無限城での上弦の参・猗窩座と水柱・富岡義勇の戦い~炎柱・煉獄杏寿郎戦と比較しながら考察します

冨岡義勇(とみおか ぎゆう)

自らが定義する武・至高の領域を目指し、武術を用いた攻撃をする上弦の参・猗窩座。

作中、猗窩座は、無限列車での炎柱・煉獄杏寿郎との戦い、そして、無限城での竈門炭治郎と水柱・富岡義勇との共闘で激しい戦闘を繰り広げました。

今回は、無限城での猗窩座と水柱・富岡義勇の竈門炭治郎との共闘シーンを追いながら、炎柱・煉獄杏寿郎との戦いと比較しつつ考察していきたいと思います。

無限城での上弦の参・猗窩座と水柱・富岡義勇の戦い

猗窩座と義勇・炭治郎の戦いのシーンは、原作コミック第17巻の第146話から描かれております。

無限城に落とされた炭治郎と義勇が共に前に進んでいると、猗窩座は”ここにいるぞ”と知らしめるかのように壁に拳を打ち付け、物凄い轟音が聞こえてきます。

それでは、猗窩座と義勇にスポットを当てて、この戦いを見ていきましょう。

猗窩座との戦い・序盤戦

©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第17巻 第148話

義勇の最初に繰り出した技は、参ノ型・流流舞いで、水が流れるような滑らかな刀さばきを見せました。

水の柱か

これは良い 遭遇したのは五十年振りだ

©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第17巻 第148話

強者を好む猗窩座はすぐさま、義勇の会得している呼吸にも反応し、意気揚々と破壊殺・乱式を繰り出しました。

ちなみに、破壊殺・乱式は、炎柱・煉獄杏寿郎戦において、杏寿郎の放つ炎の呼吸・伍ノ型・炎虎の攻撃をほとんど打ち消し、杏寿郎に最初の大きな負傷を与えた技です。

©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第8巻 第63話

杏寿郎戦では、炎の呼吸・弐ノ型・昇り炎天を受けた猗窩座は、杏寿郎を鬼にならないかと誘っていました。

義勇戦では、すぐに義勇を鬼に誘うことはありませんでしたが、強者を好む猗窩座は柱と戦えることを楽しみ興奮していることがわかります。

それだけ、猗窩座の異様な強者へのこだわりと弱者への嫌悪の奥には強いコンプレックスがあるように感じられます。

©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第17巻 第148話

さらに猗窩座は、義勇の繰り出した水の呼吸・拾壱ノ型・凪を目の当たりにすると、興奮気味に見たことがない技だと語りました。

©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第17巻 第148話

義勇は共闘する炭治郎の首元を後ろから狙う猗窩座に対し、弐ノ型・水車で援護します。

流麗!!

練り上げられた剣技だ 素晴らしい

©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第17巻 第148話
©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第17巻 第148話

強者を好む猗窩座は、義勇の剣技に心から感動し、名前を名乗れと懇願しました。

©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第17巻 第148話

義勇は、鬼に名乗る名は無いと言い、話しかけるなと、猗窩座の要望をばっさりと切り捨てました

猗窩座が名を聞くことを諦めないと口にすると、破壊殺・脚式・流閃群光を発し、義勇を無限城の壁の奥底へ蹴り飛ばしました。

©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第8巻 第63話

杏寿郎戦では、猗窩座の”柱だな?”の問いに答えるかのように、杏寿郎が自ら名を名乗っていました

煉獄杏寿郎は代々炎の呼吸を受け継ぐ家系ですが、家族を鬼に奪われたわけではありません。

一方、義勇は実姉・蔦子を鬼に襲われ、さらに同志で親友の錆兎も鬼によって失っています。

それぞれの鬼に対する境遇の違いが、猗窩座に対する対応の違いに結び付いていると考えられます

また、杏寿郎が自ら名を名乗ったことにより、猗窩座は強者の名前を知った上で鬼の自分が勝つことに優越感を感じていたのではないかと考えられます

執拗に義勇の名前に固執したのはそういった理由もあったのではないでしょうか。

猗窩座戦・中盤戦

©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第17巻 第149話

炭治郎の危機に駆けつけた義勇は、猗窩座のことを名前では呼ばず、”上弦の参”とした上で、はっきりとした嫌悪感を伝えます。

©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第17巻 第150話

闘気を燃やした義勇は痣を発現、技の速度も上がり、肆ノ型・打ち潮を繰り出し、猗窩座との激しい攻防が始まりました。

©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第8巻 第64話

杏寿郎も最初の大きな負傷の後、後輩や無限列車の乗客の命を守り抜く覚悟で奮起し、炎の呼吸・奥義を繰り出しました。

杏寿郎は痣は発現してはいないものの、義勇同様、激しい闘気を燃やし立ち向かっているのは、柱としての使命と責務、圧倒される強者との命を懸けた戦いへの気迫だと思われます。

