のことを「寿命が尽きるまで食べないつもりだった」と言っていました。

童磨
童磨

心の綺麗な人が傍にいると心地いいからね。

ところが、琴葉は童磨が人喰い鬼であることに気付いてしまい、伊之助を連れて逃げ出します。

しかし、崖の上まで追い詰められ、伊之助だけはなんとか逃がしますが、母親の琴葉は殺されてしまったのです。

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第18巻

思いもよらぬ形で自分の過去を知ることになった伊之助。

この童磨との戦いは「強い鬼と戦う楽しみ」ではなく自分を愛してくれた母親の仇討ち」になったのです。

伊之助が優れているのは「肌感覚」

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第19巻

カナヲは目の良さで童磨の血気術をかわしていますが、伊之助は鋭い肌感覚によってかわしていました。

しかし、カナヲも伊之助も、童磨の攻撃をギリギリ回避するのがやっとで、全く歯が立たない状態でした。

戦いの途中、その場を離れようとする童磨

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第19巻

童磨は血気術の御子(みこ)にカナヲと伊之助の相手を任せ、自分はその場を立ち去ろうとします。

おそらく、猗窩座が倒されて強い鬼がひとり減ってしまったことで、童磨が『柱』を倒しに行かなければならなくなったのでしょう。

つまり、カナヲと伊之助は、童磨に「自分が直接手を下すまでもない相手」だと判断されたことになります。

ついに効果が表れた「しのぶの毒」

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第19巻

童磨がこの場を去ろうとしたそのとき、異変が起こります。

しのぶの体いっぱいに回っていた藤の花の毒が、しのぶを吸収した童磨に効き始めたのです。

カナヲは、童磨にひたすら向かっていく伊之助をなだめながら、このときが来るのを待っていました。

必ず私が鬼を弱らせるから、カナヲが頸を斬ってとどめを刺してね。

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第19巻

失明覚悟の『花の呼吸・終ノ型・彼岸朱眼(ひがんしゅがん)』

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第19巻

童磨は最後の抵抗ともいうべき反撃に出ますが、明らかに勢いも精度も落ちていることをカナヲは見抜きます

そして、カナヲの眼力を最大限に使う型で決着をつけようとしました。

これを使うと失明してしまう可能性が高いので、決戦の最後にしか使えない技でした。でも、このときがその「最後」だと思い、勝負に出たのです。

しかし、渾身の力で童磨の頸に刃をふるうも、童磨の血気術はカナヲの腕を凍らせ、動きを封じようとします。

『獣の呼吸・思いつきの投げ裂き』

腕が動かなくなったカナヲに伊之助が応戦します。

とは言っても、伊之助は体を固定されてしまっていたので、その場を動くことができません。

しかし、そこは頭の回転の早い伊之助、とっさに技を放ちます

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第19巻

伊之助の2本の刀がカナヲの刀を後押しし、童磨の頸を斬って倒すことができたのでした。

それぞれの「家族」に思いを馳せる

「姉たち」の仇を討ったカナヲ

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

胡蝶姉妹に引き取られたときは感情に乏しかったカナヲ。

しかし、新しい「家族」や仲間と過ごすうちに少しずつ感情を取り戻し、持ち前の身体能力を活かして立派な鬼殺隊員となりました。

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第19巻

カナエもしのぶも、大きく成長した『妹』を、頼もしく誇りに思ったことでしょう。

母親の仇を討った伊之助

伊之助も、自分の母親を殺した童磨を倒し、見事に仇を討ちました。

また、童磨と出逢ったことで、全く覚えていなかった自分の過去を知ることもできました。

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第19巻

「自分は親に捨てられた」と思い込んでいた伊之助にとって、母親に深く愛されていたことを知ることができたのは、悲しい過去の中でもせめてもの救いだったのではないでしょうか。

まとめ

カナヲと伊之助は、幼少期に家族に恵まれなかった過去を持っています。

そんな二人が力を合わせ、しのぶの強い思いとともに一緒に成し遂げた「家族の仇討ち」。

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第19巻

上弦の弐・童磨戦は、かつては「仲間」というものの大切さが理解できないでいた二人の、大きな心の成長を感じられた戦いでもありました

なお、童磨戦の前半、胡蝶しのぶの戦いはこちらの記事で詳しく紹介しています。

また、「カナヲの過去と胡蝶姉妹との関係」、そして「伊之助の過去および母親と童磨の関係」については、それぞれこちらで詳しく解説されていますので、是非ご覧ください。

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