週刊少年ジャンプで2016年〜2020年の間に連載されていた鬼滅の刃。
ジャンプではすでに人気がありましたが、2019年のアニメ化をきかっけに社会現象を巻き起こすほどの人気作の仲間入りを果たしました。
発行部数は2億2000万部を突破しており、日本を代表する漫画と言えます。
大人気の鬼滅の刃ですが、このヒットは作者の吾峠呼世晴さんはもちろん、陰で作品を支え続けた編集者の力もありました。
そこで今回の記事では、鬼滅の刃の大ヒットを陰で支えた編集者さんについて詳しく解説していこうと思います!
作者の吾峠呼世晴さんとは

鬼滅の刃の作者は、吾峠呼世晴(ごとうげこよはる)さんです。
自画像が「眼鏡をかけたワニ」であることから、ファンたちからはワニ先生と呼ばれることも。
初めて読切作品「過狩り狩り」を完成さえたものの、自信が持てなかったため作品を処分しようとしましたが、家族は「どうせなら1番好きな雑誌に送ってみては?」と後押ししてようです。
家族の言葉もあり週刊少年ジャンプへ送ったところ、編集者の目に止まり、新人漫画賞で佳作を受賞しました。
このことがきっかけとなり漫画家の道に進むことを決意し、漫画家デビューを果たします。
その後は苦境に立たされながらも編集者と打ち合わせを重ね、ついに自身初となる連載を勝ち取ったのです。
この連載漫画こそが鬼滅の刃であり、初めての連載が大ヒット作品となりました。
編集者の功績。彼がいなければ鬼滅の刃は存在しなかった?

吾峠さんは初めての連載が大ヒット作品となったため、とんとん拍子に進んでいるように見えますよね。
ですが連載を勝ち取るまでの道のりは簡単なものではありませんでした。
そんな時に救ってくれたのが編集者の方で、この人たちの助けがなければ鬼滅の刃は誕生しなかったのかもしれません。
連載会議でアドバイス
デビューした後に何度か読切作品を掲載したものの、なかなか連載を勝ち取ることができず、苦境に立たされたのです。
編集部でどの漫画を連載させるかを決める「連載会議」が行われ、全員で意見を出して連載する作品を決定するのですが、この連載会議を通過することができませんでした。
連載会議には3話分のネームの提出が必須となっていて、会議に落ちたらまた次のものを準備しなくてはならないので、かなり大変であることが分かります。
何度も根気強くネームを作成していた吾峠さんですが、ついに2015年に連載が獲れなかったら漫画家を諦めると決めていたみたいです。
鬼滅の刃の連載が始まったのが2016年だったので、本当にギリギリの状態であったことが分かります。
そんな時に編集者が思い付いたのが「原点回帰」でした。
吾峠さんがジャンプに送った「過狩り狩り」には吸血鬼の話で、話の中には大正自体や刀といった分かりやすいモチーフがあり、ジャンプの対象読者である小中高生が理解できると考えたのです。
吾峠さんはこの提案を受け入れて1つの作品を作り上げ、編集部からの評価は得たもののあと一歩届きませんでした。
世界観のシビアさと主人公の寡黙さが落選の理由だったため、次に考えたのは主人公の設定です。
そこで主人公を普通の子にしようとなり、鬼滅の刃の前身となった作品でサブキャラであった炭治郎を主人公とした物語が誕生しました。
こうして誕生した作品が鬼滅の刃で、連載を勝ち取ることに成功したのです。
初めての連載もサポート
吾峠さんは鬼滅の刃が初めての連載です。
故郷である福岡から上京したものの、アシスタント経験もなかったため制作現場がどのようにして回っているのかは分かりませんでした。
連載する時には作家がスタッフに指示をすることが多く、吾峠さんは不安がありました。
そこで編集者は現在連載中の他の漫画家さんの制作現場を見に行く機会を作ってくれたのです。
編集者として導く

漫画家として光るものがあった吾峠さんですが、初めての連載で苦戦することも。
そんな時に一緒に考えて悩んでくれたのも編集者でした。
全集中の呼吸が生まれる

鬼滅の刃といえば迫力ある戦闘シーンも魅力的ですよね。
特に全集中の呼吸はほとんどの人が知っているのではないでしょうか。
実はこの全集中の呼吸は、編集者からの助言があって誕生したものなのです!
本当は全集中の呼吸というものは別の名称があったのですが、それを聞いた編集者がそれはださいと一刀両断しました。
その時の名称は「鱗滝式呼吸術(うろこだきしきこきゅうじゅつ)」です。
吾峠さんはこの名称がかっこいいと思っていたようで、ださいと言われた時にはすごく驚いていました。
もしこの名称が採用されていた場合、呼吸を使うときに隊士たちが「鱗滝式呼吸術‥」と言っていたと思うと名称が変わってよかったと少し思ってしまいますね‥!

