珠世によって鬼となった唯一の存在である愈史郎。
珠世と同様に鬼であるにも関わらず、少量の人間の血だけで飢餓を抑えることができます。
実年齢は35歳ですが、珠世のこととなると一回り以上歳が離れている炭治郎に対して大人げない態度を取るなど、少し子供っぽい一面も。
そんな珠世のことが大好きな愈史郎ですが、彼は生涯を珠世の願いを叶えるためにささげたと言っても過言ではありません。
今回の記事では、愈史郎の生涯について解説していこうと思います。
- 愈史郎が鬼になったのはなぜ?
- 珠世と愈史郎は結ばれたの?
- 愈史郎は最期まで生き残ることができたの?
などが気になった人は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。
愈史郎とは

愈史郎は珠世によって鬼となった唯一の存在であり、無惨の呪いの影響を受けません。
珠世は医者、愈史郎はその助手として普段は生活していて、金銭に余裕のない人たちから輸血として血を買い、飢餓を抑えています。
珠世のことを崇拝しているため、炭治郎が少しでも珠世に失礼な行動をした時には容赦なく殴ったり投げるといった行動を取ることも。(その後珠世に叱られていますが…。)
もちろん鬼であるため攻撃を受けても体を再生することができますが、太陽は克服できていません。
血鬼術・紙眼

愈史郎は血鬼術・紙眼(しかん)を使うことができます。
あまり戦闘には向かない血鬼術ですがサポートとしてはかなり優秀で、無限城戦では大活躍で愈史郎の血鬼術が無ければ、鬼殺隊は無惨に勝つことができなかったと言っても過言ではありません。
| 血鬼術を 可視化 | 相手が使う血鬼術を可視化する。呪符を使用することで一時的に愈史郎の視覚を借りることができる。炭治郎は愈史郎の視覚を借りたことで、矢琶羽の攻撃を見抜いた。 |
| 気配を消す | 人物や建物に呪符を張り付けると、相手から姿を見えなくすることができる。呪符を付けた者同士はお互いを認識することが可能。無惨戦では、善逸、伊之助、カナヲが気配を消して無惨に近づき、伊黒の窮地を救う。 |
| 視覚の共有 | 呪符を付けた者同士の視覚を共有することができる。無限城に呪符を付けた鴉を放つことで、無限城の外にいる産屋敷輝利哉たちに戦況を共有させることに成功し、輝利哉たちが戦いの指揮を執った。 |
珠世が鬼にした影響なのか、禰豆子と同じく鬼との戦いに特化した血鬼術にも見えます。
もし愈史郎の血鬼術が鬼側に渡っていたらと思うと恐ろしいですね…。
手先が器用
炭治郎は鬼と戦った後に、短刀を使って鬼の血を採取していますよね。
短刀を血に近づけるだけで採血ができる作りとなっていて、重傷を負った炭治郎でも簡単に血を取ることができていました。
実はこの短刀を作ったのは愈史郎なのです!
禰豆子を人間に戻すために、珠世は炭治郎に鬼舞辻に近い鬼の血の提供を求めています。
鬼の血を取るという事は珠世の研究の助けにもなるという事から、愈史郎は持ち前の器用さを生かして短刀を作り上げたのかもしれません。
珠世への異常な愛

自分を救ってくれた珠世を異常に崇拝している愈史郎。
珠世と2人きりの時間を邪魔されることを嫌い、はじめは炭治郎と禰豆子のことを敵視するほど。
これは愈史郎は珠世のことを崇拝しているだけではなく、珠世に恋心を抱いているからです。
なんと愈史郎は毎日「珠世日記」と言うものを付けていて、さらに日揮は分単位で書かれているため1日で7~10ページにもなるほどの異常な愛を感じます…。
しかし珠世を好きだからこそ、珠世が自分の子供と夫のことをずっと想っていることを知っていて想いを伝えることはありませんでした。
愈史郎の過去

珠世によって鬼となった愈史郎ですが、なぜ愈史郎は鬼となる道を選んだのでしょうか?
それは愈史郎の人間だった過去が大きく関係しています。
実は愈史郎は人間だった時に不治の病に罹っていて、そんな愈史郎の前に現れたのが珠世でした。
珠世は愈史郎の寿命があと僅かであることを感じ取り、愈史郎に鬼となって生きたいか尋ねたのです。
生きたいと思いますか?
©吾峠呼世晴/集英社 コミック3巻
本当に 人でなくなっても生きたいと
このまま…病で貴方は命を落とすでしょう
ですが人でなくなることは …つらく苦しい
無惨は相手の意思とは関係なく人を鬼にしていますが、珠世はあくまで相手の意思を尊重し、鬼になる前に必ず相手の意思を確認しています。
愈史郎は人でなくなる辛さよりも、鬼となって珠世と共に生きる道を選びました。
愈史郎の生涯

