魅力的なものにキュンとする乙女心に可愛らしいビジュアル、そして並外れた筋力と柔軟性を併せ持つ女性剣士、恋柱・甘露寺蜜璃。
特徴的な髪色は、好物の桜餅を食べ過ぎたせいという謎めいた一面も…。
そんな彼女は一体どんな生涯を送ったのでしょうか。
今回は、恋柱・甘露寺蜜璃の生涯について、解説していきたいと思います。
恋柱・甘露寺蜜璃の生涯
1歳2カ月にして15kgの漬物石を持ち上げる
彼女は特殊な肉体を持つ人物である
筋肉の密度が常人の八倍ある
©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第14巻 第123話
弟を身籠っていた母の為に、15kgもの漬物石を持ち上げた蜜璃。
筋力の凄さももちろん伝わってきますが、たった1歳2カ月にして、既に、人のためにその筋力を使って喜んでもらいたいという思いを幼少の頃から持ち合わせていたと考えられます。
17歳にして、お見合いが破談
蜜璃の特徴の一つでもある、相撲取り3人よりも食べる大喰いや、1日百七十個の桜餅を八カ月食べ続けたことによる桜餅色に変化した髪色が理由となり、お見合いが破談。
17歳だった蜜璃はこのお見合い以降、自分の特徴を隠すように…。
髪を黒く染め、大喰いを隠し、力も弱い振りをしていると蜜璃と結婚したいという男性が現れます。
蜜璃は、念願の結婚を目の前に、本当の自分を偽って生きていくことに疑問を感じました。
自分の欠点とされた大喰いや力の強さや髪色などの個性を受け入れて、役に立てる場所があるのではと違和感を感じた蜜璃。
この頃にはすでに、自分には他の人にはない使命があることを感じていたからの違和感だったと考えられます。
鬼殺隊に入隊し、お館様に認められ、自分の居場所を見つける
鬼殺隊に入隊した蜜璃は、お館様に自分の強さを誇るように諭され、ようやく自分の心の拠り所を見つけることができました。
力が強すぎることで、”人間じゃない”や“気味が悪い”などと言われ傷ついてきた蜜璃。
しかし、自分の能力を発揮し、人を救ったり認めてもらったりすることで更なる力が湧いてくることを感じます。
劣等感やコンプレックスを長所に変え、少しづつ自信を取り戻していきました。
驚愕の理由で鬼滅隊に入隊
蜜璃の鬼殺隊入隊の理由、それはまさかの『添い遂げる殿方を見つけるため』です。
これは冗談でもふざけている訳でも何でもなく、乙女な感覚を持つ年頃の蜜璃にとっては本気の真剣な目標でした。
人並外れた筋力と膂力を持つ蜜璃にとって、自分より強い男性や、蜜璃の強さを認めてくれる男性を探すことはかなり困難です。
鬼殺隊の厳しい鍛錬を潜り抜けている男性剣士なら、蜜璃の並外れた力強さも受け入れてくれる可能性が高いと考えたのでしょう。
この理由を聞いた炭治郎が思わず固まる位に驚愕の入隊理由ですが、素直で率直な蜜璃らしい発想です。
鍛錬と経験を重ね、柱となる
蜜璃は鬼殺隊入隊前から、当時甲だった煉獄杏寿郎に指南を受けていました。
鬼殺隊に向いていないのではと悩む蜜璃に対し、杏寿郎は”何より君には人を愛する心がある”と、弱き人を助けることは強く生まれた者の責務だという母の教えを伝え、励ましました。
そして、鬼から助けられた人に感謝をされ、鬼殺隊では柱として隊員の憧れの存在になり、自分の特徴も認められていきます。
蜜璃はわずか半年で最終選別を突破する実力を持っていたにも関わらず、なかなか自信が持てずにいました。
しかし、隊士としての経験を積むことで、自分らしくいられる場所で自分の力を発揮していくうちに、少しずつ自分自身を認めることができるようになっていきました。
入隊理由を遂行し、添い遂げる殿方を見つける
蜜璃は隊服をもらった当初は、素足にショートブーツを着用していました。
女性隊士の隊服のデザインは、最終選抜を突破した蜜璃に羽織をプレゼントした師範の煉獄杏寿郎も驚くほど露出度が高く、蜜璃に好意を持った蛇柱・伊黒小芭内は長い靴下をプレゼントしています。
