すでにテレビアニメでも登場している「珠世さんの猫・茶々丸」。
この子の出番は、まだまだこの先にもいくつかあり、鬼殺隊にも大きく貢献することになります。
今回は、この可愛くて賢い猫の茶々丸について、解説していきたいと想います。
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珠世さんの猫『茶々丸』の性別
茶々丸は「オス」
「○○丸」という名前は、たいてい男の子に付けられますよね。
「牛若丸」(後の源義経)とか「日吉丸」(後の豊臣秀吉)とか。
ただ、この『鬼滅の刃』では、「朱紗丸(すさまる)」という女性の鬼が登場していますので、「○○丸」=「男の子」と単純に決めつけてよいものではないのかも知れません。
また、公式ファンブックにも、茶々丸の性別は記載されていません。
茶々丸が「オス」だと判明した場面
コミック22巻、幕間の「大正コソコソ話」の場面、「惚れた女」とは珠世さんのことです。
カッコいい女性に対して「男前」という言葉を使うこともありますが、ここは素直に「茶々丸はオス」と考えて良いと思います。
『茶々丸』のご主人「珠世さん」
茶々丸を語るにあたり、まずは珠世さんについて触れておきます。
「鬼」だが鬼舞辻無惨を憎んでいる
珠世さんは、実は自分から望んで鬼になっています。
しかしそれは、自身が病で長く生きられない状態であったため、「子供の成長を見届けたい」という母親としての想いからでした。
しかし「鬼になると人間を食べなければ生きていけない」ということは知らされておらず、鬼になった結果、自分が夫と子供を食べて殺してしまったのです。
珠世さんが鬼になったのは400年以上も前のことですが、その長い間、ずっと鬼舞辻を抹殺する機会をうかがっていました。
鬼にされてしまった者は、鬼舞辻に対して無条件に心酔したり恐れたりする場合がほとんどですが、珠世さんはそうではなかったようですね。そして人間を襲わない禰豆子との出会いは、珠世さんにとっても「奇跡」だったのではないでしょうか。
「鬼」だが医者でもある
医者である珠世さんは、その知識と技術を生かして自身の体をいじり、間接的ではありますが、鬼舞辻に対抗するいくつかの施しをしています。
- 鬼舞辻無惨の呪いを外している=鬼舞辻の支配下から逃れて身を隠している
- 人間を食べず、少量の血を飲むだけで生きていけるようにしている
- 愈史郎(ゆしろう)だけではあるが、人間を鬼にすることに成功している
そして、人間を喰らわず鬼舞辻にも支配されていない禰豆子と出会ったことで、「鬼を人間に戻す薬の開発」が現実味を帯びることとなったのです。
鬼舞辻無惨が珠世さんを(だまして)鬼にした理由は、おそらく彼女が医者だったからではないかと考えられています。そこのところについては、こちらの記事で詳しく考察されていますので、是非ご覧ください。
『茶々丸』の登場シーンは大きく分けて3回
出番はあまり多くありませんが、2回目と3回目は忘れた頃に(?)登場しています。
①鼓の屋敷
炭治郎は、鼓の屋敷の鬼・響凱(きょうがい)を倒した直後、突然「鬼の血を採る道具」を出してきます。
それは、この鼓の屋敷へ来る前に浅草で出会った鬼・愈史郎の作ったものでした。
なぜ鬼の血を採るのか?
