代々鬼殺隊の当主を務めており、隊士たちからは「お館様」と呼ばれている産屋敷耀哉。
耀哉は97代目当主であり、歴代の当主の中でも特に先見の明の能力が強いとされています。
厄介な性格が多い柱たちも耀哉を慕っており、耀哉が当主としてふさわしい人物であることが分かりますね。
炭治郎も例外ではなく、耀哉と柱合会議で少し言葉を交わしただけで「心地よい」と実感していました。
しかし、柱の中にははじめは耀哉に対して不満をぶつけた人物もいるのです。
そこで今回の記事では、お館様・産屋敷耀哉と柱の出会いはどのようなものだったのかを考察を交えて解説していこうと思います!
- お館様が隊士たちから慕われる理由は?
- 柱とお館様の出会いはどのようなものだった?
などが気になった人は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。
お館様が隊士から慕われる理由
鬼舞辻無惨の呪いにより、代々病弱で生まれている産屋敷家。
お館様も例外ではなく、炭治郎と出会った時にはすでに両目が失明しており、顔の上半分は痣に覆われた状態にまで病が進行していました。
それでも無惨を倒すために、作戦を考えたり、柱合会議に参加したりと積極的に活動を行っています。
お館様が柱や隊士たちから慕われるのはどうしてなのでしょうか?
1/Fゆらぎと言う特殊な声音を持つ
炭治郎がお館様の声を聞いた時に下記のように思っていました。
声?
©吾峠呼世晴/集英社 コミック6巻
この人の声のせいで頭がふわふわするのか?
不思議な高揚感だ……!!
実はお館様の声には「1/Fゆらぎ」という特徴があり、相手に安らぎや高揚感を与える効果があるのです。
初対面であった炭治郎さえも高揚感を得ていたので、お館様の声音にはかなり人を心酔させる力があることが分かりますね。
自分の安全よりも他者を優先する
お館様は鬼殺隊の当主であり、鬼舞辻無惨にとっては宿敵とも言える存在です。
無惨は青い彼岸花の探索を最も重視していますが、それと同じくらいに鬼殺隊の崩壊を望んでいます。
そのため、当主であるお館様の屋敷も探しているのです。
お館様の屋敷を知っている人はごく一部の人たちだけであり、ほとんどの隊士はどこにお館様の屋敷があるのかは分かっていません。
なので無惨が屋敷を見つけることはかなり困難ですが、万が一見つかってしまう可能性も否定できませんよね。
しかし屋敷には一切護衛はつけていないのです。
柱たちはお館様に最低でも2人の柱を護衛につけるべきと思っているものの、お館様は貴重な戦力を自分のために使っていいと考えておらず、護衛をつけていません。
自分よりも他者のことを想いやり、器の広さが分かりますね。
隊士のことをわが子のように大切に思う
お館様はあまり一般隊士と顔を合わせることはありませんが、隊士全員をわが子のように大切に思っています。
鬼との戦いで多くの隊士が亡くなっていますが、病気が進行し、歩けなくなるまでは毎日亡くなった隊士たちの墓参りをしていました。
さらに全員の隊士の名前を憶えるだけでなく、隊士がどんな出自であったのかまで把握しているのです。
お館様・産屋敷耀哉と柱の出会いを考察
ではお館様と柱はどのように出会ったのか解説します。
中にはお館様との出会いが描かれていない柱もいるので、そちらは考察していきます!