静かに痣を発現させた義勇と信念を伝え奮起した杏寿郎は、共にそれぞれの呼吸の柱として鍛え抜かれた剣士であることがわかります。

猗窩座戦・終盤戦

©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第18巻 第152話

互角の戦いを続ける猗窩座と義勇でしたが、義勇はもう少しの所で猗窩座を追いこむことができずにいます。

水の呼吸も出し尽くしたようだなと威嚇する猗窩座は、ここまでだとばかりに義勇に近づくと、義勇の振り下ろした日輪刀を側面から素手で折ってしまいました。

そして、猗窩座は、思い切り右腕を義勇の体深くまで突きましたが、透き通る世界が霞始めた炭治郎によって、すぐさま右手首から下を斬り落とされます

杏寿郎戦でも、猗窩座は右腕を杏寿郎の体に素手で突くシーンがあります。

©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第8巻 第64話

杏寿郎の繰り出した炎の呼吸・玖ノ型・煉獄と猗窩座の破壊殺・滅式がぶつかり合うと、猗窩座の右腕が杏寿郎の急所を貫通する致命傷を負ってしまいました。

それでも、杏寿郎は母を思い出すことで奮起し、猗窩座の貫通している右腕を放すまいと必死に踏ん張りました。

杏寿郎戦の際は、前の魘夢との戦いで負傷し、立ち尽くすことしかできなかった炭治郎。

しかし、義勇戦においては、炭治郎が柱に近い領域まで成長し、猗窩座の破壊殺の羅針盤の攻略法を父や伊之助の話から推測できたことなどから完璧な援護ができるまでになっていました。

このことによって、義勇を猗窩座の攻撃からの致命傷から救い出します

猗窩座は柱一人では倒せる相手ではないこと、そして炭治郎の成長を持ってして初めて倒せる相手だと言うことがわかります

むしろ、炭治郎の成長を知らしめるためにも必要なキャラクターだったのではないかと考えられます

背負っていた使命

©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第18巻 第154話

義勇は、鬼によって姉・蔦子と親友・錆兎を奪われる際、二人に自分の命を守ってもらい救われています。

その葛藤に苦しんだ義勇は柱になってからも後ろ向きに考えることもありましたが、錆兎と不思議な交流を持った炭治郎に錆兎から託されたものを繋がないのかと問われ、目を覚ましました。

義勇にとって、鬼殺隊の柱として存在する意義は、自らの命を懸けて守ってもらった命で託されたものを繋いでいくということであり、家族や仲間を守ることに他なりません。

そして、義勇は自分がそうしてもらったように、炭治郎を自分が守ると誓いました。

©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃 第8巻 第64話

杏寿郎は幼少期に最愛の母・瑠火を病死で失っています。

亡き母との約束であり杏寿郎の使命でもある、”弱き人を助けることは強く生まれた者の責務”を全うする為、鍛錬に鍛錬を重ね柱まで上り詰めました。

そして、最期の最後まで、立派な生き様を見せ、炭治郎達後輩や乗客を守り抜きました。

猗窩座戦において、義勇と杏寿郎の過去が明らかになり、境遇の差はありますが、二人とも深い悲しみを抱えてながらもはっきりとした使命を持っていることがわかりました

身の危険を感じる上弦の参・猗窩座との戦いは、杏寿郎や義勇にとって、原点を思い返す相手であり、また命を懸けて守り抜くという柱としての使命も強く感じる相手だったということができるでしょう

杏寿郎も義勇も、満身創痍となっても、自分が後輩の盾となり、猗窩座に立ち向かう姿は本当に立派でしたね。

まとめ

無限城での猗窩座と水柱・富岡義勇の竈門炭治郎との共闘シーンを追いながら、炎柱・煉獄杏寿郎との戦いと比較しながら考察してきましたがいかがでしたでしょうか。

まとめると

  • 猗窩座の強い者へのこだわりと弱者への嫌悪は自身のコンプレックスが強調されていた
  • 猗窩座は強者の名前を知った上で鬼の自分が勝つことに優越感を感じていた
  • 猗窩座は柱一人では倒せない相手、そして炭治郎の成長を持って初めて倒せる相手だと考えられる
  • 猗窩座は炭治郎の成長を知らしめるためにも必要なキャラクターだったのではないかと考えられる
  • 猗窩座との戦いは、杏寿郎や義勇にとって、原点を思い返す相手で、柱の使命も強く感じる相手だった

悲しい結末の杏寿郎戦を彷彿とさせる無限城での義勇戦。

炭治郎を鬼殺隊へと導いた義勇との、杏寿郎の仇である猗窩座との因縁の戦いでした。

仇である猗窩座の悲しい過去も明らかになり、鬼とはと問われているような内容で胸が苦しくなる思いがします。

柱稽古以来、不思議な関係となった義勇と炭治郎の関係も殺伐とした無限城の戦いの中ではホッと息を抜けるシーンです。

詳細はぜひ、原作コミックでお楽しみください。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いた人

知れば知るほど魅力ある「鬼滅の刃」が大好きな1児の母です。
 
煉獄杏寿郎推しですが、他のキャラクタ―も魅力いっぱいなので、色々な角度からご紹介していけたら嬉しいです。

冨岡義勇(とみおか ぎゆう)
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