鬼を人間に戻す薬を作るためです。
炭治郎は、浅草で珠世さんと愈史郎に出会いました。
禰豆子を人間に戻したいと願う炭治郎と、鬼舞辻無惨を抹殺したいと思っている珠世、二人は協力し合うことを決意。
そして、鬼を人間に戻す薬を作るために、珠世さんは「禰豆子の血」と「鬼舞辻に近い鬼(できるだけ強い鬼)の血」の提供を炭治郎にお願いしたのです。
その「鬼の血」を珠世さんに運ぶのが茶々丸の仕事
視覚を操る愈史郎の血鬼術「紙眼(しがん)」を使い、透明人間ならぬ「透明猫」になって炭治郎のところまでやってくる茶々丸。
そして鬼の血を受け取ると、また「透明猫」になって珠世さんのところへ帰って行くのです。
②遊郭
上弦の陸・妓夫太郎(ぎゅうたろう)を倒した後、その血を採ることに成功した炭治郎。
これは珠世さんの望んでいた「鬼舞辻の血が濃い鬼の血」、禰豆子を人間に戻す薬の開発が加速することが期待できます。
鬼の血が採れたタイミングを見計らって、茶々丸が姿を現しました。
鳴くまでは姿が見えないので、いつから近くにいたのかはわかりませんが、もしかすると、炭治郎が任務に赴くときには、案外いつも近くにいるのかも知れませんね。
運ぶのは「血」だけではない
これは、珠世さんからの手紙を炭治郎に運ぶ場面です。
つまり、茶々丸は「炭治郎が採った鬼の血を珠世さんに運ぶ」だけではなく、手紙を運ぶ役割、つまり「連絡係」も担っていたわけですね。
それにしても愈史郎さんの顔が怖い・・・。珠世さんが俺に手紙を書くことさえ、面白くないと思われていたんだろうか。。
③鬼舞辻無惨戦
部下の鬼たちを全て殺されてしまった鬼舞辻無惨は、ひとりで鬼殺隊と戦うことになります。
しかし、柱たちが複数で向かっていっているにもかかわらず、圧倒的に鬼舞辻の方が強い状態でした。
深い傷を負い、毒も回り、どんどん消耗させられていく柱たち・・・そこに現れたのが茶々丸でした。
茶々丸はなぜそこに現れた?
背中に取り付けられていたのは、血や手紙を運ぶときのものとは違い、薬を打ち込めるようになっている小さい発射装置のようなものでした。
私たちファン(読者)には、この子が「珠世さんの猫」で、「人間の味方」であることもわかっていますので、茶々丸が柱たちを助けるために現れたということは容易に想像できました。
しかし柱たちや鬼舞辻にとっては、まだこの時点ではこの猫が何をしたのか、理解できていなかったのです。
柱を助けた後、鬼舞辻にバラバラにされた
薬を打ち込まれた直後は、何か攻撃されたのではないかと焦っていた柱たち。
しかし、症状が緩和されたことで、それが自分たちを助ける「薬」であったと認識します。
そしてそれを見た鬼舞辻は、その薬が珠世によるもの(こんなことができるのは珠世しかいない)と気付いたのです。
ただ、鬼舞辻は茶々丸が珠世の猫と気付くよりも前、柱たちに何かを打ち込んだ直後に、すぐ攻撃してバラバラにしていました。
何者かもわからないうちに殺そうとするとは、さすが無慈悲な鬼舞辻無惨ですね。
「鬼」になっていたので助かった
鬼舞辻にバラバラにされたあと、茶々丸のことは愈史郎が見つけてくれました。
そして体をくっつけてもらったことで、肉体も元通りになっています。
『茶々丸』が鬼になった理由
「愈史郎をひとりぼっちにさせたくない」という珠世さんの願い
そう、「かまわんぜ、惚れた女の頼みなら」という男前のセリフ、この「頼み」とは、自分を鬼にすることだったのです。
珠世さんは、鬼舞辻無惨との最終決戦に命を賭けていました。
おそらく、自分が生きて帰ることはないと覚悟、いや、確信していたのだと思います。
茶々丸の「かまわんぜ」という気持ちが珠世さんに通じていたかどうかはわかりませんが、少なくとも珠世さんの気持ちは、茶々丸に伝わっていたようですね。
愈史郎が珠世さんの後を追わないようにするため?
これは最終決戦のしばらく後、炭治郎から「愈史郎さん、死なないでくださいね」と言われたときの愈史郎で、珠世さんの後を追うことを考えていたようにも見えます。
炭治郎のセリフの後に愈史郎を見ている茶々丸は、愈史郎に何と言いたかったんでしょうね。
令和の世でも愈史郎と生きる茶々丸
愈史郎は、珠世さんを一途に想いながら、ずっと生き続けています。
そしてその傍らには、いつも茶々丸がいます。
まとめ
『鬼滅の刃』には、猫の茶々丸の他にも、カラスたちや蛇の鏑丸(かぶらまる)など、たくさんの動物が登場します。
その中で、いちばん普通の動物に近い形(?)で描かれているのが茶々丸ではないでしょうか。
そして、珠世さんの研究が進んで鬼舞辻を倒すことができたのも、禰豆子が人間に戻れたのも、茶々丸が鬼の血を運んでくれたおかげです。
鬼舞辻無惨に見つからないように珠世さんと炭治郎が連絡を取り合うためには、絶対に必要なキャラクターでしたね。
茶々丸も含めた動物たちの活躍場面につきましては、こちらの記事をご覧ください。
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