人間の時に不治の病となり、珠世と生きるために鬼となった愈史郎。
愈史郎にとって珠世は命の恩人であり、何よりも大切な人でした。
愈史郎の生涯は珠世への愛に溢れたものであり、その生涯について見ていきましょう。
炭治郎と禰豆子に出会う
珠世と共に浅草に身を潜めていた愈史郎でしたが、ある日無理矢理鬼化された男性を抑え込んでいる炭治郎と出会います。
鬼となった男性のことを炭治郎は「人」と呼んでいたこともあり、珠世は2人を助けたのです。
そして炭治郎から鬼となった禰豆子のことを聞き、珠世は炭治郎と協力関係を結ぶことに。
その後に無惨によって放たれてた̻刺客によってピンチを迎えますが、何とか刺客を倒すことに成功します。
珠世に危険が及ぶと感じた愈史郎は、炭治郎との協力関係に内心は反対していましたが、珠世が炭治郎と禰豆子を信頼したため、自身も同じように炭治郎たちに信用を置くようになりました。
産屋敷の提案で珠世と共に鬼殺隊に協力
その後は炭治郎が提供してくれる鬼の血や、禰豆子の血のおかげで珠世の研究はどんどん進んでいきます。
禰豆子の血のおかげで、浅草で鬼にされた男性も飢餓状態から解放され、自分の意思を取り戻しました。
そして禰豆子が太陽を克服したタイミングで、産屋敷耀哉の鎹鴉が愈史郎と珠世の前に現れたのです。
鬼殺隊の当主である産屋敷の使いが現れたことに敵意を露わにした愈史郎でしたが、耀哉からの提案は鬼舞辻無惨を倒すために鬼殺隊と協力してほしいというものでした。
鬼である自分たちを鬼殺隊の本拠地へ招き入れるというという事に動揺したものの、無惨を倒すために愈史郎は珠世の想いを尊重して協力を受け入れることにします。
研究ではしのぶと険悪な空気に
産屋敷邸で待っていたのは、鬼殺隊の柱で医師でもある胡蝶しのぶでした。
しのぶは薬学にも精通していて、藤の花から鬼を殺すことができる毒を開発しています。
産屋敷の提案を受け入れたものの、しのぶは家族を鬼に殺されているため鬼を嫌っており、愈史郎や珠世に憎悪を抱いていました。
そして愈史郎はそんなしのぶの気持ちを察知し、しのぶへ殺意を向けることもあったようです。
最後はしのぶも珠世のことを「人」として見れるようになりましたが、共同研究の時は愈史郎としのぶの相性は最悪でした。
無限城戦で一般隊士に紛れる

産屋敷邸に無惨が襲撃した際、珠世は産屋敷が屋敷や自身を爆破した直後に捨て身で無惨に鬼を人間に戻す薬を打ちこみました。
一方で愈史郎は鬼であることを隠して一般隊士に紛れ込み、無限城戦でサポート役として奮闘します。
本当は珠世のそばにいたかった愈史郎でしたが、珠世からの頼みで別行動を取ることに。
愈史郎は「血鬼止め」と言う血鬼術の効果を抑制する薬を常備し、負傷した隊士の手当てなどをしていました。

色々と小言を言っているものの、重傷だった善逸を落下の危機から救ったりときちんとサポート役としての役目を果たしています。他の一般隊士と口喧嘩するなどもめ事もありましたが…。
珠世死亡後も鬼殺隊に協力

鬼殺隊のサポートに徹していた愈史郎でしたが、無惨が薬を分解してしまったことで復活してしまいます。
珠世だけでは無惨を抑えることはできず、復活した無惨によって珠世は殺されてしまいました。
珠世が死亡したことを感じ取った愈史郎は激怒し、無惨を倒すために無限城を操っている鳴女の乗っ取りを試みます。
鳴女を通じて無惨が愈史郎を取り込もうとしたものの、柱たちの襲撃もあり愈史郎は何とか自我を保ち、鳴女を操り無惨を地上に叩きだすことに成功したのです。
無惨を地上に出した後は、瀕死状態となった隊士たちの治療に徹していた愈史郎。
愈史郎の活躍もあり、無惨は逃げ切ることができずに日の光によって消滅します。
全てが終わった後、愈史郎は珠世が身に付けていた形見の簪に向かって、すべてが終わったことを伝えました。
無惨討伐後は姿を消す