エピソードとして挙げられたのは全集中の呼吸でしたが、それ以外にも吾峠さんが出したアイディアをそれはださいと却下されたものがたくさんあったみたいです。他にどんなものがあったのか気になりますね‥!
物語の取捨選択にも助言
連載をする際に必須とも言えるのが、エピソードの取捨選択です。
掲載されるページ数が決まっているため、エピソードを作る時はそのページ数に収まるようにしなければいけません。
なのでもしページ数が多くなってしまった場合は、どのエピソードの残すのか、削除するのかを決めなければいけないのです。
吾峠さんはこのエピソードの取捨選択が苦手だったようで、ここはカットしていいだろうと思ったところが絶対に必要なエピソードだったということが何度もあったみたいです。
その度に編集者からは「ここが重要なのに!?」と驚かれていました。
コミックスのおまけにも影響

鬼滅の刃のコミックスといえば、幕間に「大正コソコソ噂話」があり、キャラクターの設定や物語に入りきらなかった細かい設定などが描かれています。
この設定は連載されていたジャンプには載っていなかったもので、ジャンプを見てコミックスも買っている人にとってかなり嬉しいですよね。
実はこの大正コソコソ噂話も、編集者の影響があります。
編集者の人は漫画が大好きな人で、気になった点については吾峠さんに何でも聞いていたようです。
口癖のように「なんでこのキャラはこうするの?」と聞いてきたそうで、吾峠さんはこのなんでマンを突破できないと一流の漫画家にはなれないと感じたほど。
初めは言葉を詰まらせていた吾峠さんも、徐々に疑問に答えられるようになっていきました。
そしてこのなんで?と聞かれた際に答えたことを、コミックスの幕間に描いて大正コソコソ噂話が登場したのです。

メインキャラクターたちの設定はもちろん、悲鳴嶼が過去に共に生活していた少女・沙代の話も描かれていました。吾峠さんはジャンプで読んでいる人もコミックスを楽しんでもらえるようにと思って描いてくれていました。
作者の意見を柔軟に取り入れる

ここまでの話を聞くと編集者がかなり物語に影響を与えていることが分かります。
エピソードの取捨選択や技の名称も編集者の助言があって変わっているため、吾峠さんの意見はあまり通らないんじゃ‥?とも思ってしまいます。
結論からお伝えすると、吾峠さんの意見が通らないということはありませんでした。
炭治郎が鱗滝の元を訪れ、鬼殺隊になるために修行を行うシーンがありますよね。
このエピソードは、編集者からは修行のエピソードが長いのでは?と言われていたのです。
ですが吾峠さんは「普通の人間がそんなにすぐに強くなれない」という考えがありました。
編集者としては物語の序盤で修行編が始まると、少しエピソードとしては地味かもしれないと危惧していたのですが、ここでは吾峠さんの考えを尊重してカットしなかったのです。
確かに鬼滅の刃を読んでいると機能回復訓練や柱稽古など強くなるためのエピソードが描かれていて、吾峠さんのそういった考えが影響しているのかもしれません。
担当を離れるときに約束を交わす
慣れない連載の中、編集者と協力し合い物語を描いていた吾峠さん。
しかし連載を勝ち取り、これからというタイミングで鬼滅の刃の担当が変わることになってしまったのです。
立ち上げからお世話になっていたということもあり、さすがの吾峠さんも驚きを隠せませんでした。
担当が変更になるとなったことで重い空気になってしまった時も、導いてくれたのは編集者だったのです。
物語の大体の流れを決める
まず編集者が口にしたのは、鬼滅の刃の大体の物語の流れを決めるということでした。
この時に鬼滅の刃はまだ1巻も出ていない状態で、吾峠さん自身もどのくらい物語が続くのかを予定していません。
大体の物語の流れや登場人物を考慮した上で吾峠さんはコミックスでは15巻ほどと思っていましたが、編集者はそれでは収まらないと断言。
少なくとも20巻以上は必要と言い切り、実際に鬼滅の刃は23巻が最終巻となったため編集者の予言通りとなっています。
マル秘のデータを渡す
物語の大体の流れが決まり、最後に編集者が吾峠さんにあるデータを渡したのです。
それは、「これさえ守れば打ち切りにはならない要点をまとめた虎の巻」でした。
どんな内容が描かれていたのかは判明していませんが、連載中は忙しいといった理由で守れなくなることが多いとのことで、簡単なものではないことが分かります。
編集者は吾峠さんならこれを守ってくれると信じ、これを最後に託しました。

この虎の巻は門外不出で、吾峠さんが編集者からもらった時には「人に見せたら命はないと思え」と言われるほど貴重なもののようです。
まとめ

鬼滅の刃の大ヒットを陰で支えた編集者の活躍について解説しました。まとめると‥
・連載会議が通らない際に原点回帰を思いつき、鬼滅の刃で連載を勝ち取ることに成功する
・隊士たちが鬼と戦うために使う「全集中の呼吸」の名称を誕生させた
・初めての連載でエピソードの取捨選択が苦手だった吾峠さんをサポートする
・コミックスに描かれている「大正コソコソ噂話」を作成するきっかけとなる
・担当が代わる直前に物語の大体の流れを決め、連載を続けるためのマル秘情報を渡す
編集者がいなければ「鬼滅の刃」が誕生しなかったというのは驚きです…!
吾峠さんを導いて陰で支えてくれた編集者の影響は想像以上に大きく、漫画家と編集者の協力があってこそ良い作品が生まれてくるんだなと感じますね。
ここまでお読みいただきありがとうございました。











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