竈門禰豆子はなぜ幼い子供のような状態なの?鬼舞辻無惨もなし得なかった驚きの事実とは?※

竈門禰豆子(かまど ねずこ)
©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

『鬼滅の刃』のヒロイン竈門禰豆子の設定年齢は14歳です。

しかし、鬼になってからの禰豆子は、体の大きさも精神状態も、もっとずっと幼いように見えることが多いですよね。

実はそのとき体の中では、おそらく禰豆子自身も無自覚のまま「あること」が進行していたのです。

あの鬼舞辻無惨でさえなし得なかった、その「あること」とは、一体何だったのでしょうか

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竈門禰豆子が幼い姿をしているのは、無惨も切望した「太陽克服」のため

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第15巻

他の変化を犠牲にしてでも最優先したかった「太陽の克服」

禰豆子が太陽を克服することを予言していたのは誰?

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禰豆子が近いうちに太陽を克服することを予言していたのは医者の珠世さんです。

炭治郎と禰豆子が浅草で出会った珠世さんと愈史郎は、鬼舞辻無惨を憎んでいる「人間の味方の鬼」でした。

「禰豆子を人間に戻したい」と願う炭治郎は、珠世さんに提供をお願いされた「禰豆子の血」と「(できるだけ強い)鬼の血」を送り続け、珠世さんはその血を調べて「鬼を人間に戻す薬」の開発を進めていたのです。

珠世さんが気づいた禰豆子の血の変化

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第15巻

珠世さんは、炭治郎が提供してくれる禰豆子の血に何度も変化が起こっていることに気づいていました。

にもかかわらず、禰豆子自身は自我を取り戻すでもなく、言葉を話すようになるでもなく、戦っているとき以外は依然として幼子のような状態だったのです。

血は確実に変化しているのに禰豆子の状態は変化していない、この矛盾を考えたとき、珠世さんは「自我を取り戻すよりも重要で優先すべきことが、禰豆子さんの中で進行しているのではないか」、そう思ったのでした。

「太陽の克服」それが禰豆子にとっての最優先事項

太陽の克服は、鬼舞辻無惨が切望しながら1000年以上なし得ていないことでした。

また、自分の体をいじって無惨の支配を外し、愈史郎を鬼にすることに成功した医者の珠世さんでさえ、足を踏み入れられないでいた領域だったのです。

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禰豆子は兄の炭治郎や他の鬼殺隊員たちに守られていて、必要な(戦う)ときは自分の力で体を変化させることができますので、幼子のような状態を変えることへの優先度は低かったのだと思われます。