水柱・冨岡義勇
義勇はお館様との出会いはどのようなものだったのか明らかになっていません。
おそらく義勇とお館様が出会ったのは、義勇が柱になった時だと考えられます。
柱稽古に参加しない義勇に対して炭治郎に声をかけて欲しいとお願いした際に、義勇のことを「後ろを向いてしまう」と表現していました。
義勇が柱になって出会った時にも、辛い想いをしても戦い続けることを選んだ義勇に感謝を伝えたのではないでしょうか。
蟲柱・胡蝶しのぶ
しのぶはお館様との出会いはどのようなものだったのか明らかになっていません。
姉のカナエは柱に就任しており、しのぶも蝶屋敷でけが人の治療などもしていたので柱になる前からお館様と出会っていそうです。
今までは鬼は日輪刀で首を斬ることでしか鬼殺隊は鬼と戦うことができませんでしたが、しのぶは自身が鬼の首を斬れなかったこともあり、鬼を殺せる毒を開発しました。
もしかしたらお館様はしのぶが毒を開発した時に、諦めずに違う方法を模索し続けたしのぶに対して称賛を送っていたのかもしれません。
炎柱・煉獄杏寿郎
煉獄とお館様は、煉獄が柱に就任する前に出会っています。
煉獄とお館様の出会いについて詳しく見ていきましょう。
十二鬼月の討伐任務を言い渡される
煉獄家は代々炎柱を務める名家であり、煉獄の父である槇寿郎も炎柱として活躍していました。
しかし剣士としての実力に悩んでいた矢先、最愛の妻が亡くなり、槇寿郎は酒に溺れ炎柱としての責務を放棄するようになってしまいます。
見かねた杏寿郎が父の代わりに柱合会議に参加し、そこで初めてお館様と出会いました。
槇寿郎がいないことで柱が1つ空席となってしまい、隊士たちの士気も下がってしまうことが危惧されていましたが、杏寿郎は自分が柱になれば問題ないと言い放ちます。
そんあ杏寿郎を見て、お館様は柱たちに依頼するはずであった十二鬼月の討伐任務を杏寿郎に任せたのです。
自身が柱足りえるいうならば言葉だけでなく実績で
©吾峠呼世晴/集英社 鬼滅の刃外伝
そうすれば自ずと皆認めてくれる
こうして煉獄は下弦の弐である佩狼と戦い勝利し、引退した槇寿郎と交代で炎柱になりました。
お館様は煉獄の強さをすでに認めていたからこそ、十二鬼月の討伐と言う難しい任務を任せていたのかもしれませんね。
音柱・宇髄天元
宇髄とお館様は、宇髄が鬼殺隊に入隊してすぐ、または柱に就任時に出会っています。
宇髄とお館様の出会いについて見ていきましょう。
自分の過去を認めてもらう
宇髄は鬼殺隊に入隊する前は忍として生活しており、過酷な境遇で育ちます。
より強い子供を残し育てるという父親の教えのせいで、兄弟は修業の途中で死亡してしまい、残ったのは自身と1人の弟だけでした。
父親も弟も、周りの人間はただの消耗品で駒の1つという考えで、その考え方に疑問覚えた宇髄は、嫁3人と共に忍を辞めることを決意。
忍として人の命を奪ったいた宇髄は、忍の生き方を否定するために、人を鬼から守るという鬼殺隊と言う道を選んだのです。
そんな宇髄と3人の嫁のもとにお館様が現れ、宇髄の生き方を受け止めてくれたのです。
つらいね天元 君の選んだ道は
©吾峠呼世晴/集英社 コミック10巻
自分を形成する幼少期に植え込まれた価値観を否定しながら
戦いの場に身を置き続けるのは苦しいことだ
様々な矛盾や葛藤を抱えながら君は 君たちは
それでも前を向き戦ってくれるんだね。人の命を守るために
ありがとう 君は素晴らしい子だ
宇髄だけではなく、共に戦ってくれる3人の嫁にも敬意を払っていたお館様。
自分や嫁のことを認めてくれたこの出会いがきっかけで、宇髄は心からお館様を慕うようになりました。
霞柱・時透無一郎
無一郎とお館様は、無一郎が鬼殺隊に入隊する前に出会っています。
無一郎とお館様の出会いについて見ていきましょう。
生死をさ迷った際に無一郎を傍で励ます
無一郎は始まりの呼吸の剣士であり、作中で登場したキャラクターたちの中で唯一鬼殺隊側から勧誘を受けていました。
しかし、無一郎はある日鬼に襲われ、共に暮らしていた兄の有一郎が鬼によって殺されてしまいます。
無一郎は何とか鬼を返り討ちにしましたが、かなり重症であり、少しずつ衰弱していきました。
そんな時にお館様の妻であるあまねが無一郎たちの元を訪れ、無一郎は救出されて産屋敷邸で治療を受けて一命を取り留めます。
お館様は治療を受け意識が朦朧としている無一郎の元に通い、言葉をかけ続けてくれていました。
杓子定規に元を考えてはいけないよ無一郎
©吾峠呼世晴/集英社 コミック14巻
確固たる自分を取り戻した時 君はもっと強くなれる
記憶を失い人に優しくする余裕すらなかった無一郎ですが、お館様の言葉を支えに柱として戦い続け、お館様の言葉もきっかけとなり記憶を取り戻すことができたのです。
恋柱・甘露寺蜜璃
甘露寺とお館様は、甘露寺が柱に就任した時に初めて出会いました。
甘露寺とお館様の出会いについて見ていきましょう。
甘露寺の特異体質を認めてくれる
