煉獄杏寿郎はなぜ序盤で死亡したのか。理由は作品のテーマが大きく関係している?※

煉獄杏寿郎(れんごく きょうじゅろう)

鬼殺隊の最高位である柱の1人である炎柱・煉獄杏寿郎。

炭治郎たちにとっては、初めて一緒に任務を遂行した柱でもありました。

しかし、煉獄は無限列車での任務で死亡してしまいます。

物語はまだ序盤であり、鬼殺隊の重要キャラクターで死亡したのは煉獄が初めてでした。

作中でも人気のキャラクターである煉獄ですが、なぜ物語の序盤で死亡してしまったのでしょうか?

そこで今回の記事では、なぜ煉獄杏寿郎が序盤で死亡したのかを考察していこうと思います。

  • 煉獄杏寿郎が死亡したのは何巻の何話?
  • 煉獄杏寿郎が序盤で死亡したのは理由があるの?
  • なぜ煉獄杏寿郎が柱で一番最初に死亡したの?

などが気になる人は、是非この記事を読んでみてくださいね。

煉獄杏寿郎はいつ死亡した?何巻に描かれている?

©吾峠呼世晴/集英社 コミック8巻

煉獄は無限列車編の戦いで死亡しており、原作コミックスでは8巻の66話「黎明に散る」で描かれています。

どのような経緯で煉獄が死亡したのか、詳しく見ていきましょう。

上弦の参・猗窩座との戦いで致命傷を負う

©吾峠呼世晴/集英社 コミック8巻

煉獄や炭治郎たちが力を合わせ、無限列車で乗客を襲っていた原因である下弦の壱・魘夢を倒すことに成功します。

しかしその後、上弦の参である猗窩座が現れたのです。

炭治郎や伊之助も加勢しようとしますが、煉獄により止められてしまいます。

煉獄は無限列車の乗客や炭治郎たちを守る為に1人で猗窩座と戦うことになります。

猗窩座相手に善戦するものの、すぐに傷を回復する鬼とは違い、煉獄の体は徐々にダメージが蓄積されてしまい、次第に不利な状況になっていきます。

奥義を出して猗窩座の首を狙いましたが、猗窩座の腕が煉獄の腹に貫通してしまい、致命傷を負ってしまう煉獄。

しかしそれでも煉獄は猗窩座の首を斬ることを諦めず、最後まで戦おうとしますが、夜明けが近づいたため猗窩座は自らの両腕を切り離し戦場から逃走しました。

残ったわずかな力で煉獄は炭治郎たちへ最後の言葉を残します。

すでに亡くなった母が現れ笑顔を見せ煉獄を褒めると、煉獄は嬉しそうに笑い、亡くなりました。

なぜ煉獄杏寿郎は序盤で死亡したのか

©吾峠呼世晴/集英社 アニプレックス・ufotable

煉獄が初めて鬼滅の刃に登場したのは、6巻44話の「隊律違反」です。

死亡したのが8巻66話だったので、読者たちからは死亡までが早すぎると悲しむ声も多く聞かれます。

また煉獄は登場シーンは少ないものの、かなりの人気キャラだったのでまさかこんなに序盤で死亡するとは思いませんでした。

なぜ煉獄は物語の序盤で死亡してしまったのか、考察していきましょう。

1.上弦の鬼の強さを際立たせたかった

©吾峠呼世晴/集英社 アニプレックス・ufotable

炭治郎は那田蜘蛛山での任務で初めて十二鬼月である下弦の伍の累と戦っています。

炭治郎は累に殺されそうになりますが、水柱である冨岡が塁から一度も攻撃を受けることなく、いとも簡単に累の首を斬ることに成功しました。

伊之助も十二鬼月でもない父蜘蛛に殺されかけますが、こちらも冨岡によって救出されています。

その後、炭治郎と伊之助は機能回復訓練を経て無限列車の戦いで下弦の壱である魘夢と戦い、煉獄たちのサポートを受けながら勝利しました。

炭治郎と伊之助の成長を感じられるシーンですが、こんな簡単に十二鬼月が殺されてしまうの?と思った読者もいたのではないでしょうか。

しかしその後、上弦の鬼である猗窩座と煉獄の戦いが始まると、上弦の鬼の力は下弦の鬼とは比べ物にならないということを炭治郎と伊之助は肌で感じます。

修業をして下弦の鬼と戦えるようになったものの、上弦の鬼と戦うほどの力はまだ2人にはないということがハッキリと描かれていました。

煉獄の訃報が他の柱たちに伝えられた時、宇髄は「煉獄でさえ負ける」という風に呟いており、上弦の鬼の強さは鬼殺隊最強である柱たちでさえも敵わないのでは?と思ってしまいましたよね。

下弦の鬼たちが全滅してしまった後、猗窩座が登場することで鬼の強さをあたらめて見せつけることに成功したともいえます。

敗北した際に魘夢は柱である煉獄の強さをかなり評価していましたが、上弦の鬼はそんな柱たちを何人も葬っていると言っていました。ここでも上弦と下弦の鬼では強さがかなり違うということが分かりますね。