それよりも、自分自身でなんとかする以外に方法がなかった「太陽の克服」、そこへ自分の内なるエネルギーを注ぎ込んでいるのではないか、珠世さんはそう考えたのです。

禰豆子が太陽を克服したことを知った無惨の反応

初めて部下を本気で褒めた

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第15巻

無惨が部下を本気で褒めたのはこの場面だけでした。

まあ褒められても半天狗はすでに死んでしまっていましたが。

それ以外の場面では、褒めているように見えても、実は自分の都合の良いように働いてもらうための「口八丁」でしかありませんでしたからね。

全ては「自分が永遠に生き続けるため『だけ』」だった

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第15巻

「増やしたくもない同類を増やし続けた」、つまり、自分が太陽を克服する方法を見つけるためだけに、人間を殺したり鬼にしたりしていた、ということですね。

「鬼となって私と永遠に生き続けよう」などという、猗窩座っぽい感情は一切なく、自分だけが生きていられれば、他の鬼や人間はどうなっても良かったのです。

禰豆子を取り込むために立てた計画

無惨は禰豆子を自分の体に取り込めば、太陽を克服した完全体になれると踏み、それに向けた計画を実行し始めます。

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第16巻

それは、部下の鳴女(なきめ)に鬼殺隊士と禰豆子の居場所、そして鬼殺隊本部である産屋敷邸の場所を探らせ、鬼殺隊を全滅させることでした。

そして鳴女は禰豆子を見つけるよりも先に産屋敷邸の場所を突き止め、無惨がそこへ向かったことで、鬼殺隊と無惨(+上弦の鬼たち)による無限城での戦いが始まったのです。

結果的に、無惨は禰豆子を取り込むことができませんでしたが、もし禰豆子を吸収できていたとして、果たしてそれが「太陽の克服」に繋がったかどうかは謎ですね。

体の大きさを変えることができた禰豆子

鬼になってからの禰豆子は、自分の意思で大きくなったり小さくなったりしています。

ここでは、禰豆子がどのような状況のときにどんな大きさでいるのか、見ていきましょう。

小さい禰豆子

籠の中

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

禰豆子が最初に体を小さくしたのは、兄・炭治郎が作った籠に入るときでした。

このときは、兄と行動を共にするための一時的な策(?)に過ぎなかったと思われます。

しかし、このとき炭治郎に「えらいえらい、いい子だ禰豆子」と褒められたのが嬉しかったのか、必要なとき以外は幼い姿のままでいることが多くなりました

それに小さい方が体重も軽くなり、背負ってくれる炭治郎への負荷も少なくなりますしね。

箱の中

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

この箱は、炭治郎の師匠の鱗滝さんが作ってくれたものです。

軽くて丈夫で遮光も効いており、炭治郎と禰豆子にとっては、なくてはならないものでした。

そして禰豆子もこの箱がとてもお気に入りだったようです。

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第6巻

ピンチで小さくなった那田蜘蛛山

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

禰豆子は通常、ピンチの時は戦うために大きくなりますが、このときは通常の大きさから小さくなっています。

この場面で禰豆子がカナヲと戦わずにひたすら逃げていたのは、炭治郎から「逃げろ!」と言われたからなのでしょう。

そして禰豆子自身が「人間と戦う意志がなかった」ということもあるかもしれません。

兄・炭治郎に甘えたかった無限列車

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

箱から出た状態ですが、戦うために出てきたわけではなかったので、小さいままです。

兄の炭治郎に頭をなでてもらいたくて起こそうとしますが、下弦の壱・魘夢(えんむ)の血鬼術で眠らされている炭治郎は起きてくれません。

怒った禰豆子は自分の血鬼術を発動し、それが炭治郎を覚醒させるきっかけになっています。

無限列車編では、炭治郎の夢からの覚醒が最大のポイントとなりますので、禰豆子のとった行動は、とても大きな意味のあることになりましたね。

いちばん小さかったのは刀鍛冶の里?

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第12巻

この場面の禰豆子は、籠や箱に入っているときよりも、さらに幼く見えます。

恋柱・甘露寺蜜璃は禰豆子のことをとても可愛がってくれていて、禰豆子もそれが嬉しくて、いつもよりも幼い姿で甘えているのかも知れません。

普通の禰豆子

禰豆子は、鱗滝さんにこんな暗示をかけられていました。

「人間は皆お前の家族だ。人間を守れ、鬼は敵だ。人を傷付ける鬼を許すな」

そして炭治郎ひとりではかなわない相手だった場合、元の大きさの体になって炭治郎と一緒に戦うのです。

炭治郎の初任務

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

炭治郎が鬼殺隊に入ってからの初任務だった「沼の鬼」との戦いのとき、禰豆子は炭治郎を助けるために箱から出てきました。

このときの炭治郎は、鬼になった禰豆子の力についてまだ半信半疑でしたが、この戦いにより、「禰豆子は人間を守るために戦える強さを持っている」ということを知ったのです。

浅草での戦い

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

浅草では2体の鬼に襲われ、炭治郎と禰豆子はそれぞれ別の鬼と戦うことになりました。

しかし、その2体の鬼は先に戦った「沼の鬼」よりもはるかに強く、大苦戦を強いられます。

この浅草で出会った鬼、珠世さんと愈史郎の助けもあり、なんとか勝つことはできましたが、その先もさらなる困難が待ち受けているであろうことを感じさせる戦いでもありました