甘露寺は見た目は華奢な女性ですが、筋肉量が普通の人よりも8倍もあるという特異体質です。
その影響で人よりも消費カロリーが激しかったため、相撲取り3人よりも食べるという大食いでした。
この体質や奇抜な髪色が影響し、お見合いが破談になった経験から甘露寺は「普通の女の子」を演じるようになります。
しかし自分を偽って生きていくという事に疑問を感じ、自分の力を人のために役立てたいという理由で鬼殺隊へ入隊しました。
鬼殺隊では自分の力を十分に発揮し、ついに柱に就任します。
そして柱になった時に、お館様と出会います。
素晴らしい
©吾峠呼世晴/集英社 コミック14巻
君は神様から特別に愛された人なんだよ蜜璃
自分の強さを誇りなさい
君を悪く言う人は皆君の才能を恐れ羨ましがっているだけなんだよ
お館様の言葉や仲間たちがありのままの甘露寺の存在を肯定してくれたことがきっかけとなり、鬼殺隊が甘露寺にとってありのままで入れる自分の居場所になってのです。
岩柱・悲鳴嶼行冥
悲鳴嶼とお館様は、悲鳴嶼が鬼殺隊に入隊する前に出会っています。
悲鳴嶼とお館様の出会いについて見ていきましょう。
投獄された悲鳴嶼を救う
悲鳴嶼は鬼殺隊に入る前は、寺で身寄りのない子供たちを引き取って共に暮らしていました。
しかしある日、1人の子供が夜に寺の外で鬼に遭遇してしまい、自分が助かるために鬼を寺へと招き入れてしまい、子供たちが鬼によって殺されてしまいます。
悲鳴嶼は最も幼かった少女だけでも守るために、鬼と一晩中戦い続けたのです。
夜が明けて鬼は日の光で消滅し、残ったのは血まみれの悲鳴嶼と守り続けた少女、そして殺された子供たちでした。
大人たちが駆けつけた時に少女は気が動転してしまい、「あの人がみんな殺した」と証言してしまったのです。
大人たちは悲鳴嶼が子供を殺したと判断し、悲鳴嶼は死刑囚となってしまいます。
そんな悲鳴嶼を救ったのは、当時まだ14歳であったお館様でした。
君が人を守る為に戦ったのだと私は知っているよ
©吾峠呼世晴/集英社 コミック15巻
君は人殺しではない
お館様の力もあり、死刑囚であった悲鳴嶼はその後に解放されることになります。
自分のことを信じてくれたお館様に恩を返すため、悲鳴嶼は鬼殺隊の一員となり、柱に上り詰めるまでの実力者となりました。
風柱・不死川実弥
不死川とお館様は、不死川が柱に就任時に初めて出会いました。
不死川とお館様の出会いについて見ていきましょう。
不死川に自分の気持ちを正直に伝える
不死川は風柱に就任した際に、初めてお館様と出会います。
当時下弦の壱であった姑獲鳥を倒したことがきっかけで柱になった不死川ですが、共に戦った粂野匡近はこの戦いで亡くなりました。
不死川にとっては鬼殺隊に入隊したきっかけをくれた先輩であり、共に切磋琢磨していた親友でもあります。
自分たちを駒のように扱い、安全な場所から指示だけを出すお館様のことを良く思っておらず、反発的な態度を見せました。
しかしお館様はそんな不死川の態度は責めることはなく、不死川に対して謝罪したのです。
ごめんね
©吾峠呼世晴/集英社 コミック19巻
刀は振ってみたけれどすぐに脈が狂ってしまって十回もできなかった
叶う事なら私も君たちのように体一つで人の命を守れる強い剣士になりたかった
けれどどうしても無理だったんだ
つらいことばかり君たちにさせてごめんね
その後にカナエから、お館様は匡近だけでなく亡くなった隊員の名前と生い立ちをすべて記憶していることを伝えられ、隊員のことを何よりも大切にしていることを知りました。
お館様の優しいまなざしからその気持ちが本物であることに気付き、それからは考えを改めてお館様のことを心服するようになったのです。
蛇柱・伊黒小芭内
伊黒はお館様との出会いはどのようなものだったのか明らかになっていません。
伊黒がお館様に出会ったのも、柱に就任した時ではないでしょうか。
境遇としては宇髄と少し似ており、家族関係で辛い過去を背負っています。
伊黒の一族は、鬼が殺した人の金品で生活をしており、そんな一族に生まれた自分自身も汚い存在だと思うようになってしまいました。
しかし鬼殺隊となり大勢の人を救い柱になった時に、お館様から認められ、同時にたくさんの人を助けてくれた伊黒自身を尊い存在だと言ってくれたのかもしれません。
まとめ
お館様と柱たちとの出会いについて解説しました。
悲鳴嶼が言っていたようにお館様は柱たちに「その時に人が欲しくてやまない言葉」をかけていました。
おそらく出会いが描かれていない義勇、しのぶ、伊黒についても同じように、その人を思いやる言葉をかけていたのでしょう。
そのことで救われた柱がほとんどで、全員がお館様への深い忠誠心を持つようになりました。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
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