2.作品のテーマである「つなぐ」を描くため

産屋敷耀哉が無惨に対してこのように言っていました。

永遠というのは人の想いだ
人の想いこそが永遠であり 不滅なんだよ

©吾峠呼世晴/集英社 コミック16巻

おそらく産屋敷耀哉のこの言葉が鬼滅の刃という作品のテーマでしょう。

そして煉獄は死亡する前に、自分の想いを炭治郎たちに託し、信じると伝えました。

命懸けで煉獄は炭治郎のことを守ってくれて、煉獄が亡くなった後は自分の無力さにくじけそうになった炭治郎ですが、煉獄の「心を燃やせ」という言葉を心の中で唱える場面が数多くありましたね。

無限列車編の時は、鬼である禰豆子を認めている柱は少なく、認めている理由も「お館様が認めてくれと言ったから」といったもので、炭治郎たちそのものを認めてくれているわけではありませんでした。

しかし、煉獄は無限列車で人を守る為に鬼と戦う禰豆子を見て、禰豆子のことを鬼殺隊として認めてくれました。

他の柱ではなく、正義感が強く面倒見も良い好漢だったからこそ、炭治郎に想いを繋ぐキャラクターとして煉獄が選ばれたのではないでしょうか。

ファンブックにも、考え方が違って衝突しても、それを根に持つような性格ではないと書かれていました。確かに無限列車の中で炭治郎と再会した時も、嫌な顔をすることは一切ありませんでした。

3.煉獄が多くの人から好かれていたから

©吾峠呼世晴/集英社 アニプレックス・ufotable

煉獄は、同じ柱たちからも信頼されており、一目置かれた存在でした。

煉獄が亡くなった時に、訃報が他の柱たちに伝えられた時に多くの柱たちがショックを受けている様子も描かれており、かなり打ち解けていたということがわかります。

さらに、ファンブックでは柱同士の打ち解け度が掲載されており、煉獄は95%と最も高い数値をたたき出していました。

現在の柱たちの中では比較的新参であるにも関わらず、1番打ち解けていたというのはすごいですよね。

柱たちだけではなく、一般隊士たちの「話しかけやすい柱ランキング」では2位にランクインしています。

柱だけでなく、一般隊士たちからも好かれていたようですね。

みんなが慕っていた煉獄が殺されたからこそ、隊士たちの鬼を倒そうという思いはさらに強くなるはずです。

柱達からは人間性も高く評価されている

柱との打ち解け度が高い煉獄ですが、強さはもちろん、人間性を高く評価されていました。

冨岡義勇口下手な自分にも話しかけてくれる煉獄が好きだった。
胡蝶しのぶ良い人と評価しており、訃報を聞いたときは暗い表情をしていた。
宇髄天元自分より派手な煉獄に嫉妬しつつも、良い奴と認めている。
時透無一郎記憶を取り戻し、昔に激励されたことを思い出して涙した。
甘露寺蜜璃元継子であり、後輩として可愛がってもらっていた。
悲鳴嶼行冥前向きで弱音を吐かない人間性を評価していた。
伊黒小芭内過去に炎柱に救われたこともあってか、かなり信頼している。
不死川実弥初対面では衝突したものの、柱になってからはいい奴と認めている。
煉獄に対する柱たちの評価

特に一般隊士たちからは怖がられている伊黒と不死川からも好かれていたというのは驚きでした!

遊郭編では宇髄が、刀鍛冶の里編では無一郎が煉獄を想うシーンがあり、柱たちからかなり慕われていたことが分かります。

4.猗窩座と対照的なキャラクターだったから

©吾峠呼世晴/集英社 アニプレックス・ufotable

猗窩座の過去を知ると、煉獄と対照的であることが分かります。

猗窩座は人間の時に、病気の父親を助けるために盗みを繰り返しますが、父親は猗窩座をそんな生活から解放するために自殺してしまいます。

父の死から荒れた猗窩座でしたが、道場を営んでいる慶蔵と、その娘である恋雪と出会い、もう一度人生をやり直そうと決意します。

しかし、自分を救ってくれた慶蔵と恋雪は自分が留守の間に毒殺されてしまい、猗窩座は自分の大切なものを守ることはできませんでした。

一方で煉獄は、自分の命を犠牲に炭治郎たちだけでなく、乗客200名も全て守り抜いています。

自分を犠牲にしてすべてを守り切った煉獄と、自分は助かったけれど守ることができなかった猗窩座。

猗窩座のキャラクターと過去を引き立たせるために、煉獄の最期はあのような結末になったのかもしれません。

まとめ

©吾峠呼世晴/集英社 アニプレックス・ufotable

なぜ煉獄杏寿郎が物語の序盤で死亡してしまったのかについて考察してみました。まとめると…

煉獄杏寿郎が序盤で死亡した理由考察まとめ

・上弦の鬼の強さを引き立たせたかったから
・作品のテーマである「人の想いをつなぐ」というのを描くのに煉獄が適していたから
・多くの隊士に慕われた煉獄が死亡することで、隊士たちの鬼を倒そうという思いを強くするため
・猗窩座と対照的に描くことで、猗窩座のキャラクター性を引き立てようとしたから

やはり一番は上弦の鬼の異次元の強さを表現したかったという理由が濃厚です。

猗窩座との戦いは63~65話の3話で、他の上弦の鬼たちとの戦いと比べるとかなり短い期間で会ったことが分かります。

活躍の場はそこまで多くなかったにも関わらず、炭治郎が最後まで煉獄の残した「心を燃やせ」という言葉を胸に戦い続けていました。

隊士の鑑のような人物であり、みんなから慕われていた煉獄が死亡することで、炭治郎だけでなく他の隊士たちの心にも火が付いたのもあるでしょう。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

タイトルとURLをコピーしました