無限列車での戦い

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

無限列車で戦ったのは、「十二鬼月の下弦の壱」という強敵でした。

このとき炭治郎は禰豆子のそばにはいませんでしたが、目の前で人間たちが襲われそうになるのを見て、自分の意志で戦闘モードになっています

そしてその実力は、煉獄さんが8両編成の列車のうち3両を禰豆子と善逸の二人に任せていることからもわかるように、「十分に戦力になる」と思ってもらえたほどでした。

大きい禰豆子

鬼になった直後の雪山

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第1巻

ここは唯一、人間に対抗するために大きくなった場面です。

それは禰豆子本人の意思ではなく、鬼の本能によるものだったと言えるでしょう。

しかし、こんな状態になってしまった自分にも、兄の炭治郎は変わらぬ愛情を注いでくれました。

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

それを感じた瞬間から、禰豆子には他の鬼とは違う変化が起こっていたのかもしれませんね。

遊郭

遊郭での禰豆子は、これまでの姿とは全く変わってしまいます。

最初は炭治郎を助けようと思って箱から出てきたのだと思いますが、そのとき戦っていた『上弦の陸・堕姫(だき)』のあまりの残虐さに、禰豆子の戦闘モードは頂点・・・どころか、それを突き抜けて鬼化がさらに進んだ状態になりました。

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第11巻

頭から角が生えていて、体は「少女」というより「女性」で、人間のときよりも明らかに大人びていますね。

更に鬼の紋様である痣まで発現していて、この状態の禰豆子は結構危険です

禰豆子の勇気が奇跡を起こした「刀鍛冶の里」

刀鍛冶の里での戦闘モードの禰豆子は、遊郭の時と同じような姿になっていますが、炭治郎に「その姿になるな!」と叱られてからは、かなり自制が効くようになりました。

しかし相手は『上弦の肆』という難敵なので、なかなかとどめを刺すことができません。

守るべきは「人間」か「禰豆子」か

炭治郎は、上弦の肆に襲われそうになっている人間を助けるか、それとも太陽の光にさらされている禰豆子を助けるか、決断ができないでいました。

鬼殺隊員ならば、鬼の禰豆子よりも人間を助けなければなりません。

しかし、炭治郎が鬼殺隊に入ったのは禰豆子を人間に戻すためで、その禰豆子を死なせてしまったら意味がないのも確かです。

決断したのは禰豆子

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第15巻

禰豆子は、決断できない炭治郎を大きく蹴り飛ばし、自分から離しています。

それは「私のことはいいから人間を助けて」という禰豆子の心の叫びでもありました。

しかし、禰豆子のこの行動は、運命を思わぬ方向へと導くことになったのです。

人間を助けたときに起こっていたこと

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第15巻

『上弦の肆・半天狗』の頸を斬って倒した炭治郎は、刀鍛冶たちを守ることができました。

しかし、禰豆子を陽光の下に置き去りにしてしまい、守れなかったことに涙します。

ところが、そんな炭治郎の前に思いがけない人物が現れたのです。

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第15巻

それは、太陽の下を歩く禰豆子でした。

禰豆子自身にとっても計算外だった事態

禰豆子は、自分が太陽を克服できることを知っていて、あのような行動を取ったのでしょうか?

いや、そうではないはず、炭治郎を蹴り飛ばしたあの瞬間、禰豆子は自分の死を意識したと思います。

しかし、無自覚ながらも(?)「自我を取り戻すよりも優先してきたこと」がここでようやく花開いたのでした。

副産物

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第15巻

太陽を克服した禰豆子には「言葉を話せるようになっていた」という副産物がありました。

ただ、言葉を覚えたての幼子のような状態ではありましたが。

また、人間に戻ったわけではないので、自分の状況はよく理解できていなかったようです。

それでも、炭治郎や共に戦った仲間のことは、なんとなくわかっていたのでしょうね。

©吾峠呼世晴/集英社 コミック第16巻

まとめ

原作では、珠世さんが禰豆子の「太陽克服」を予言するセリフは、禰豆子が太陽の下を歩いているシーンの直後に出てきます。

それまで太陽克服を匂わせるようなシーンやセリフは一切出てきていませんでしたので、禰豆子が炭治郎を蹴り飛ばし、炭治郎が禰豆子を犠牲にしてしまったことに涙している段階では、ファンも「ああ、禰豆子・・・」と、炭治郎と同じ気持ちだったでしょう。

そこからの、あの「太陽の下を禰豆子が歩いている姿」。

これは「伏線回収」の逆、「敢えて伏線を全く張らない」手法でしたね、やられました。

禰豆子が鬼になってからも理性を保っていられたのは、炭治郎の深い愛情によるところが大きかったと思いますが、この「禰豆子の太陽克服」は、禰豆子自身も強い信念を持っていた、ということがよくわかるシーンでしたね。

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