好意を持つ女性の肌の露出を心配する小芭内の優しい気遣いに、蜜璃の男性に対する恐怖心も少しずつほぐれていったことでしょう。
伊黒さんと食べるご飯が一番美味しいの だって伊黒さんすごい優しい目で私のこと見ててくれるんだもん
©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第23巻 第200話
入隊前にはひた隠しにしようとしていた大喰いも、小芭内の前では素の自分で接している様子が描かれています。
そして、小芭内も蜜璃と一緒にいることでとても楽しく幸せだったと告白しています。
まさに相思相愛の関係、蜜璃が追い求めていた『添い遂げる殿方を見つける』ことは、完全に達成することができました。
本来の蜜璃の姿を素直に出すことができる環境で、蜜璃の明るさが仲間の心をも明るく照らし、小芭内にとっても特別な存在となっていったのではないでしょうか。
人を助けるために戦い続け、相思相愛の相手の胸の中で生涯を終える
上弦の肆・半天狗の分裂体・憎珀天との戦いの最中、蜜璃は痣を発現します。
その後、無限城での戦いでは、小芭内と行動を共にし、鬼の始祖・鬼舞辻無惨との激闘を繰り広げました。
無惨の触手による攻撃で負傷し、小芭内に隠の元に託されるも、再び仲間の危機に駆けつける蜜璃。
巨大な赤ん坊に変貌し抵抗した無惨も陽の光で塵となり、鬼殺隊全員が安堵の時を過ごす中、互いに致命傷を負った蜜璃と小芭内が寄り添う姿がありました。
蜜璃と小芭内は、迫りくる死を感じながらも、最期の時を過ごす中で、互いの素直な思いを告白し合い、さらに来世での約束を交わしました。
蜜璃の目標でもあった、添い遂げる殿方と思いが通じ結ばれると共に今生では別れざるを得ないという、何ともやるせない悲恋の結末となってしまいました。
しかし、好きな相手の胸の中で死を迎えられたことは、無限城での激闘や無惨の討伐を考えると奇跡に近い状況です。
悲恋を迎える二人の運命に対し、蜜璃と小芭内に与えられた束の間の精一杯の幸せが込められているシーンなのではないでしょうか。
まとめ
今回は、恋柱・甘露寺蜜璃の生涯について、解説しました。
まとめると
- 蜜璃は幼い時から、人のために筋力を使って喜んでもらいたいという思いを持っていた
- 見合いの破談によって自分を偽っていることに感じた違和感は、自分には使命があることを察していたから
- 鬼殺隊に入隊し、お館様に認められたことで劣等感を長所に変え、自信を取り戻していくことができた
- 蜜璃の入隊理由は、厳しい鍛錬を潜り抜けている男性剣士なら、蜜璃の力強さも受け入れてくれる可能性が高いと考えたから
- 本来の蜜璃の姿を素直に出すことができる環境だったからこそ、小芭内にとっても蜜璃は特別な存在となっていった
- 蜜璃の目標は達成されたが、今生では悲恋の結末となるも、二人に与えられた束の間の幸せが表現されている
人の魅力的な部分に瞬時にキュンと心ときめかせる明るい性格の蜜璃が、自分に自信が持てず、コンプレックスを抱えながら、自分の道を模索していたことは意外だと感じる人も多いのではないでしょうか。
一見悩みがなさそうに見える人でも、心の奥底には辛い過去やコンプレックスに悩む一面を持っている、どんな人でも悩みの一つや二つはあるものですね。
それに対しどのように向き合うのか、苦しみながらも逃げずに向き合って模索し続ければ、何らかの道が必ず開けてくる。
その経験の積み重ねが苦しみを乗り越える秘策なのではないかと蜜璃の生涯を通して考えさせられますね。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
引き続き鬼滅の刃をお楽しみください。
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