無惨を倒した後、愈史郎は蝶屋敷で療養していた炭治郎の前に現れます。
しばらく話をした後、愈史郎は猫の茶々丸を抱えて部屋を出ていこうとしました。
愈史郎さん死なないでくださいね
©吾峠呼世晴/集英社 コミック23巻
珠世さんのこと ずっと覚えていられるのは愈史郎さんだけです
炭治郎からの言葉に愈史郎はひどく動揺しましたが、そのまま何も言わずに姿を消しました。
愈史郎のその後がファンブックで判明
炭治郎の前から姿を消した愈史郎。
姿を見せてくれずどこにいるのかも分からなかったため、炭治郎は愈史郎を心配していました。
しかし実は愈史郎は、その後も鬼殺隊と少し関わりがあったことが判明したのです!
直接姿は見せていないものの、しのぶに変わってカナヲは蝶屋敷の医師をしているのですが、分からないことがあると愈史郎に相談していて、返事もきちんともらえていました。
炭治郎が伝えた通り、愈史郎は死ぬことはせずにひっそりとどこかで生活していたようです。
現代では愈史郎は生きているの?

鬼には寿命が寿命が無いため、現代を描いた最終回にも愈史郎の姿も。
謎多き画家・山本愈史郎として登場していて、珠世の姿だけを描き続けていました。
その絵はあまりにも美しく、初めて見る人は写真と勘違いしてしまうほどです。
鬼のため老けることが無いため、正体がバレないようにインタビューに押し掛けた汽車に猟銃をぶっ放すという飛んでもない手段で追い払っています。
炭治郎の言葉が影響を与えたのか、後世にも珠世のことを伝えたいという思いから画家になった可能性が高いです。

現代では産屋敷輝利哉もおじいちゃん姿で登場していて、実は2人は良き友人関係とのこと。もしかしたら産屋敷家の中には愈史郎の正体について知っている人物がいるのかもしれません。
生まれ変わった珠世と結ばれるかも?
作中で死亡したキャラクターたちも、現代で転生して幸せに生活する姿が描かれていましたが、そこには珠世の姿はありませんでした。
珠世は自分の意思ではなかったものの、鬼になった直後に自分の子供と夫を殺してしまい、そこから自暴自棄になって大勢の人を殺しているため、姿が無かったのでしょう。
ずっと珠世のことを想っていた愈史郎のことを考えると、少し切ないですよね。
ですがファンブックでは、愈史郎の鬼の血は数百年ほどで薄くなり、段々と人間に戻っていくとか書かれていたのです!
さらに、その頃には地獄で罪を償い終わった珠世を出会う可能性もあるとのこと。
その後が描かれることはなさそうですが、愈史郎の想いが実る可能性は0ではなさそうです!
まとめ

愈史郎の生涯について解説しました。まとめると…
・人間の時に不治の病にかかり、自分の意思で珠世に鬼にしてもらった
・炭治郎と禰豆子に対して不信感を抱いていたが、浅草での共闘を得て信用を置くように
・産屋敷からの提案で鬼殺隊を協力し、無限城では一般隊士に紛れてサポート役を全うする
・珠世が殺されたことに激昂し、鳴女を操り無惨を地上へと押し出す
・無惨討伐後は一度炭治郎の前に姿を現したものの、その後は姿を消す
・カナヲからの手紙には返事を出しているようで、その後も鬼殺隊との交流はあった模様
・現代では画家・山本愈史郎として珠世の姿だけを描き続けている
愈史郎は鬼に特に強い恨みもなく、無惨とは無関係な人物です。
本来ならば鬼となった後も無惨と戦う理由はありませんでしたが、珠世という大切な人の願いを叶えるために生涯を捧げました。
珠世は無惨によって殺されてしまい、2人が結ばれた姿を見ることはできませんでしたが、ファンブックでは2人が結ばれる可能性について書かれていただけで、少し救われたのかなと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました!

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